なんだコレ?



駅の階段を降りていた。ホームには会社帰りのサラリーマンやOL、学生さんなどで溢れていた。

と、自分の足下になにかが。。。
グチャッと潰れたアイスクリーム。

「ゲッ!踏みたくないっ!」

と同時にバランスを崩して転げ落ちた。。。。

ゴロゴロゴロ。。。。。

もんのすごい音にホームの人たちは、マリアに向かって痛そうな顔をしていた。ってか痛いのはマリアなんですけど?

ものすごく目立っていた。マリアのオンステージ。
運悪く友達も知り合いもいない。でも一人で「痛ったぁ~」
とか言ってたりして。くすっ。

とりあえず荷物を拾って、周りを見渡した。
少し離れた所になにかが落ちている。。。
テンパッてたこともあって、それが何かが分からない。。。。

とりあえず自分が落とした物だろうと思い、拾ってみる。
階段の真ん中でそれを手にとって見つめたまま考え込んだ。

「なんだか見たことあるんだけども?コレなんだっけ?」

頭真っ白で働かない。でも気になる。

「ええと。。。ええと。。。」


     あ゛あ゛ぁぁぁぁっっっっっ!!!!!

      ミュール(靴)のカカトだ。

自分の履いている赤のお気に入りのミュールを見ると、片方ポッキリとカカトがない。

  チッキショ~。高かったのにぃぃいぃッッ!!

でも片方だけカカトがないってことは、歩きにくい。
このまま帰るのは無理。
しかたないのでそのままカカトを持って改札を出て駅ビルに戻った。

恥ずかしいとかいうのはマヒしてしまい
カカトのない片方のミュールを履いて
ヒョコヒョコと駅ビルのご案内カウンターに行った。

コケてカカトが取れたとか説明すれば良かったのかもしれないが、
とにかくテンパッて頭が回らない。手っ取り早く、右手に持ったカカトをカウンターのお姉さんの顔の前に突き出して、

「スイマセン、取れました。」

と言ったところ、

「8階に修理屋がございます。」

と上に手をのばして教えてくれた。

8階の修理屋に入ると若いお兄さんがいた。

また同じことをして

「スイマセン。取れました」

というと

「座って。直すから」

とモクモクと仕事を片付けてくれた。


っていうかさ、みんな慣れてるわけ?「はっ?」とか「なんですか?」
とか聞き返さないわけ?
よく来るの?こういう人?ねぇ?ねぇ?

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