キャナルのまったりRS日記

キャナルのまったりRS日記

短編小説1 魔道士はキス魔!?



出演&配役

シェバト   BIS 金持ちの大富豪
エステル  リトル シェバトの屋敷に仕えるメイド
LAYYA    WIZ 運を吸い取る連続凶悪犯
キャナル  アチャ 古都警備隊隊長


レッドストーン風味でスタート




この物語は、この町屈指の富豪が目覚める所から始まる。

シェ)  良く寝たな。
    昨日はTUと屈伸し過ぎて疲れたから仕方ないか。

彼が目覚めると、何処からとも無くコーヒーの香りが漂ってくる。
キッチンでメイドのエステルが、朝食の準備をしていたのだ。
彼はゆっくりと起きると、膝を折り祈りを始める。
何故か彼の頭上から光が降り注ぐ。

エ)  おはよう御座いますぅー。
    朝食のご用意はできておりますぅー。

朝食をワゴンに乗せて、猛然とダッシュしながら挨拶をしてくる。

エ)  急いでお持ち致しますぅー。

シェ)  ま、待て。
    また私に朝食をぶっかける気か!

彼は必死に避けようとするが、屈伸の影響か反応が遅れた。
ガッシュアァァン
派手な音を立ててワゴンに激突され、頭から朝食を被る事になった。

エ)  あぁぁ、すみませんですぅー。
    めぎょーぅぅ。

彼女は頭を押さえながら、潤んだ目で主人の方を見る。
彼の手には光る棍棒が握られていた。

シェ)  毎度、毎度、朝食をかけおって。
    私の肌が黒いのは、コーヒーの被り過ぎの様な気がしてきたよ。

エ)  それは単なる地黒では?

スパーーーーーン
再び光る棍棒が空を切る。

エ)  ぴぎゃー。

彼女は再び頭を抑えうずくまったのだった。


昼食を終えたシェバトは、ある町へ出かけようと準備を始める。

エ)  ご主人様、お出かけですかぁー。

シェ)  うむ、昨日TUをしていたらブランブルサップが落ちてな。
    ブリッジヘッドと言う町に居る、ドキタニアと言う男が売っているエンチャ水晶を手に入れたい。

エ)  エンチャ水晶?

シェ)  ユニークアイテムをさらに強化できる水晶らしい。
    運が無いとただの高価な水晶と変わらんし、失敗すればエンチャした物自体が
    壊れてしまうらしい。

シェバトはBISの中でも、運TUBISに分類されるBISであったので、運に関してはかなりの自信があったのだ。
彼は準備を終えると玄関へ向かう。

エ)  行ってらっしゃいませ、ご主人様。

シェ)  うぉぉぉぉぉ。
    メイド雇って良かったー。

エ)  どうかなさいましたかぁー。

シェ)  いや、何でも無い。

彼はメイドに萌える、MMM(もっと、もっと、メイドさん)の会員であった。
(↑ネタの分かった貴方は偉いw)
彼の出発する姿を木の影から見ている怪しい影があった。

L)  ふふふ。
    奴がシェバトか、今回の犠牲者は貴様だ。
    ふぁーはははははははぁあが。

どうやらこの男、笑いすぎで顎が外れたようだ。
木の陰から様子を伺うLAYYA。
シェバトは、その存在に気づいていない。
シェバトの隙を伺いながら、LAYYAは片足を踏み出す。
その時、城の方から近づく一団があった。

キャ) これはシェバト殿、何処かにお出かけですか?

シェ) キャナル隊長ではないですか。
    隊長自らパトロールとは珍しい。

キャ) 実は先日、この古都に運吸い取りの凶悪犯が侵入したとの情報が入りまして。
    うちの隊員どもは何をしていたのか、お恥ずかしい限りです。

話しながらも怪しい気配を感じたキャナルは、庭の方を見る。

シェ) どうかなさいましたか?

キャ) いえ、何かの気配がしたようなので・・・・・
    気のせいでした。

木の陰に隠れながらLAYYAは愚痴る。

L)  くそ、せっかくのチャンスなのに厄介な奴が現れたか。
    まあいい、チャンスはいくらでもある。

LAYYAは呪文を唱え空間を渡った。

キャ) で、どちらにお出かけで?

シェ) あー、そうでしたな。
    ブリッジヘッドの町の、ドキタニア商店までですよ。

キャ) そうでしたか、道中の無事を祈りますよ。
    シェバト殿も運の高い御方だ、凶悪犯に狙われるかもしれない。
    パトロールの続きがあるので、これにて失礼する。

そう言うとキャナルは部下をつれ去って行った。


シェバトはブリッジヘッドの町に着くと、ドキタニア商店を目指して歩いていた。
そこに近づくLAYYAの姿があった。

L)  おぉぉぉ
    貴方は噂に高いシェバト殿ではありませんか。

シェ) うむ、いかにも私はシェバトだが貴方は?

