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平成25年司法試験まで、あと188日。授業×4h要件事実×3h----------------------------------------------訴訟承継制度の問題点1(当然承継)Part2. 承継人を間違えたらどうする!?昨日のテーマは、問題と言う程の問題ではありません。しかし、今日の問題は結構深刻で、学会・実務でも結論の出ていない問題です。例.X→Y訴訟係属中に、Xが死亡し、Aが相続人だと思って訴訟代理人Rが訴訟行為をした。しかし、真の相続人はBであった。まず、原則に忠実に処理すると・・・「相続人」(124条1項1号)とは真の相続人を指すので、訴訟代理人Rは、真の相続人Bの訴訟代理人として訴訟行為していたことになります。したがって、Bに判決効が及ぶことになります。しかし、この結論は不当です。Bは実際には訴訟手続に何ら関与しておらず、手続保障の観点から、Bに対する判決効を正当化することはできません。昨日のケース(承継人不明)の場合も、真の承継人が訴訟手続に関与していない点では変わりありません。しかし、今回は、承継人ではない者(偽の承継人)が追行してた訴訟の判決効を真の承継人に及ぼせるか、という問題なので、昨日とは利益状況が異なります。そして、Bなら間違いなく自白や和解なんかするはずがなかったのに、Aが勝手にそれらをやってしまったとしたら(厳密に言えば、Aと相談した上で、Rが行う)、Bに判決効を及ぼすべきではないでしょう。では、どう考えればよいのでしょうか。ここでは、八木良一『当事者の死亡による当然承継』(民訴雑誌31(1985)49頁以下)をご紹介します。八木先生は、まず、(1)RはAのみの訴訟代理人となり、(2)Bには訴訟代理人がいない状態になる(従って、Bとの関係では訴訟手続が中断することになる)と構成します。すなわち、訴訟代理人はBの訴訟を代理すべきところ誤ってAの訴訟を代理したのだから、承継の時点で、Bの代理人として訴訟行為をすることは当面なくなり、実質上Bの訴訟代理人が存在しないのと同視できる状態になったと見て、Bに対する関係では訴訟手続が中断する、と考えます。以上を前提に、真の相続人がBであると判明したのが、(1)Aの訴訟係属中である場合、(2)Aの判決確定後である場合、に分けて検討してみます。(1)訴訟係属中に真の相続人がBであると判明した場合まず、Aは請求棄却となります。なぜなら、「自己が相続人であること」(相続の要件事実)という請求原因事実が認められないことになるからです。そして、Bについては、訴訟代理人がいないことになるから、訴訟手続は中断のまま(承継時点に係属していた裁判所に)係属していることになります。(2)Aに対する判決が確定した後に真実が判明した場合Bとの関係では、上と同じ処理(訴訟は中断したまま係属している)になります。また、本来承継人ではないAを名宛人とする判決も有効と解されます。(2-1)A敗訴の場合この場合、Bは受継手続を経て、訴訟追行することになります。(2-2)A勝訴の場合問題は、Aが勝訴してしまい、かつその判決が確定してしまった場合です。八木先生は、この場合も「Bに対する関係では、訴訟は第一審裁判所に中断中のまま係属していることになる。」とされています。それはそれでいいんですが、その後、Bはどうすればよいのでしょうか。そのまま、訴訟を再開すれば満足を得られるのでしょうか。八木先生はこれ以上書かれていないので、以下、湯猫の推測(妄想?)となります。まず、執行前の段階であれば、Bは第三者意義の訴えを提起して、A勝訴判決に基づく強制執行を防いだ上で、受継手続・訴訟再開とすればよいでしょう。。次に、A勝訴・執行後の段階ですが、この場合も、Bは、訴訟法上は、受継手続を経ることで適法に訴訟追行することが可能だと思われます(少なくとも八木先生の見解を前提にすれば、そう解することになるでしょう。)。但し、Yから準占有者に対する弁済の抗弁(民法478条)がだされ、この抗弁が認められるでしょうから、結果として請求は請求棄却されることになります。そこで、BはAに対して不当利得返還訴訟の別訴を提起することになるのではないでしょうか。八木論文の「訴訟法上は、Bの訴訟手続は中断したまま係属している」という理解を貫けば、このような処理になると思われます。判例・学説ともに未成熟な分野ではありますが、142条2項は中々やっかいな問題(時限爆弾)を抱えた規定だという感覚だけでも伝われば幸いです。
Nov 8, 2012
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平成25年司法試験まで、あと190日。授業×4h予習×3h復習×--------------------------------------------------訴訟承継制度の問題点1(当然承継)Part1. 死亡に気が付かなかったらどうする!?当然承継を中断・受継の問題として扱い、訴訟代理人がいる場合は中断しないという規定(民事訴訟124条2項)は、大正15年の改正で立法されたものです。改正前の民事訴訟法は、ドイツの承継理論を直訳したものだったようですが、これが当時の日本人には難し過ぎたらしく、もう少し簡易化しよう、という趣旨で改正されたようです。しかし、結果的にやりすぎた(のではないか)、と批判されていますね。そこで、現行の当然承継制度の問題点について検討してみます。まず、現行の民事訴訟法には、当事者の死亡によって当然にその地位が新当事者に承継される旨の明文規定はありません。民訴法上は、当然承継は中断・受継の問題として規定されています(学者にいわせれば、裏から規定されている、ということになるのでしょうか。)。そして、訴訟代理人がいる場合、中断さえしません(民訴法124条2項)では、訴訟代理人がいるケースで、当事者の死亡に裁判所が気付かなった場合、あるいは承継人が誰かわからないときはどうするのでしょうか?現行法では、相手方や裁判所が当事者の死亡を察知する制度が整備されていませんので、このような場合はいくらでも起こりうるでしょう。まして承継人が誰かわからないことは決して稀ではないと思われます。まず、訴訟代理権は、当事者が死亡しても消滅せず(58条1項1号)、訴訟委任関係は新当事者と訴訟代理人との間に移転します。訴訟手続は中断しないので(124条2項)、訴訟は受継手続がないまま新当事者に受け継がれ、訴訟代理人は新当事者の代理人ということになります。124条2項の趣旨は、こうです。訴訟代理人は、一定の資格・権限を有し、訴訟関係を熟知しているから、当事者が死亡して当然承継があっても、これによってその訴訟行為の仕方が格別変わるわけではないし、委任者又はその承継人の信頼が裏切られる懸念も少ない。とすれば、中断・受継がないまま訴訟代理人に訴訟を続行させても、当事者の保護に欠けるところはなく、これにより訴訟の迅速かつ円滑な進行を図るべきということになりそうです。したがって、承継人が判明しない場合であっても、手続を続行してよく、死者名義の判決が下された場合でも、当該判決は「真の承継人」に対する判決として有効ということになります。この場合、当事者の確定の問題(最初から死者を当事者とした場合)とは結論を分かつことになります。124条2項の趣旨として、ホントに承継人の信頼を裏切る心配はないと言ってよいのか疑問はありますが、ここは一つの政策判断ですから、やむをえないところでしょう。
Nov 6, 2012
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