乂俺はマジだゼッ乂

想い人1



それは僕のご主人様である。





彼の名はキラ・ヤマト。
昔はよく一緒に遊んでくれたのに、最近は側にいることすらままならない

理由はよく分からないが、『あーくえんじぇる』に乗艦してからだという
ことは確かである。
また、キラはよく『すとらいくがんだむ』というモビルスーツに乗って宇
宙に行く。暫くすると戻ってくるのだが、何をしているのかは知らない。
しかも、戻ってきた時のキラは、何時も悲しそうな顔をしている。

何があったのか?

誰に対しても常に笑顔一点張りのキラだが、自室で静かに泣いている彼を
、僕は確かに知っている。あの愁いの向こうには、どんな想いがあるのか
…それは、誰も知らない。
理由を探ろうと思い、何度もついて行こうと試みたのだが、この広い艦内
ではすぐに捲かれてしまう。



そして………

それは、突然やってきた。


ある日、いつものようにモビルスーツに乗って宇宙へ出陣して暫くすると
、その手に小型の救命ポットを携えて帰って来た。
保護された少女の名はラクス・クライン。僕を作ったアスランのいる『ぷ
らんと』の歌姫で、政治的な立場でいうと『ぷらんとさいこうひょうぎか
い』という議会の議長……の娘、らしい。
そんな微妙な立場の彼女がキラに好意を持つのに…否、僕の恋敵になるの
に、そう時間はかからなかった。
そして、彼女は、キラが誰にも打ち明けなかった想いを、いとも簡単に引
き出してしまう。

…そう、いとも簡単に………

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: