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術後の母の様子


それから数日、母の病院にいました。
自身の子供たちは、だんな様と義母とが見ていてくれました。
日中は保育所にも通っていたので安心でした。
毎日のように電話して様子を聞き、子供たちとも電話で話していましたが…。
─電話で話すと、なぜあんなに可愛く感じるのでしょうね。─


母は面会時間が決められていて、それぞれ2.3人で5分程度しか面会が出来ません。
また、もしものことがあるといけないのでずっと誰かが待合室で待っているという状態でした。
弟と二人、交代で泊まり込みで待っていました。

面会といっても母はまだICUで、目を開けても見えているのか、また分かっているのかどうか…。
また呼吸器のパイプも口につながれているため、声が出せませんから、話せません。
それでも、話し掛けて、理解出来ているのか、うんうんと頷くこともありました。
本当に、目で会話していた感じです。


ICUで3日間過ごし、個室に移りました。
この時には、点滴と、尿の管くらいで、あとは何にもつながっていない状態でした。
話し掛けると、相変わらず、うんうんと頷きます。
が、会話はできません。

話し掛けてもどの程度分かっているのか、まだボーっとしているような感じで、先生が「お名前は?住所は?」と聞いても、しばらくじーっと考えて、しばらく待ってやっと答えられるという状態でした。
見ていて、大丈夫だろうか…という気持ちもありました。
それでも、答えは正確でしたので安心はしました。

熱もまだ安定せず、術後の脳の腫れが続いているとのことでした。

のちに、母に聞くと、このころのことは、ぼんやりとしか覚えておらず、先生にも質問されても、何だか答えが分かっているのに出て来ない感じで、もどかしかったようです。


それでも、個室に移って数日もすると普通に会話ができるようになりました。
その時に始めて先生から聞いたことですが、術後の腫れもまだあるし、一気に脳を使うことよりも、まずはしっかり休めるということで脳を休めるためのお薬が処方されていたそうです。
それで、なんとなくまだボーっとしていて、眠かったのだそうです。


術後すぐにドンドン良くなるというわけではなく、一進一退という感じで、ゆっくり徐々に回復していきました。
髄液が鼻から漏れたり、しばらくベットの高さが上げられず、頭の位置が固定されたり、随分時間が掛かりました。
母の兄や、弟嫁も協力してくれ、誰かが必ず母に付いているという状態がしばらく続きました。
それでも、少しずつ回復を見せ、本当にいろいろな話をたくさんしました。

自分で歩けるようになり、大部屋に移ったのは、7月も半ばだったように思います。


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