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第八弾「休息と新たな始まり」


マリスト村で一番安い宿屋にシシケンとミージャは泊まることにした。理由は簡単、シシケンのサイフの中身が絶望的だからだ。

~マリスト村宿屋内~

シシケンが目の前の機械に人数・宿泊期間を入力した。
シシケン「これで登録完了と。さて、ミージャさんは何所だろうか…?」
さっきまでうしろにいたのに、影も形もない。ミージャを捜して外に出ると、すぐに見つけることが出来た。見知らぬ人と話している。その人物は、手に何か持っていて、それについて話しているようだった。
シシケン「あ・いたいた。ミージャさんー何やっているんですか~?」
シシケンがミージャの近くに行くと、見知らぬ人物との会話が聞えた。だが、何を話しているのかさっぱり理解できなかった。つまり相手は種族が違うのである。
謎の人物「○#$=☆*△Ю…」
ミージャ「なるほど、それはこうやってこうするのよ。ね?簡単でしょ?」
シシケンがいることに気付かず、ミージャはその人の手にあるものを触り、組み立てていた。どうやら、相手は使い方がわからず、偶然フラフラと外に出て行ったミージャに声をかけたのであろう。数分後、ミージャはその人との会話が終わり、宿屋に行こうとして、やっとシシケンの存在に気付いた。
ミージャ「あら?シシケン君いたの?いたのなら声をかけてくれても良かったじゃない?」
シシケン「ミージャさんが気付いていなかっただけですよ!」
シシケンは会話の合間に何度も声をかけていたのだ。しかし、ミージャが全く気付かなかったのである。
シシケン「まったく……。っていうか、あの人は何者なんですか?」
ミージャ「あぁ、さっきの人ね。あの人は何か…古代種の亜種かな?何か武器の使い方がわからないって言いながら困っていたから、助けただけよ。まぁ、少し古い型だったから、多分あの人コレクターか何かだと思うわ」
シシケン「あれ武器だったんですか…」
コレクターでもわからないことを知っているのかとツッコミを入れようしたその刹那、ミージャはシシケンの腕に飛びついてきた
シシケン「い・いきなり何するんですか!?ミージャさん!?」
急に腕組みをされたので、少し顔を赤らめながら動揺し、腕を振って逃れた。いきなり離したので、ミージャはビクッと反応して首をかしげながら言った。
ミージャ「ふぇ?何で腕組んじゃダメなの?もしかしてシシケン君…?」
ミージャは、不敵な笑みを浮かべてシシケンをみつめている。
シシケン「え…。い・いや普通、一般の紳士がいきなり異性の人に腕組みされたら誰だって驚くでしょ!?」
シシケンはあくまで自分が紳士だと主張する。
ミージャ「あ~、なんだそっちか。私はてっきり、さっきの人とのことで焼きもちでも妬いてくれてたんだと思ったのに…残念」
シシケンはさらに顔が赤くなった。一応ミージャのことを女性と認識しているようだ。
だが、ミージャは少しガッカリしたようだ。
シシケン「だ・誰がミージャさんのことで妬くんですか!?俺はミージャさんより同世代の方を選びます!!」
シシケンがきっぱりと言い捨てると、半径1~2メートルの大地がかすかに震え始めた。自分がシシケンよりも遥かに年老いているかのような物言いに、ミージャは怒ったのだ。この震えはミージャが力を少しばかり解放した証。まるで、自分は若くて力が強大であると主張しているかのようだった。
ミージャ「ほほぉ~。それじゃあ私がオ・バ・サ・ンってことを言っているようだけど、そう受け取っていいわね?シ・シ・ケ・ンく~ん♪」
ミージャがニッコリと殺意を秘めた微笑みを浮かべながら、じりじりとシシケンの方へと近寄ってくる。ミージャの力が徐々に強まっていく。シシケンは、生命の危機に直面していることをさとり、急いでミージャをおだてまくった。おだてがお気に召したのか、徐々に機嫌が良くなっていき、大地の振るえも止まった。

