口美庵 kuchimi-an ~シドニーゲイの日々

口美庵 kuchimi-an ~シドニーゲイの日々

vol, 11 「運命の人」



 よく分かんないので放置していると、翌日もまた真奈美からメールが届いた。「昨日は突然ごめんなさい」。失恋の痛手が癒えないので相談相手が欲しいと言う。「私の悩み聞いてくれませんか?」などと続く。しまいには「会ってくれませんか?」とまで書いてあった。そこにも宣伝らしきことは何も書いてなかったので、これはホントにただイっちゃってるだけのお姉ちゃんかもしれないと思い、「すみません、困ります」と返事を書いてしまったのがいけなかった。メールはトリプルで届くようになった。

 数日に渡り、真奈美がしつこく「お願い、会ってください」と言ってくるので、なんとなく「じゃあ、とりあえず写真を見せてください」と聞くと、私の写真はここにあります、と出会い系サイトのページを教えられた。ここに来てくれたら私に会えます、と。なんだ、やっぱり宣伝だった。ここまで引っ張っておいて、出会い系かよ、つまんないわねと思って、放っておいたら、「どうして来てくれないんですか!?」と逆切れされた。「だから写真を送ってよ」と返すと、「それは出来ないんですっ!」と返って来、その押し問答が何度か続いた。だんだんアホらしくなってきたので、「私はゲイです」と言ったら、それきり何も言ってこなくなった。口美の勝利。

 きっとこんな手口に嬉しげに乗っちゃうストレートのお兄ちゃん方がたくさんいるのね。日本てやっぱり平和だな、とつくづく思った。

 余談だが、今日はうちの旦那の誕生日である(余談にすんなよ)。お誕生日おめでとう、ダーリン。ぶちゅっ。

 ・・・うっ。バタッ(窒息死)

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