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梅棹忠夫『モゴール族探検記』岩波新書、 1956
年。
「まえがき」にあるが、学術報告ではなく、「(学術的)成果が得られるまでの過程」を残してくれた一冊。今では古典に属する本だ。古くさいという意味ではない。後々まで生き続け、それを読む者に、読む度に、新鮮な感動を与える、というほどの意味である。
1955 年の、カラコラム・ヒンズークシ学術探検隊の、ヒンズークシ隊による、地図のない地域への旅。本来の意味での探検だ。全編を通じて感ずるのは、著者と著者に同行する方々の、初めて訪れる場所で会う人びとに対する先入観(偏見と言ってもよい)の無さである。トラブルが発生しても、それを受け容れる度量の広さ(これが無ければ探検には向いていないだろうが)。
著者はモゴール語を話す人びとを探すという点からは「来るのが二、三十年おそすぎたように思う」と記している。話し言葉は、使われなくなると、わずかひと世代で消え去る生き物なのだ。
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