L)  私はLAYYAと申しまして、見てのとおり旅の魔道士です。
    ドキタニア商店に向うところでしたが、御高名なシェバト殿を御見受けして、
    声をかけさせていただきました。

LAYYAはシェバトから分からぬ様に、にやりと唇の端をあげる。

シェ) おお、これは偶然ですな。
    私もこれからドキタニア商店に行こうとしていた所なのですよ。
    ご一緒に如何ですか?

L)  喜んでお供させて頂きます。

シェバトは狙われているとも知らずに、LAYYAと行動を共にする事となった。
二人は雑談をしながらドキタニア商店を目指して進む。
LAYYAは人を避けるふりをしながら、シェバトの後ろに回りこむ。
そして後ろから首に手を回そうと腕を挙げた瞬間。
シェバトは立ち止まった。

L)  ちっ、気づかれたか?

立ち止まったシェバトはゆっくり振り向く。

シェ) 付きましたぞLAYYA殿。

LAYYAは安心し、腕を下ろしながら言う。

L)  ほほー、ここがドキタニア商店ですか。
   早速、水晶を購入しましょう。

シェ) そうですな。

前を見るシェバトの背を見なが、LAYYAは唇を吊り上げる。
二人は水晶を手に入れると、人気の無い所でエンチャを始める。
エンチャに夢中になるシェバトの後ろにLAYYAはゆっくりと回りこむ。
そして後ろから手を伸ばしていった。

シェ) ぎゃぁぁぁぁぁー

シェバトの絶叫がこだました。


場所は変わり、古都の地下水路の一角。
時を同じくして、男と女が密談していた。
男は鎧に身を固め、剣を片手に携えていた。

男)  それで計画の方は順調に進んでいるか?

女)  はい、エロ侍様。
    計画は滞り無く進んでおります。
    早ければ今夜にでも。

男)  私の事はエロマスターと呼べと言っておるだろうが!

女)  申し訳ありません、エロマスター様。

男)  まあよい。
    計画の方を進めよ。

女)  はっ!

再び場所は変わりシュバト邸。
足取り重く、疲れ果てたシェバトが屋敷に帰ってくる。

エ)  お帰りなさいませ、ご主人様。

エステルが挨拶するも何処か上の空のシェバトは何か呟いている。
何時もなら涙を流して喜ぶはずなのに、今日は喜ぶ所かうな垂れていた。

エ)  ご主人様?

シュ) ・・・・・・・

何か呟いているのだが、エステルには聞き取ることが出来なかった。
見ると片手に握られているブランブルサップは、ひび割れ砕けそうであった。

キャ) 邪魔をする。
    シェバト殿はおられるか?

エ)  これはキャナル様ー、どうされましたぁー?

キャ) うむ、町で話を聞いたのだが、シェバト殿の様子がおかしいとの事。
    様子を見に来たのだが。

エ)  ご主人様は戻られた瞬間寝込んでしまわれてー・・・・・

シェバトは屋敷に帰るなり、室に駆け込み寝込んでしまっていた。
キャナルはエステルとしばらく話し込む。
日は沈み、周りは夜の帳に覆われていた。

キャ) む!

キャナルは壁に立て掛けていた弓を掴むと庭に駆け出す。
周りを一望するとある一点で視線を止める。

キャ) 出て来い!
    そこに隠れているのは分かっている。

L)  ふぁはははははぁが

また顎が外れたみたいだ。
男は顎を直すと言い放つ。

L)  これは、これは。
    噂に名高い古都警備隊の隊長殿ではありませんか。

キャ) 貴様何者だ!

L)  我が名はLAYYA。
    暗黒の魔道士と呼ばれています、以後お見知り置きを。

キャ) ふん。
    今日で死ぬ人間を覚えて置くほど暇でないのでね。

その言葉を最後に二人は無言で対峙する。
先に動いたのはLAYYAであった。

L)  ファイヤーボール。

手を天に掲げ火球を周りに生み出す。
火球はキャナル目掛けて降り注ぐ。

キャ) あまい。

キャナルは氷の矢を放ち、飛来する火球のすべてを迎撃した。
キャナルは火の矢を構えるとLAYYA目掛けて放つ。
LAYYAは氷の柱を出現させ火の矢を防ぐ。
その後も技や魔法の攻防が続いた。

キャ) インターバルシューター

掛け声と共にキャナルは天に向かって矢を放つ。

L)  ふん、手元でも狂ったか?

キャナルはLAYYAのひやかしを無視して次の攻撃に入る。
何条もの矢を同時に打ち出した。
LAYYAは風の壁を周囲に展開し飛来する矢をことごとく弾いた。

L)  ぐぁ

頭上から飛来した一条の矢がLAYYAの肩を貫く。
同時に風の壁は消えた。

キャ) 勝負あったな。

L)  まだだっ。

テレポートを使い逃げようとするも、痛みのせいか移動距離が短い。

キャ) 逃がさん。

その後を追おうとするキャナルに後ろから手が伸びた。
不意を付かれたキャナルは顔面から地面に倒れる。
鼻血を出しながら振り返るとエステルが足にしがみ付いていた。

エ)  行かないで下さいですー。
    一人じゃ怖いですー。

ベチョン。
鈍い音をさせながらキャナルは弓で殴る。

エ)  痛いですー。

キャ) 痛いですーじゃなぁぁぁーい。
    逃げられちゃったじゃないの!

