以前の記事 で水溶性ビタミン、 その後の記事 ではビタミンCについてまとめましたが、
今度はビタミンBを順番にまとめようと思います。
一度に全部はムリなので一つずつ。また、常に研究は続けられているため、新たな情報があれば追加としてまとめていきたいと思います。
今回はビタミンB1 ( チアミン )についてです。
[概要]・ビタミンB1とは水溶性のビタミンの一種であり、別名チアミンと呼ばれる。
・不足すると 疲れを感じやすく なったり『 脚気 』という病気になる。
・過剰摂取の害は報告されておらず、ビタミンCとと比べてなお安全なビタミン。しかし多く摂っても排泄されるのであまり意味はない。(ただし人によっては アレルギー が報告されている)
・ アルコールの分解 にも関係
[体内での主な役割]
・ 糖質(グルコース)
や 脂肪酸
を エネルギーに代謝
する際に必要。(TCAサイクルにて)
・チアミン二リン酸に変換され、 補酵素として働く 。
・アセチルコリンの遊離を促し、 神経伝達 に関与。
[1日摂取目安量]成人男性:1.1mg (=1100μg)成人女性:0.8mg (=800μg)
あるいは摂取エネルギーに対して 350μg/1000kcal 必要
[欠乏症]
・十分なカロリーを摂取しても エネルギーに変換できず
、 体に蓄積
しやすい。
・エネルギー産生不足から 疲れを感じやすく なる、 免疫力低下 。 皮膚や粘膜が荒れる 。
・食欲不振、倦怠感、手足のしびれ、むくみ、動悸などいわゆる 夏バテ 症状。
・ 記憶力や集中力 低下。
・ 脚気 、 代謝性アシドーシス 、 脳症 、 心筋代謝異常 など。
[過剰症]特に無し。強いてあげれば大量摂取によりアレルギー症状が出る人もいるらしい。
[多い食べ物]
肉・魚介類
全般、キノコ類
※米はほとんどビタミンB1を含まないので注意(ヌカ部分に含まれるため玄米は多少含む)
むしろ必要量を増大させ夏バテしやすくなる。アルコールもまたビタミンB1不足を招きやすい→飲むときは十分ビタミンB1を摂ること
含有量一覧
[注意点など]
・ビタミンB1はビタミンCと同じく、水溶性ビタミンの中でも特に 不安定で、熱、アルカリに弱い
(弱酸性で安定)。水に非常に溶けやすく、米などは 含有量の1/3は失われる
と考えて良い。アルカリに弱いため 重曹
などを用いるときはさらに失われる。
・また、 吸収効率も低い
ため、 進行時の脚気
、 胃腸が弱っている
ときには 吸収しきれない
こともあり、この時は 高吸収率のビタミンB1誘導体
を摂取する必要がある(一般にはアリナミンAなどが有名)。
ニンニク
などに含まれる アリシン
はビタミンB1と結合してアリチアミンとなり、 吸収率がUP
。なので 肉とニンニク(加熱した方が胃を傷めにくい)の組み合わせ
はGOOD。
またアリシンは ビタミンB1を体内に留める作用
もあるためなおさら望ましい。
・通常は 数時間で体から排出
されるため3食でそれぞれ摂取。それ以外にもサプリなどで補うことが望ましい。
・しかし微量ながら 腸内細菌によっても合成 されるため、ヨーグルトや食物繊維、オリゴ糖などで腸内環境が良ければさほど問題にはなりにくい。
・問題は糖質や脂肪分の多いものを多く摂取する場合、 ビタミンB1の要求量も飛躍的に増える 。 ちなみに 白米の栄養はほぼ全てが糖質 であるため( 甘くなくても体内では砂糖と同じ扱い )。白米を大量に食べる食習慣はビタミンB1不足に陥りやすい。脂肪分の多いものも同様である。
・ただし 肉類はビタミンB1を大量に含む (例:豚ヒレ 980μg/100g)ため多く食べてもビタミンB1不足にはなりにくい。 ウナギや肉類 、 とろろ など、 夏バテ に効果があると言われるものはたいていビタミンB1を多く含むものである。
・サプリなどで摂取する場合、単に含有量のみで評価すればよいが 一日1粒タイプでは直ぐに排泄 されてしまって効果は少ない。総量がたとえ減っても、1日3・4回に 分割して摂取できるタイプ のほうが良い。
・出来れば タイムリリース機能 があると素晴らしい。
[その他の研究・実験結果]ビタミンB1単体の研究は少ない。たいていビタミンB群として扱われる。
[仮説(こちらはソース無しで信憑性はわかりません)]・抗神経炎作用があるといわれている。