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ラブホテルって日本特有のものなのかと思っていたら、なんとロンドンにも近々上陸するそうです。昨日付の「インディペンデント」紙が報じたところでは、イギリス第一号店がロンドンのショーディッチに出店される見通しであることが伝えられています。出店計画を立てたのは、ロンドンでよく見かける回転寿司チェーン「Yo! SUSHI」をヒットさせた実績を持つサイモン・ウッドロフ氏(53)。日本を訪れたときの体験をもとに、回転寿司をイギリスに導入し、成功に導きました。彼はイギリスのベンチャー界きっての注目人物で、ヴァージングループのリチャード・ブランソン会長や、格安航空会社、イージージェットを成功させたステリオス・ハジ=ローノウ会長ともよく比較されるほどの人物です。新しいラブホテルチェーンは、その名も「YOTEL」。まずはロンドンでの3店舗を足がかりとし、その後、全国展開、さらには海外進出までももくろんでいるとのこと。部屋は10平方メートルと小さいものの、回転ベッドや航空機スタイルの照明、最新のテレビ、ブロードバンドなどが設置されます。料金は、1時間10ポンド(約2000円)または一晩75ポンド(約1万5000円)と割安で、4つ星~5つ星クラスのホテルと同等のサービスが受けられるとのこと。YOグループでは、最近、日本のファッションを紹介する「YO! JAPAN」を発足させるなど、新たなビジネスモデルは日本にあり、と考えているようです。常務取締役、グリーン氏は、同紙のインタビューに以下のように答えています。「このホテルは日常的な価格でデザイナーホテルの贅沢さを提供することができるのですよ。ラブホテルは、おそらく日本の文化でもっとも素晴らしいものと言えるでしょうね。男が秘書とこっそりと・・・、なんてシチュエーションで、間違いなくわが社に大きな利益がもたらされることでしょう。」と、早くも鼻息が荒い様子。ただ、ちょっと妄想気味なのが気になりますが。YOTELの部屋の原寸モデルルームは、今月ロンドンのアールズコートで開かれるデザイン展示会でも見ることができるそうです。個人的には、イギリス人にはもっと他に日本から学んでほしいことがあるような気がするのだけど・・・。ちなみに同ホテルのオフィシャルサイトはこちらですが、あいにく、筆者は行く予定はありません・・・。
2004年09月11日
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アムステルダムでもっとも印象深かった場所は、「アンネの日記」の作者、アンネ・フランクの家です。ここは、ドイツから逃れたアンネ・フランク一家が1944年にゲシュタポに発見されアウシュビッツ強制収容所に送り込まれるまでの2年間を生活した隠れ家。今では記念館として一般公開され、町の中心のダム広場から程近いこともあって、いつも多くの観光客で賑わっています。入館料は、7.5ユーロ(約1000円)。忍者屋敷のような回転式本棚を潜り抜け、まるで迷路のような隠れ家の中を見学することが出来ます。建物の中は通路が狭い上にくねくねとしていて、全体の構造が分かりづらくなっているので、これならなかなか見つからなそうです。しかし、ここに息を潜めて暮らしていた一家8人のうち、結局助かったのはアンネの父オットーだけ。戦後オットーの尽力により出版されたアンネの日記は、世界的ベストセラーになりました。第二次世界大戦が終結したのはもう60年前のことですが、ナチスの手により約600万人ものユダヤ人が犠牲になったとのこと。自由を謳歌しているように見える今日のアムステルダムの賑わいを見ると、ここだけまるで異質な空間のように思え、そんなことがあったとは微塵も想像がつきません。そして、もうひとつ考えたのは、その人種差別による悲劇をもっともよく知っているはずのユダヤ人が、いまやパレスチナ人を殺しまくったり、第二のベルリンの壁とも言われる分離壁(分離フェンス)を彼らを囲い込むように一方的に建設していることです。よく「幼児虐待の経験を持つ子供は、大人になると必ず子供を虐待する」というけれど、同じようなことは国家レベルでも起こるのだろうか、などと考えたりしました。
2005年08月08日
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前回気温の話をしたので、ついでにもうひとつ単位にまつわる話を。以前住んでいたイギリスとアメリカは、もともと同じ国なだけあって「ポンド」(454グラム)や「マイル」(1.6キロメートル)など共通の単位を多く使うのですが、同じのようでありながら実は違う紛らわしい単位が、牛乳やビールなど飲み物の量の単位「パイント(PINT)」です。百聞は一見にしかずということで、まずはそれぞれのパイントを比べてみましょう。まず下の写真がイギリスの1パイントの牛乳。 左下に小さく書いてあるとおり、1英パイント=568mlです。次に、下がアメリカの牛乳。こちらは1米パイント=473ml。こっちのほうがだいぶ少ない!ちなみに、上のイギリスの牛乳は、国家を挙げて牛乳のふたの色分けの仕方が統一されており、どうでもいいことに妙にこだわるイギリスらしさが感じられますが、アメリカは自由の国だけあって各メーカーのふたの色はバラバラのようです。さて、どうして同じパイントなのにこんなにも量が違うのか、その歴史的経緯はWIKIPEDIAにも説明されていますが、実は深田恭子よりも深い理由があるのです。その説明の前に、まずパイントはガロンの8分の1のことなので、アメリカ・ガロンとイギリス・ガロンがなぜ異なるのかということに話を置き換えて説明しましょう。もともとイギリスにおける「ガロン」は、量るものによって「コーン・ガロン」や「ワイン・ガロン」など、微妙に違うさまざまな大きさの単位が使われていたそうです。それらのうち、18世紀はじめにアメリカに伝えられたのが「ワイン・ガロン」(=3.79L)。したがって、これを8で割ると今日の米パイント(473ml)になります。ところが、イギリス議会は19世紀はじめになって「いろいろな大きさのガロンがあるのはけしからん!ひとつに統一しよう。」という話になり、単純に10ポンド分の水の体積(454mlx10=4.54L)を1英ガロン(IMPERIAL GALLON)としたのです。したがって、イギリスのパイントは、単純に1ポンドの水の体積(454ml)を10倍して(4.54L)、それを8で割っただけ(568ml)のことだったのです。というわけで、ちょっと意外なことにイギリスのパイントのほうが歴史が浅いということになりますね。
2006年02月01日
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