カガワちゃんの毎日。

カガワちゃんの毎日。

げにあさましきは



夕飯の支度をしていると、ザリガニにエサをやり終わった息子が
やってきて
「ね-ね-。。おかあさん。おかあさんは、どうして
やさしいおかあさんのときと。。。。。オニ。。。」と
言って
ハッとし、あわわ。。といった表情で
口のところに、手をやって、そして、
そのまま黙ってしまった。
わたしは
(オニ。。。オニみたいに怒っているときがあるの?と聞きたかったんだな-。。。)と思い、
そうして、
これくらいの年になると、親を気遣ってくれる、というやさしい感情もあるのだなぁ、と
ひそかに感心し、そして、ちょっと嬉しくなり
「んふふ。」と笑いながら
息子の頭を、そっと撫でた。
息子は「?」といった顔をして、テレビアニメが始まったのに気づくと、そのまま行ってしまった。


今昔物語(第十二巻)に
「僧の死にて後、舌残りて山に在りて法花(ほうけ)を誦する語(こと)」という話がある。
お坊さんが、亡くなったあとも、その髑髏(どくろ)の中に、舌が残っていて、山の中で、法華経を誦んでいる、という話である。
法華経の霊験を讃えるための話ということであるが、
私は、むしろ、恐ろしいイメ-ジをもっている。
人間の執念というか、
そこに、鬼のような姿を連想するのだ。

鬼というのは、
己の中に棲まうものなのであろう、と思う。

私も、知らぬ間に
般若になったり鬼になったりしているのだろうか。








  あさましや   はずかしの   わがすがた

  やと  いう声は  なお  ものすさまじく

  いう声は  なお  すさまじき夜嵐の

  音にたちまぎれ   うせにけり

  音にたちまぎれ   うせにけり

                  (安達が原より)


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