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2015年10月18日
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カテゴリ: 邦画(12~)


「超高速!参勤交代」
去年の邦画の中では、もっともバランスの取れた娯楽作品でした。大笑いはないけれど、それなりに笑えて、それなりにきちんと歴史考証していて、サービス満点の殺陣もあり、実力派俳優は勢ぞろいしていて、合格品のエンターテイメント作品でした。そして、こういう言い方は形容矛盾かもしれませんが、社会派時代劇でした。

通常でも8日かかり、莫大な費用がかかる参勤交代を5日で行うよう幕府から無理難題を押し付けられた東北の小藩が、奇想天外な作戦の数々でピンチを切り抜けようとする様を描いています。

エンタメなので、困難は幾度とあれども最終的には参勤交代は成功します(ネタバレごめんなさい)。主人公の藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は、弱者や貧乏人の気持ちも良く理解するでき過ぎの藩主です。江戸城到着遅参の責めを負わせて、廃藩にしようとした老中・松平信祝(陣内孝則)の企みが潰え、ボロが明るみになった敵役に対しての、ラストの決着の付け方が、私的に気に入りました。中央集権国家の江戸時代でも、理不尽な裁きは許されない。佐々木蔵之介は見栄を切ります。

敵役の老中だけではなく、老中の失点を利用して派閥争いに勝とうとしている大老(石橋蓮司)にも、皮肉な一言を、本来そんな事を言える立場ではない女郎の深川恭子に言わせています。あくまでも目線は、弱者や貧乏人に置いているのです。

普通の作品は、ここくらいで十分メッセージが伝わります。でも本木克英監督はあともう一つどうしても言わせたい一言があったようです。将軍吉宗(市川猿之助)に対して内藤政醇は無理やり言質をとります。それは「磐城の土を殺してはならぬ。とこしえに」でした。これは自藩の安堵を保証させると共に、原発事故を想起させる台詞でした。これ位くどいくらいのメッセージは、現代の東北の置かれている現状から見ればまだ足りないくらい。と、監督は考えたのかもしれません。あれ程何度も伝えないと、お上には伝わらないのかも(あれでも伝わらないかも)しれない、と。

来年にはまさかの続編「超高速!参勤交代リターンズ」が公開決定⁉(2014年ブルーリボン作品賞受賞作品、レンタル可能)





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最終更新日  2015年10月18日 14時26分14秒 コメントを書く
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