カガワちゃんの毎日。

カガワちゃんの毎日。

逝きて再び還らぬ時のようなもの。

ママの絵1


15歳のころの絵である。
若かりしこのころ、ダリやマグリッドの絵を好んでいた。
この絵は、マグリッドの、「大家族」を摸写したものである。
高校の教科書にも載ってる有名な絵なので、ご存知の方も多いのではないだろうか。
ダリに多大な影響を受けている、マグリッドの作品は、人間心理の心の奥ふかくの問題をとりあげようとしたシュ-ルレアリスムの、究極の形ともいえる。
雲がぽっかりと浮かぶ青空と躍動的に波打つ海岸という日常的な背景に、突如巨大な岩石が重力を無視して浮いている。リアルなタッチで絵描かれた、その岩石の上には小さな城が聳え立っており、果たしてこのお城の中に住んでいる人たちは、一体どんな人たちなんだろうか。有名な「ピレネ-の城」である。
伝統的な写実で忠実に絵描かれたマグリッドの作品は、我々の日常的で常識的な概念を打ち破り、しかし、見る者すべてに奇妙な現実感を与えてやまない。
また、「向こう見ずな熟睡者」では、無表情で夢を見続ける男が、ベッドに横たわる姿が絵描かれている。
精神分析の理論をすぐに受け入れた写実派たちは、夢を見る人の不条理な世界を如実に表現していた。
フロイトによれば、夢の存在そのものには、理論がありうるということにもなる。

昔のスケッチブックを見直すと、なんともいえない焦燥感と郷愁にも似た想いが、私を襲う。
若い、ということは、ただもう、それだけで悲しい。
それでも、逝きてはもう二度と還らぬ時と、しばしの会話を楽しむ。


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