~数分後~

ミージャ「どう?許して欲しかったら、一つだけお願い聞いてくれない?」
ミージャの要求にいつもは反論するところだが、ここは自分が大人になって、ミージャの機嫌のこともあるので、そのお願いを聞くことにした。
シシケン「しょうがないですね…。いいですよ、元々俺が悪いんですから。お願いごとの一つや二つは叶えますよ。で、何すりゃいいんですか?」
シシケンがそう言うと、ミージャはさらに機嫌が良くなりニッコリとした笑みがしばらく続いた。
ミージャ「じゃあ、まず一つ目はお昼を食べに行こう♪ お腹減っちゃって力が出ないからね。出発~♪」
シシケンとミージャはと近くの店に入ろうとしたがあいにく混んでおり、しかたがなくほかの店に行った。しかし、運悪くどの店も今日は何か特別な日でもあるかのように人がどの店にも行列をなしていた。
ミージャ「う~ん、どこもかしこも並んでるわね~。シシケン君どうしようか?」
ミージャ達は近くにあったベンチでどうしようかと話していた。
シシケン「そうですね~。ここはやっぱ長老の家でも訪ねてみますか?」
ミージャは言っていることをいまいち理解していなかった。自分達は今空腹であり、探しているのは長老の家ではなくレストランの類いである。ちなみに二人が宿泊する宿屋に飯は出ない。
ミージャ「あの~シシケン君?何でお腹が減っているのに長老の家になんか行くわけ?何か話したいことでもあるの?」
シシケンの職業はスイーパー(掃除屋)である。しかし今は、シシケンの祖父の代わりに世界各地の長老にあることを伝えに行っているのである。(ちなみにシシケンの祖父は第七弾に出ているジュルレッカ村に住む長老のことである。)だが、それはまだミージャには話していなかったことに気付き、そのことについて話しをしながらこの村の長老の家に向かった。

~数分後~

シシケン「え~っと、確かここがマリスト村の長老が住む家のはず…ってことで、ドアをノックしてみましょう」
シシケンがドアをノックしてみると、家からどこかの民族衣装を身にまとい、顔をフードで被った女性が出てきた。
娘「はい、どなたでしょうか」
シシケン「名乗るほどの者ではありません」
言った瞬間、ミージャに背中をつねられた。
シシケン「…どうも、長老にお会いしたいのですが」
娘「ああ、すみません。長老は今不在ですので私が伝えておきます。お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
シシケンは困った。一応立寄った村・町の偉い人(長老・村長・町長)さんにあることを伝えないといけないからである。しかたがなく名前だけでも言っておく事にした。
シシケン「えっと、それじゃあジュルレッカ村の長老テン・ケンノスケの代わりに孫のシシ・ケンノスケが大事なお知らせがあると尋ねにきました、とお伝えください。」
シシケンがそういって去ろうとした瞬間、家の奥から声が聞えた。
???「待たれよ。テンのお孫さんよ。ワシはここにおるからそこのお嬢さんと一緒に入ってきなさい」
娘「で・ですが、長老!?この人たちは本物かわからないんですよ?」
娘が動揺したが、奥にいた長老は少し笑いながらこう言った。
長老「何、心配することはない。少なくともそこの坊やは本物だよ。第一、テンの本名を知っておるのはワシとその家系だけじゃかなら。さて、早く入っておくれ」
どうやらこの長老は、シシケンの祖父テン・ケンノスケの知り合いであるようだ。シシケンとミージャは長老の家にお邪魔することにした。

