永遠の夏の日3



「お母さん、鈴矢のことで知っとーこと全部教えて」
おじさんの病室に入ってからの第一声はそれだった。

『真幸、部屋でるよ』
お母さんは、少し悲しそうな顔したように見えた。

『鈴矢くんの名前、あんたさっき隣の病室で見たやろ?』
「・・・ぅ・・・よな?」
『・・え?』

「違うよなぁ!?鈴矢じゃないよなぁ!?」

泣き崩れた。
解っとった。八重なんて苗字めったにない。鈴矢なんて名前めったにない。
病名なんてしらんけど、嫌な予感がした。

『行ってあげなさい』

お母さんはそれだけ言っておじさんの病室に戻ってった。
あたしは、鈴矢の名前の入った部屋の前で、ずっと迷ってた。

入って、何ゆえばえぇ?
鈴矢の口から、何を聞き取ればえぇ?

『~♪』

唄・・・?
あぁ、そうやん、鈴矢はこの歌がスキやった。

「鈴矢ぁ・・・」
ドアを開けずに、ただボソッとつぶやいた。


『マサキ!!』
ドアが開いた。
病院の服を着て、最後に見た日よりずっと痩せてた。


なんで?
なんで解ったん?
なんであたしが小さくつぶやいたソレさえも聞いててくれるん?
なんで、解ってくれるん?

ねぇ鈴矢。

抱きしめてくれた腕は、どうしてそんなに弱いのだろう。

なのに、どうしてそんなに優しいままなのだろう。

君のどこがあのころと変わったというのだろう。

どうして君だけは、弱いあたしをわかってくれるのだろう。

ねぇ鈴矢。

何も聞けないあたしを許して―――・・・。





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