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さて、今日は、イギリスの国内ニュースについて書きましょう。
今、イギリス国内のニュースとして、1番の話題は「ロイヤル・ウェディング」でしょうが、政治の世界に目を移せば、5月5日に実施が予定されている「選挙制度に関わる国民投票」でしょう。
今回の国民投票は、先の総選挙において、第一党となった保守党が過半数を獲得できなかったために、自由民主党との連立政権を樹立する際に、実施を約束したものであり、所謂、自由民主党の1丁目1番地の政策課題だ。
ちなみに、現行の選挙制度は、単純小選挙区制(first past the post system)であり、小選挙区において最多数の得票を得た者を当選人とする制度であるが、今回提案されているのは、選択投票制(alternative vote system)と言われるものであり、簡単に説明すると、以下のようなイメージだ(※難しければ、読み飛ばして下さい)。
・投票者は、自身の選好に従い、1、2、3等の数字により候補者に順位を付して投票。
・その場合、投票者は任意の数の候補者に順位を付すことができる。ただし、候補者すべてに順位を付す必要はない。
・第1順位の投票を開票し、その有効投票の過半数を得た候補者を当選人とする。
・過半数の得票者がない場合には、最少得票者を落選とし、その得票を各投票用紙に記載された次順位の候補者に移譲する。
・ 得票の移譲後、有効投票の過半数を得た候補者を当選人とする。ただし、過半数の得票者がない場合には、当選人を決定するまで、この手続を繰り返す。
何故、こんなややこしい制度を提案しているのかと言えば、まあ、党利党略は横に置いて、公式見解は、小選挙区制度では、どうしても、落選者への投票や圧倒的当選者への投票の一部が死に票になるので、このデメリットを減ずるのが目的とのこと。昨今の価値観の多様化も踏まえれば、より多くの人々の意見を反映するためには、この制度が優れているという考え方である。先進国ではオーストラリアが採用しているとのことだ。
実際にどうなるかは、投票結果を見なければ分からないが、評判は芳しくないようだ。政権等として提案はしつつも、反対の論陣を張るキャメロン首相の言葉を借りれば、現行制度は、シンプルで分かりやすく公正な制度として歴史的にも認知されてきたものであり、新たな制度は、分かりにくく、コストもかかると言われている。
この国民投票は、将来の選挙制度を決めるものであり、本来は現行の政権の評価とは無縁のものであるはずだが、実際には、これまでの政権運営に関する通信簿的な位置づけもあるようだ。実際、キャメロンに押されっぱなしで、変節を繰り返しているだけと非難されているグレッグ率いる自由民主党によるキャンペーンの様子を見る限り、旗色はかなり悪いようだ。
最近になって、グレッグ率いる自民党は、存在価値を示すのに必死だし、自信を深めたキャメロン保守党は、かなり自由民主党を刺激するような発言を繰り返している。
私、個人としては、2大政党がしっかりしているという前提あれば、安定政権作りの観点で、現行制度でよいのではないかと感じているが、日本でも政治の閉塞感を思えば、もっと選挙制度改革(一人一票、参議院改革、ネット選挙解禁等)について、議論が盛り上がらないとおかしいと思う。
また、イギリスの政権運営を見ていると、連立政権は組んでも、小政党側に引きずられることはなく、また、大きなブレもなく政権運営をしていることで、キャメロン政権は一定の評価を得ているように思う。また、連立の作法やねじれ国会の作法なども、長い歴史の中である程度成熟しているように思える。政治の世界では、まだまだ学ぶところが多いような気がするので、また、色々書いていこうと思う。
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