~マリスト村長老宅~

長老「さて、用件を聞くとしようシシケン君。テンから何を言われて旅をしているのか?」
シシケンはいつもの陽気な部分が、いまではまったく感じられない。今は、仕事人の目をしていることにミージャは驚いた。
ミージャ「(シシケン君の目がいつもの目じゃない…。真剣なんだね。私は邪魔しちゃいけないかな?退散でもしようかな?)」
ミージャが聞いてはいけないと思い、ここは一つ退散しようとしたがシシケンに止められた。
シシケン「えっと、この話はミージャさんもこれから俺と旅をするにあたって聞いといたほうがいいと思います。っていうか、聞いて下さい」
シシケンの真面目な顔と真剣な眼差しにミージャは驚きを隠せなかった。そして、ちゃんと話を聞くことにした。
シシケン「では、これで大丈夫でしょう。それで、祖父から貴方を含め数人の長老には伝言もあるので最後まで聞いてください。まず一つは、本当は言いにくいんですがこれは仕事ですから言わせてもらいます。もう少しで天王の封印が解かれ復活しこの星に舞い戻ろうとしています」
それを聞いた瞬間長老はかなり動揺した。だが、ミージャと娘は少々理解が出来ていなくわからなかった。
長老「な・何!?天王が!?まだ封印が解けるのはかなり先の話ではないのか!?」
長老が驚いたことに娘は動揺し落ち着かせようと必死になった。
娘「お・お父様、お・落ち着いてください。第一その天王とは一体なんなのですか?」
長老「そうか、お前はまだ話していなかったようだ。そういえばそこのお嬢さんも天王のことを知らんじゃしな。シシケン君、悪いがワシの変わりに話してやってくれるかな?」
長老は歳とは別に体の調子が悪いようでシシケンが娘とミージャに天王の事について話すことになった。
シシケン「その前にひとついいですか?」
娘「え、私ですか。なんでしょう?」
シシケン「あなた一体いくつでぶおッ!!」
ミージャに思いっきり殴られた。
ミージャ「あんた、デリカシーってもんがないの?」
シシケン「す、すいませんでした……」
ミージャ「さっさと話しなさい」
シシケン「はい……わかりました。では、まずこの伝説から話しましょうか」
これは、数千年前に伝わったと言われている言伝え。いつの世も欲深き者達がいる。その者達世界を滅ぼしかねん時、天から大いなる物降臨する。その物を皆こう呼ぶ「天来」と…。だが、天来もまた欲深き物、己の力で地表を焼き尽くし生きとし生けるものを排除す。その後天来二つの災いもたらす。名は蒼白の波動・焔黒の轟どちらも天来の力である。これに対し世界の者達天来を退治するべく大精霊王を召喚す。この世の元となる炎・水・風・地・雷の五つを人へと移し五大精霊王へ姿を変える。どの種族とも異なりその者達は王・限界・極限を表し、人・天使・魔物と異なり精霊と化す。炎のスピリット・水のスピリット・風のスピリット・地のスピリット・雷のスピリットを五大精霊王、天来と衝突しその命と引き換えに天来を封印し宇宙へと戻す。だが、天来最後に六つの災厄を残す。干ばつ・閃光・決壊・暴風・天災。その六つの災厄、天来がまたこの星に帰りし時完全なる力が戻りこの地を破壊へと導く…。
シシケン「これが、昔祖父に聞いた古より伝わる伝説です。お二人はわかりました?」
シシケンの説明にミージャと娘は説明が長すぎるのかよく理解はしていなかった。
ミージャ「で・でも、シシケン君や長老は天王って言ってるけど言伝えでは天来って詠んでいるのは何で?違いでもあるの?」
シシケン「えっと、多分、そ・それは…。俺もいまいちわからないんですけど…何でだろ?」
シシケンがミージャの質問に困っているのを見かねて長老が口を開いた。
長老「それはじゃ。昔は天使も魔族も天からの訪問者と人間は考えていたようじゃ。だから、最初の訪問者であり誰よりも強くおぞましかったのが天来。つまり天来王と呼び、そのことをワシやシシケン君は天の王と呼び天王と呼んでいるわけじゃ。ちなみに大精霊王を召喚したのは人間だったようじゃ。今より昔の方が人も魔法に興味があったんじゃのぅ」
ミージャは少し理解したが、娘にはもう少しわかりやすく説明した方が良かったようで、あまり理解していないようだ。
ミージャ「なるほどね~。っで、シシケン君は結局その天王をどうするきよ?もしかして、仲間になるとか?」
シシケン「何言ってるんですか。さっきも話したとおり六つの災厄が天王の唯一の手下。だから、そんなことしようとした時点で確実に殺されますよ」
シシケンのもっともな意見にミージャは「あぁ・なるほど」と言わんばかりの顔であった。
