ケーン’S トレーニング・センター   ☆ BBGYM堺支部

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ナローグリップ・ベンチプレス



 ベンチプレスをあまり知らない人のために解説しよう。競技としてのベンチプレスは両手の人差指と人差指との間を幅81cm以内の位置でグリップしなければならない。ルールだからだ。
 バーベルを上下させる可動域を狭くした方が、競技では勿論有利なので、殆どの選手がルール上許されている最大幅の81cm幅でグリップしてベンチプレスを行なっている(←実際にやってみれば解るがグリップ幅が広ければ広いほど、可動域は小さくなる)。

 ベンチプレスは大胸筋と上腕三頭筋が主働筋となって動作を行なう。そのうち上腕三頭筋が弱ければ、ベンチプレスを行なった際トップポジション寸前で肘をロックできないのだ。
 これを補強するのがナローベンチである。普通のベンチプレスと違うところはグリップ幅だ。おおよそ自分の肩幅くらいの手幅でシャフトをグリップする。これでベンチプレスを行なう事により、上腕三頭筋が鍛えられるのだ。
 もちろんグリップ幅が狭くなるので、可動域は大きくなり、扱う重量も普通のベンチプレスの時より落とさなくてはならない。つまり少ない重量でシンドイ思いをする種目なので、あまり人気は無い。

 だが、パワーリフティング界の重鎮、岩崎輝雄先生は、ベンチプレスが伸び悩んだ場合はナローベンチを勧めている。
 俺も、ナローベンチは優れた種目だと思う。ナローで慣れておけば、より力を発揮しやすい81cmグリップを行なったときに、心理的に有利な状態になるという利点もあるのではないか。

 ところで俺は先日ナローベンチで肩を傷めてしまった。ベンチプレス動作においては、脇を若干締め気味にしなければ肩を傷めやすいことは充分に承知していたのだが、脇を開いてナローベンチを行なってしまったのだ。
 脇を締め気味にしてナローベンチをすると、ボトムポジションでシャフトがみぞおちよりも下の位置に降りてしまうからだ。これではボトムで全く力が入らない。そこで鉄則を破って脇を開いた動作を行ない、負傷してしまった。

 現在は肩もほぼ全快している。
 そしてナローベンチも行なっているが、勿論脇を締めた状態での動作を心掛けている。胸にバーがつく手前5~10cmまでしか降ろさないようにして、ボトムポジションで力が抜ける事を回避する事にした。
 三頭筋のトレーニングであるから、無理に胸につくまで降ろす必要は無かったのだ。

 ベンチプレスの補助種目のうちのひとつであるナローベンチだけをとっても、これだけ奥が深い。
 ベンチプレスは、きっと俺を一生楽しませてくれるだろう。

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