永遠の夏の日6



『また手術して治せばいいやん!!』

「鈴矢くん!私達もそれが出来ればとっくにやっとんよ!
やけど鈴矢くんの心臓はもうそんな大きな手術に持ちこたえられん!
先生らやってどうにかしたりたいわ!」
医者らしき人の声も聞こえた。

「『!!!』」

ねぇ、何ゆっとん?
心臓って、ねぇ、人が生きるのに必要なところなんと違うん?
その心臓って、鈴矢の心臓のことなん?

もちこたえられんって、出来ることならって
ねぇ、先生、どういうこと?

『やけぇつまり、俺は死ぬんか』

鈴矢の声が、鈴矢の声に聞こえんかった。
か細くって弱くって、今にも消えそうな、消えそうな・・。

「鈴矢くん、今ある大切なものを傍に置いてあげてください。大切なものから逃げんとってください。」
医者がドアをあけた。
目の前で放心しとるあたしに少しびっくりして小さく頭を下げた。
鈴矢のお父さんが来て、あたしの肩をたたいて傍におったってくれって言ってどっか行った。

鈴矢のベッドの横のいすに座るまでの記憶はなかった。

『マサキ・・・なんでおるんよ』
笑顔でそうこっち見んでよ。
鈴矢は、あんたは死ぬんよ?
なんで他人のためなんかに笑ってられるん。
『俺さ、生まれつき心臓おかしいんよ。左の部屋が一個たらんのやって。』

「信じない。鈴矢が死ぬなんて、うそだよ・・・」
泣くしかなかった。

『やめろや!!俺が一番信じられんに決まっとろーが!!
お前が泣いたところで俺の心臓は治らん!!哀れむなや!!
そんな泣くんやったらお前俺と一緒に死ねんのかよ!!』

哀 れ み ?

一 緒 に 死 ぬ ?

パシッッ

初めて鈴矢を殴った。

「誰が哀れんどんよ!!哀れみだけで泣けるほどあたしは器用やない!!あんたが一番知っとろーが!!
だいたい一緒に死ぬってなんよ!?あんたは今生きてとるやん!!
声出してあたしと言い争いもできるやん!!
あたしは死なんし、あんたも今死んでいいはずなんてないやろ!!」


なんや、あたしちゃんと言えるやん。

鈴矢の人生があと少しだって、鈴矢やないとあたしはありえん。

人生の長さで人の価値が決まるんなら、あたしは神様を敵にする。





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