娘「あ・あの、シシケンさん。私もいくつか質問があるんですけど…。いいですか?」
突然長老の娘が質問があると言い出し、シシケンは一瞬驚いたが快く質問に答えことにした。
シシケン「俺でよければ、知っていることなら答えますよ。貴方は長老の娘さんですし。こっちには答える義務があります。それに、さっき失礼もしてしまいましたので。えっとお名前は…?」
シシケンは娘さんの名前がわからないというと、娘はちょっと顔が暗くなってしまった。どうやら、ちょっとショックだったみたいだ。
娘「覚えてないんですか…。ちょっと残念ですけど…。えっと、では改めて。私は、このお方、マリスト村第139代目長老ミッヘル・スタリオン様の娘のミフィル・スタリオンです。どうぞ、よろしくお願いします。ミージャ・ムーンさん、シシ・ケンノスケさん。それと、一応シシさんとは前に一度お会いしているのですが…。まったく覚えてないんですか?」
シシケンは険しい顔になり唸っていた。物覚えが悪いみたいだ。そこへいきなりミージャがミフィルに話をきりだした。
ミージャ「へぇ~、この長老さん139代目なんだ。それって、ミフィルさんは丁度140代目ってことなんだ…って長いね。それより何で私の名前まで知ってるの!?シシケン君ならまだ会ったことがあるのならわかるけど…。私達今日が初めてよね?」
驚いたミージャは、ミフィルに聞き返す。
シシケン「ミージャさんの名前なら知らない人いないと思いますけど、って…うぎゃー!」
ミージャについツッコミを入れてしまったシシケンは、見事に必殺裏拳を喰らって倒れた。
ミフィル「えっと、私にはミージャさんみたいな物を動かしたりする能力はないんですが、自分の周り半径数キロの人の記憶をほんの少しだけ見ることが出来るんです。でも、グッと力を体に込めないといけないので、連続して使えないんですよ。貴方達が祖父を狙う物か否かを調べる為にちょっとだけ見させてもらいました」
ミフィルにはミージャと同じ能力者のようだが種類が違い人の心を読んだり過去を知ったりなどの精神面の能力が発達しているようだ。
長老「ちなみに、昔のワシと同じで話はちゃんと訊いておるのじゃが、ちと記憶力に欠けていると言っていいじゃろ」
長老の言ったことにミフィルはちょっとショックをうけていた。まぁ、いきなり記憶力がないと言われれば誰でもへこんだりするだろう。そこへ、シシケンが悪気はないのだが追い討ち一言。
シシケン「じゃあ、ミフィルは簡単に言うと馬鹿なんだぐふぇ!!」
そうシシケンが言った瞬間に背中にミージャの拳がもろに直撃した。
ミージャ「へぇ~、なるほどね。ってことは、一応私とミフィルさんは同じ能力者なんだ。よろしくね♪(シシケン君!それは、女の子には普通言わないでしょ!!反省しなさい!)」
そういってミージャは手を出しミフィルに握手を求めミフィルはそれに応じ握手をした。だが、横ではシシケンが痛みを我慢していた。やはり、ミージャのパンチは相当痛いようだ。
ミフィル「は・はい。よろしくお願いします…」
シシケン「あ・あの~…。仲良くなっているのは非常に結構なんですが、俺との関係とか思い出せないんでそこのところを話してもらしませんか?」
ミフィル「あ・そうですよね?あ・あの、思い出してないんだと思いますが昔のように私のことはミフィでいいですよシシケンさん。それで、本当に私と会ったことを覚えてないんですか?」
ミフィルがシシケンの顔に少し近づいた瞬間突然長老が会話に割り込んできた。
長老「これ、ミフィルや。家にいるのだからフードはとりなさい。もしかしたら、素顔を見てないから思いだせんのかも知れんぞ?」
そう長老が言うと、ミフィルは恥じらいながらフードをはずし素顔を見せた。髪形はちょっと長めで三つあみにしている。普通に可愛らしい女の子だった。
ミフィル「あ・あの、あんまり見ないでくださいね…。は・恥ずかしいので…」
ミフィルの顔が赤く火照ってきた。どうやら人前ではあまり人に顔を見られたりするのが苦手の様だ。
ミージャ「ふ~ん、ミフィルさんって結構可愛いのね。ちょっと負けそう…。でも、私には大人の魅力と美ぼうがあるわよ。ね、シシケン君?」
いきなり話をシシケンにふったのでミフィルに見惚れていたシシケンは動揺した。
シシケン「え!?な・なんですか…。え・っと、ミージャさんにはミージャさんなりにいいところは沢山あると思いますし、若さが必要とかは思いませんよ?」
ミージャ「あ・そうよね。でも、そういえばミフィルちゃんってお歳はいくつ?」
シシケンの腹にしっかりと拳を叩き込んで、ミフィルに向き直った。
