永遠の夏の日5



もう、秋が来ようとしとる。
上着がないと少し肌寒い季節になった。

やけど、まだ鈴矢はおらん。
きっとまだヒトリで苦しんでるんやと思う。

ヒトリで。

周りの生徒も段々と鈴矢がおらん理由に気づきよった。
やけど誰も、鈴矢のことを大きく口に出す人はおらんかった。

みんな、鈴矢のことがすごくスキだから、それ以上を口に出すことをせんやった。
ただ、良くなれば戻ってくるやろうって、それだけをしきりに口にした。


鈴矢の病室にいかんくなってからどれくらい経ったやろう。
あたしは逢いに行く勇気がなかった。
毎日毎日、鈴矢の容体の変化を知らされるのにおびえよった。

『ねぇ真幸。会いにいなかないん?』
「鈴矢、すぐ良くなって帰ってくるけぇ大丈夫やよ」

笑って強がるあたしは情けなかった。
やけど、そうするしかなかった。


いつものように家に帰ると電話が鳴った。
『真幸ちゃんすぐおいで!!』
鈴矢のお父さんからやった。

あたしは受話器を戻すことなく制服のまま何も持たんと走った。

鈴矢

鈴矢

鈴矢!!!


息を切らして病室のドアに手をかけようとしたとき、鈴矢の声が聞こえた。

『また手術して治せばいいやん!!』




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