LAYYAの逃げた方には、すでに人影はなかった。

エ)  鼻血出てますよー。

ペチョン、ペチョン、ペチョン、ペチョン。

エ)  ぴぎゃー。

キャ) 誰のせいだと思ってるの。

その時、屋敷の中から悲鳴が響いた。
屋敷に向かい彼女達は駆け出した。
屋敷の中はランプに照らされ薄暗く静かだった。
二人はシェバトの部屋の扉を勢い良く開く。
そこで二人が見た物は、ベッドに横たわるシェバトと、その横に立つLAYYAであった。

キャ) 貴様、逃げたのではなかったのか!?

L)   ふふふふふ
    逃げるふりをして屋敷の中に入ったのさ。

キャ) シェバト殿に何をした。

見るとシェバトは運を吸い取られぐったりしている。

L)   何って?
    こうしたのさ。

LAYYAはシェバトに抱き付くと、熱い口付けをした。

L)   ちゅーーーーー

キャ) そうやって運を吸い取ったのか。

LAYYAは顔を上げ満足げな表情をして答えた。

L)   運?
    そんな物しらんよ?

キャ) ほぇ?

キャナルは呆気に取られていた。

キャ) もう一度、聞くわね。
    あ・な・た・が運を吸い取る凶悪犯じゃないの?

L)   なんて事を言うのだ。
    俺は運なんて吸わーんよ。
    俺の趣味は、ギュッして、チューーーーだから。

キャ) 変態かぁぁぁーーー

キャナルはランドマーカーでLAYYAを吹っ飛ばす。
LAYYAは爆発に巻き込まれ、床に倒れて煙を上げる。

キャ) しかし、シェバト殿は運を吸われている。
    これはいったい・・・・・

その時、キャナルの背後に殺気が膨れ上がる。
キャナルは振り向かずに横に飛ぶ。
今までキャナルが居た空間を火炎瓶が通り過ぎる。
火炎瓶を避けて振り返った彼女の前に居たのはエステルであった。

エ)  ふふふふふふ
    流石の隊長も私が運を吸い取ったとは思わなかった様ね。

エステルは不適な笑みを浮かべると、今までの事を語りだした。

エ)  私はあるギルドに所属する工作員でね。
    エロマスターの命令により、運の高い人間から運を吸い取っていたのさ。
    運を吸い取る為には、特別な魔方陣と吸い取るまでの時間が要るのよ。
    だから私は、狙った獲物にはメイドとして近づき、世話をするフリをして
    準備を進める。

そう言って彼女は、先ほどの火炎瓶で焼けた絨毯を指差す。
焼けた絨毯の下には、魔方陣が顔を覗かせている。

エ)  この準備をする為に、どれだけその男に棍棒で殴られた事か。

キャ) それって単にドジだから殴られたんじゃ・・・

キャナルの突込みを無視してエステルは続ける。

エ)  秘密を知ったからにはここで死んで貰う。

キャ) 自分でばらしてるし・・・・
    地でドジな性格では・・・・

エ)  死ねぇー

更なる突込みを無視し、エステルは魔法を放つ。
天から光の槍が降ってくる。
キャナルは、装飾に飾ってあった鎧の持つ槍をすばやく取り、周囲に旋回させこれを防ぐ。

エ)  ふん、なかなかやるわね。
    ならば私の最大の魔法を見せてやるわ。

そう言うとエステルは呪文を唱える。
呪文と共に彼女の周りには煙が発生し、彼女の姿を変えていく。
煙がはれると、そこにはウサギが居た。

キャ) ウ、ウサギ・・・・
    弱くなってどうする!

首根っこを掴もうとキャナルが近づくと、ウサギは素早く床を蹴り駆け出した。
駆けながら言う。

エ)  私の最高の呪文が防がれたから逃げるんじゃないわよ。
    これは戦略的撤退よ。
    運は吸い取ったしね。
    私の勝ちよ。
    おーほぉほぉほぎゅー

後ろを見ながら走っていた彼女の前には、閉まった玄関ドアがあった。
器用にドアを開けると、ウサギは街中に消えていった。



エピローグ

焦げてぴくぴくしていたLAYYAを城に連行したキャナルは、シェバトの屋敷に戻って来た。

シェ) いやはや、大変な目に合いました。
    運は吸われてしまいましたが、あの変態に襲われる事が無くなるかと思うと、
    安心して眠れます。

キャ) 変態の事はさて置き、逃げたエステルの事が気になります。
    彼女の言っていた、エロマスターの存在も気になる。
    城へ戻り調べてみる事にします。

去って行く彼女を見送り、シェバトは呟いた。

シェ) メイドはもう懲り懲りだ、今度はNNNに入ってナースさんに癒してもらうか。




             完

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