ミフィル「えっと、私ですか?私は今年でちょうど14です。だから、シシケンさんの二つ下ですよ。前は妹のように遊んでもらってその時はありがとうございます。でも、あの時の約束も忘れたってことですよね…」
急にミフィルはしょんぼりとしてしまった。まるで、よほど重大な約束でもしたこのように…。
ミージャ「(ちょ・ちょっと、シシケン君!本当にミフィルちゃん忘れちゃったの!?何か、彼女急にしょんぼりしちゃったし…。思い出せないの?)」
ミージャがそう言うがシシケンは少しも思い出せなかった。
シシケン「う~ん。何で思い出せないんだろう…?何か、魔法でも罹っているのかな~?」 
シシケンが困っていると長老がふと言った。
長老「ん?シシケン君は記憶系の魔法に罹っているのかね?なら、水のスピリット殿に頼んでそれを解いてもらるというのはどうかね?」
長老の一言に一同が驚いた。
シシケン「あ・なるほど。それも手段の内か…。確かに、スピリット達なら記憶系の魔法でも治せるかもしれない…。(でも、誰が俺にかけたんだろう?それも思い出せない)」
ミージャ「っていうか、そのスピリットっての、近づいたら殺されるぐらい気性が荒いんじゃないの!?」
シシケン「どんなデンジャラス怪獣と思ってるんですか。スピリットにも、ちゃんとした人格者はいるんです」
ミフィル「で・でも、シシケンさんは水のスピリット様の居場所をご存知ですか?」
ミフィルの一言にまたシシケンが考え込んでしまった。確かに、スピリットという者達の居場所を知っているのはかなり位が上の数名やその身内に限られているのである。
シシケン「う~ん。どうしたものか…?ねぇ、ミフィや長老はやっぱその場所を知っているの?」
シシケンが唐突に話しかけたからかミフィルは驚きあたふたと動揺している。やはり、シシケンはそういう存在なのであろう。
ミフィル「え・えっあ・あの…。確かに知っていますけど普通は一般の人を入れてはいけない決まりなんですよ。で・でも、このマリスト村では長老の意見が第一なので長老がOKを出せば大丈夫です」
ミフィルがそう言った刹那長老が一言
長老「む~…言っておいてなんじゃが、友人の孫だとしてもまだ半人前のスイーパーなんじゃろ?一人前になったらまた来なさい。それでいいじゃろ、シシケン君?それにミフィルや、もう少し彼のことを待ってやりなさい」
長老がそう言うと、ミフィルがガッカリしたようで肩をおとした。理由はシシケンにやっと会えたのはいいが、あることは思い出せないし、なおかつまた一人前になるまでしばらく会えないっということである。当然ミフィルはポロポロと涙を流していた。
ミージャ「(ちょ・ちょっとシシケン君!ミフィルちゃん泣いちゃってるじゃない!!何とか一言でも言ってあげなさいよ!あんた男の子でしょ!お年頃の女の子を泣かすようじゃ紳士も随分落ちたものね)」
ミージャにおされ、仕方がない様子でシシケンはミージャの前に座り一応慰めようとしている。だが、ミフィルは小さな声で「ひっぐ・えっぐ」と泣いている。やはりシシケンと別れるのは嫌なのだろう。
シシケン「あ・あの~。ミフィル?そんなに悲しまないでよ。もう絶対会えないってわけじゃないんだから…。だから、ね?また、一人前になったら戻ってくるからさ。だから、泣かないで。その時には思い出せないものもきっと思い出しているよ」
シシケンがそう言ったのだがやはりミフィルは泣き止むことはなかった。結局シシケン達が家を出るまで、ミフィルは泣き止むことはなかったのだ…。
翌日、シシケンが他の村に天王のことを伝えると同時に、一人前になる旅に出発しようとしていると、ミフィルが見送りに来てくれた。
ミフィル「本当に行ってしまうのですか?もう少しゆっくりしていっても良いのに…。ところでミージャさんは?」
シシケン「あれ?またどっか行っちゃったよ。まったく困ったな~」
シシケンとミージャが辺りを見回すがミージャの姿はない。やれやれとシシケンが一言呟くと、ミフィルが口をあけた。
ミフィル「あ・あの…。シシケンさん、実は大切な話があるんですが、聞いて貰えますか?」
ミフィルがその一言を言った後に顔を赤らめていた。シシケンはいまいち内容が把握できていなかった。なので、一応話を聞くことにしようと心の中で思った。
シシケン「え?話?別にいいよ。ミージャさんもまだ来ていないし時間があるから聞くよ。それで、何の話?ミフィルには悪いことしたと思うし、少しでも償いがしたいと思っていたから少しでも頼ってよ」
シシケンがニコッと笑うとミフィルも安心したように微笑みミフィルの話が始まった。

