虹の彼方に~未来は僕らの手の中~

3分間の2人芝居★




「天使の溜息」

登場人物
 晃(あきら) 霊
 ミゼル    天使


晃、下界を見ながら独り言。

ミゼル「こんな所にいたのか。霊界№一八六 晃。朗報だよ」

 晃 「おや。ミゼルが来るなんて珍しいな。人事異動か?」

ミゼル「一昨日から、僕が晃の担当だ。…せっかく、この間まで春麗の担当だったのに」

 晃 「俺で悪かったな。それで、朗報とは?」

ミゼル「来週行われる天使の資格試験か、転生の面接を受ける事が出来るが、どうする?」

 晃 「天使か転生か…。俺、ずっと天使の仕事って、やってみたかったんだよなぁ」

ミゼル「ちなみに、天使の資格試験に落ちた場合は、強制的に雷と雪を降らせるバイトを時給半分で一年間」

 晃 「あの霊界至上最も辛いバイトを時給半分で一年間も?」

ミゼル「どうする?転生の面接でも構わないが」

 晃 「(しばらく悩むが)いや、やっぱり天使の資格試験に」

ミゼル「そうか(どこかしら残念そう)。試験内容は、日本語・英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ハングル・歌と面接」

 晃 「(やや呆然)語学だけなら納得するが、歌ってのは…」

ミゼル「歌は重要課題なんだぞ。下界でも、よく『天使の歌声』とか表現されるじゃないか」

 晃 「うむ…。それはそうだが…」

ミゼル「じゃあ、申請してくるから、試験勉強するんだな」(退場)

 晃 「あ~…。語学は下界を見ていれば勉強できるが、よりによって歌とは…」

ミゼル(登場)「申請してきたよ。試験はちょうど1週間後」

 晃 「1週間か…。練習しなくちゃな…。ミゼルって、歌うまいのか?」

ミゼル「そりゃあ、まぁ、天使ですから」

 晃 「俺、歌は苦手なんだよなぁ…」

ミゼル「…はいはい。練習に付き合ってやれば良いんでしょ」

ミゼル、歌(お好きな歌をどうぞ)
晃、ミゼルにつられるように歌
ミゼル、退場。
 晃 、退場。

ミゼル、手に一枚の紙を持って、淋しそうに微笑みながら、晃のいる場所へ

ミゼル「結果発表、出たよ。…バイト先のおばちゃん天使たち、晃が来るのを楽しみにしてたんだけどなぁ」

 晃 「…ということは、受かったのか?」

ミゼル「ほら。合格!おめでとう」

 晃 「やった!これで、ミゼルと同等の立場になれるな」

ミゼル「同等の立場?僕と晃が?」

 晃 「あぁ。俺、ずっと、ミゼルと天使同士って友達の立場になりたかったんだ」

ミゼル「…そっか。ありがと。その気持ちは嬉しい。…だが、すまない。僕は転生して下界へ行くんだ」

晃、何か言おうとするが、身体が動かない。

ミゼル「何も言わせないよ。やっと決心したんだから。今から、神様の所で、ミゼルとしての記憶を消してもらう。次に晃と出会える時、僕は、僕であって僕じゃない。…僕は晃と出会えて、本当に楽しかった。ありがとう」

ミゼル、泣きそうに微笑んで見えなくなる。
 晃、ミゼルが消えた途端、身体が動くようになる。

「それから一年…」

天使になった晃。
とある家庭の飼い猫になったミゼル。

 晃 「よぉ。やっと見つけた。元気だったか?」

ミゼル、不思議そうに晃を見上げるだけ。

 晃 「俺、天使になったよ。ミゼルが天に昇ってくるまで、俺が見守っててやるからな」

ミゼル、日向ぼっこしながら、うとうとと眠りだす。
 晃、淋しそうにミゼルを見つめて微笑む。

 晃 「…これが天使の仕事ってヤツか」



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