大学生のころ、ある夜
突然にものすごく寂しくなった私は、ある友人に電話をしました。
「猫ほしい!」
ちょうど彼が家庭教師をしていた先で、猫が生まれたという話を聞いていたからです。
小さい頃から猫嫌いだった私が、なぜそのとき猫をほしがったのが、いまだにわからないのですが、
とにかく明くる日、友人のバイト先の家におじゃまして猫を見せてもらいました。
段ボール箱に入った3匹の子猫たち。その中で、
私に見向きもせずに眠っていた、けっこうとろくさい、黒っぽいやつ。
それが「ゴンタ」でした。
抱き上げたとき、うっすらと目を開けて、
「しゃあねぇなぁ、行ってやるわい」
そう言った気がしました。
以来14年間、ゴン先生と暮らしています。
いろんなことがありましたが、ずっといっしょでした。
これからも、いっしょにいます。