シシケン達が話を始める同時刻ごろ、違う物語もまた機界で始まっていた。

~機界~

機界南部の都市「熱空」である人物は仕事の為活動中であった。
???「はぁ~。何で俺がこんなお買い物と言う低レベルな仕事をしていないといけないんだ」
この人物、黒のフードつきコートを着て頭はフードを被っていて、顔がはっきり見えない。しかし口調から推測して歳は16・17といったところだ。そしてその人物と一緒に買い物袋を持ち、共に歩いている少女が言った。
女性「隊長。それ言ったらダメですよ。私だって重いんですからね、この荷物ぅ~」
少女も少々この仕事に不満があるらしくぶつぶつと文句を言っている。
???「まぁ、これも仕方がないよなぁ。生活のためって言えばためなんだけどな…。下のやつなにやらせればいいだろ、こんな仕事…なぁ?美鈴?」
どうやら少女の名前は美鈴と言うようだ。人界の東部にしか伝わってない「漢字」というものが使われている。この「漢字」を使っている種族は少なく、少数民族しか使われていない。
美鈴「まぁ、確かに今回の仕事はちょっと変ですよね。もしかして、隊長、なんか問題とか起こしました?」
隊長と呼ばれている人物はビクッと反応したが、慌てて返答した。
???「い・いや…。ちょっとだけなら心当たりがあるかも…。だ・だが、あれはあの機関の設備が悪いんだ!俺はちっとも悪くはない!」
男性が言い張ると美鈴は厭きれたようで、ため息をつきながら言った。
美鈴「やっぱり何かしてたんですか。隊長は真面目でいい方なんですけど、すぐに設備とかで物足りないと自分で生成しちゃうんですから…。それで、今回は何を作ったんですか?」
???「え・え~、最近武装集団や魔物が多くなっただろ?だから、そのための重火器や刃物、それから対妖魔専用道具とか、召喚の際使用するアイテムなどその他いろいろあるけど、まだ聞きたい?」
またも美鈴はため息をはいた。
美鈴「隊長…。何でただでさえ予算が少ない機関に、そんな金を使う店建ててんですか!隊長は成金じゃないんですからすぐに取り壊したください!!」
美鈴がはっきりと店を取り壊すように説得するが、以外に答えが返ってきた。
???「あのさ~勘違いしてるようだけど、俺はけっこう貯金とか貯めてるんだからな?成金じゃねーけど。だから、店の一軒くらいすぐに建てれるわけ。機関の給料とかお前は知らないだろ?階級が上がればお金も当然上がるし、部下が多ければ一個師団くらい作っても文句は言われないし、まさに至れり尽せりだな」
これからこの 男が自分を誇示するように力説を開始するが、美鈴は呆れたようで無理矢理話題を変えた。
美鈴「そういえば、隊長っていつからあの機関に所属してるんですか?いろいろ施設とか詳しいですし、施設の人たちとも仲いいですから、この際教えてくださいよ~」
美鈴が興味本位なのか訊いてみた。
???「何年だったっけな~?確か、お前と遊亮が今年で2年目だから・・・。多分8~9年目くらいかな?」
男がそう言うと美鈴は驚き、慌てて訊ねた。
美鈴「え!?た・隊長ってじゃあ、小学生の時からあそこの機関に所属しているんですか!?って、それより学校とかはどうしていたんですか!?仕事がいつ来るかもわからないのに…?」
男はまず美鈴をなだめてから答えた。
???「まぁ、落ち着け。お前は冷静にならないと、ろくに人の話も聞かないからな。つーか、学校か~。俺は行ってないないぁ」
美鈴は唖然としながら聞くと何故か、何か納得できたのか少し微笑みながら言った。
美鈴「なるほど、だから、皆学校に行ってない人は期間の中にある学校とかに行ってるんですね。やっとこれで納得しましたよ。よかった~♪」
美鈴が一人で納得しているのを見て不思議に思った男性だが、あんまり触れぬことにした。
???「一人で納得してるし。ホントにどこの学校にもいってないんだけど。まあいいか。さて、この都市も一周したことだし、そろそろホテルに戻るか。って、あれ美鈴?」
男は一人言いながら歩いていると美鈴が隣にはいなかった。一人で納得している間に足が止まっていたようで後から小走りで追いかけてきた。
美鈴「ちょ・ちょっと、隊長待ってくださいよ~。部下を置いていくなんて酷いじゃないですか~ディアロ・マクトベルト隊長~」
美鈴が男、ディアロ・マクトベルトの名を言うとディアロは少しため息をはいたが、美鈴が自分のところに来るまで待ってから、こう言った。
ディアロ「やっと来たか、遅いぞ美鈴。それに、フルネームで呼ぶのはやめろ。普通にディアロでいいから。それに、何で隊長なんだ?」
ディアロが美鈴に訊いたが美鈴は微笑みながら「内緒です♪隊長は隊長なんです~♪」と言って、結局わからずに会話が終わり、ホテルに戻る為二人で帰っていった。

第八弾終了

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