前門の虎、後門の狼 <年子を抱えて>

前門の虎、後門の狼 <年子を抱えて>

利権爺たちにウンザリ




 私の最大の楽しみ、プロ野球。その楽しみが、ストライキによって奪われた。試合がなくなってしまったのは残念だが、私は基本的にストには賛成だ。選手会の要求は間違っていないと思うから支持したい。それに比べて、経営者側の態度は謙虚さが微塵も感じられない。選手はおろか、ファンをも無視している。会見での古田選手会長の表情を見れば、ストが苦渋の決断であったことは一目瞭然である。

 あの会見では、経営者側のワンマンぶりばかりが目立った。これまでさんざん、選手やファンを蔑ろにしておいて、今さら何が「誠意」だ。まさに顔(表情)で語っていた古田に対し、経営者側は用意した文章を棒読みしているだけのように見えた。さらに、「正式に拒絶された」「あくまでも来シーズンからとすることに固執し」「ファンに対する直接的かつ重大な背信行為」「違法かつ極めて不当なもの」等々、やけに痛烈な表現が多いことが気になった。完全に見下しているな…。

 ここへきて、ライブドアに続き楽天もプロ野球経営に名乗りをあげたが、どうも現存の球団経営者はこの動きを快く思っていないようだ。すぐにでも新球団を迎え入れて、来シーズンは12球団(もしくはそれ以上)になることが望ましいだろうに、セ・リーグ6球団、パ・リーグ5球団でいくと頑なに言っている。なんとも解せない!そもそも、赤字で尚且つ見売り先が見つからないから合併などと言い出したのではなかったのか?新規参入のためには審査等の手続きが必要で、日程的に間に合わないという意見があるようだが、パ・リーグ5球団での変則ペナントレースを考えるよりは容易なことだろうに…。なぜ、それほどまでに5球団にこだわるのだろうか。常に1球団が余ってしまい、試合日程を組むのが困難になり、さらに各球団の経営悪化が進むだけではないだろうか。そしてついには2リーグ制の継続困難、1リーグ制でなければやっていけないなどと言い出して、来シーズン以降は1リーグ化しようというシナリオでもあるのかと疑いたくなる。結局、保守的で石頭の、古~いオヤジばかりだということか。新しい血がプロ野球に入ってくることが怖いのか(嘲笑)。

 ファンあってのプロ野球、いわば12球団で「株式会社プロ野球」といって差し支えないだろう。新規参入は多くのファンが賛成している。顧客のニーズに応えよ!それを無視して、経営が成り立つはずがない。元はといえば、シーズンの真っ最中に合併話を進めるから悪いのだ。

 少年野球、高校野球、大学、社会人…。アマチュアの裾野は広いのだから、プロを縮小するのではなく拡大して、どんどん発展させてほしい。審査する時間がないから新規参入はダメだなんて、一般常識からしても道理が通らない。最大限努力してみて、やっぱり来シーズンには間に合わなかったというなら諦めもつくが、やりもしないで無理だと最初から決めつけてしまう。どこに「誠意」があるというのだ。なぜ選手会は「06年から新規参入」という案を嫌がったか、答えは簡単、経営者側がなし崩しに新規参入をなきものにするため、先延ばしにして、ごまかしてしまおうという意図がミエミエだったからである。

 近鉄とオリックスが合併しても、黒字にはならない計算だという。今後も経営が苦しいなら、近鉄はライブドアに、オリックスは楽天に経営権を譲ればよいのに!そうすれば今までどおりの12球団じゃないか!

 プロ野球は文化である。経営者の私物ではない。旧態依然の爺がいつまでのさばっているつもりなのだろうか。今、時代は大きく動いている。これまでの膿をすべて出し、健全で魅力ある野球界を築いてほしい。そのためにも、新しいアイデアをもった、若くてやる気のある経営者の出現は大歓迎である。

 ストにより、2試合分の入場料収入とテレビ放映権という直接的な損失に加え、球場内で売り上げがあるはずだった飲食物、グッズなどの間接的な損失を見積もって、ある球団は、選手会に対して5億円にも及ぶ損害賠償を求める訴訟をおこす方針であることを明らかにした。呆れた…。怒髪天を衝くとはこのことだ。今回のストが、不当労働行為だというのか!?どうせ奴らは自分たちの利益しか眼中にないのだ。こうなったら徹底的に戦ってほしい。ストを起こすことでファンが離れるかもしれないが、経営者側の無責任なやり方に屈服すれば、それ以上にファン離れが加速してしまう。私は、こんなことくらいでファンをやめるつもりはないから…。


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