出生前診断


といっても最初の数日はハリ止めの点滴をしていたが
あとはひたすら安静にしているだけ。
つわりもひどく楽天的な性格の私もさすがに落ち込んでしまった。

ようやく退院したが出血もなくなり安定したようだったので
12月からは出勤することにした。

退院してからも診察は週一回だった。
ほっとしたのもつかの間医師から
血液検査でダウン症の可能性がある検査の数値が高いので
羊水検査を薦められた。
この時私の乏しい知識ではダウン症の確立は高齢出産に多いと
聞いていたので20代の私にも可能性があるなんて
思いもよらなかった。
あまりにもショックだったが医師がそういうのであればと
検査を受けることにした。

検査は12/25 会社を休み一人病院に向かった。
検査は長い針をお腹に刺し羊水をとりそれを分析する。
針が胎児を傷つける場合もあり検査での胎児死亡率は1%という
ことだった。
エコーで胎児の位置を確認しながらやるので
大丈夫ですとのことだったがそれでも不安だった。
五ヶ月にはいった胎児はくるくる動き回って元気一杯だった。

検査は無事終わったが年末が入ることもあり
結果は三週間後にわかるということだった。

ある結果が出てしまったら私は決断をしなくてはならない。
そのために検査をしたはずなのに
私の気持ちは揺れていた。
決断は本当に正しいことなのだろうか?
障害を持って生まれてくることはこの世に存在してはならないということなのか?
生まれることは不幸なことなのか?
障害児の親は苦しいことばかりなのか?
あれほど危険な状態を乗り越え力強く生きているお腹の子の
優劣を私に決める権利があるのだろうか?
毎日そればかり考えていた。
もし結果が出たときに決断を下すのであれば
私は人殺しなんだと自分に言い聞かせていた。

夫も私も子供の話題にはあまり触れないように
年末も正月も過ごしていた。


この間私はダウン症に関する本を沢山読んだ。
ダウン症は知的障害があることは知っていたが
心臓などの障害がある場合もあり短命であることも初めて知った。
優しい性格の子が多く「天使の子」と呼ばれていることも。
写真をみてもどの子もとても素敵な笑顔を持っていた。

検査結果が出るという数日前に病院から電話があった。
「検査結果は陰性」
辛い選択をしなくて済むという喜びで一杯だった。



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