小説 こにゃん日記

小説 こにゃん日記

鳳仙花




『私に触れないで』

彼女はそう言った。

抱きしめようとした形のまま腕が止まる

切なく痛い形

あの夏に

あんなにも甘く色づいていた唇が

硬く震えて僕を拒む



『私に触れないで』

それでも君は逃げなかった

そっと伸ばした僕の指先が

君のすべてを壊してしまうまで







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