RSプレイヤーによる日記のような何か兼レビュー倉庫

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コールド・ゲヘナ


 生態系の歪んだ砂漠の惑星。武術を使い、人型の兵器を駆る仕事人。無鉄砲な主人公と冷静なサポート役のコンビ。老技術者とその元気な娘。科学技術を独占することで権力を握る秘密組織。本書はほぼ同時に富士見ファンタジアから出版された「ザ・サード」と非常に似通った設定になっている。なぜここまで似通ってしまったのか。それを考えるだけでも非常に興味深いものがある。二つを読み比べてみるのも面白い。
 内容に関しては、単純に楽しめるアクションSFとしては十分合格点だろう。デッドリードライブの描写は格好いいし(イラストは×)、アクションシーンもテンポがあって軽快。神性よりも獣性を強調されたドラゴン達は、凶々しくてなかなかいい。
 ただ気になるのは、デビュー作でありながら謎が多く残ってしまっていること。あとがきでも触れているが、未完成の作品である。設定がしっかりしているだけに、物足りなく感じる。また、悪く言えば、断片的な世界と人物の描写の間に適当にアクションシーンが挟まっている、という印象も受ける。もちろん、各々がそこそこ魅力的だから受賞したのだろうが、それらが一体化して読者を惹きつけるということはなさそうである。スタートとしては及第点だが、評価をするなら完結まで保留しなければならないだろう。メカアクション好きや猫好きの方にはお勧めできる。

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