迷鴎亭 ★BAKERY FESTE★

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アオスジアゲハ2007

7月6日
庭でアオスジアゲハの卵を発見して、育てることにした。

7月8日
孵化した。
707-8-100.jpg.3mm弱。
拡大するとトゲトゲだ。

7月10日
ちょっと大きくなった。食草はクスノキ。
707-10-101.jpg.707-10-100.jpg

7月11日
脱皮して2齢になった。
707-11-100.jpg.707-11-101.jpg.やっぱりトゲトゲ。

7月14日
脱皮して3齢になった。1日の間にどんどん大きくなっていくのがわかる。夜には13mmぐらいになった。
707-14-101.jpg.707-14-102.jpg
まだ茶色がかったくすんだ色だが、独特の形は小さいときから変わらない。

7月16日
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若葉を食べつくしてしまったので、新しい枝を取ってきた。しかし、なかなか移ってくれない。今までいた枝にやわらかい葉がもうないことはわかっているようで、ウロウロしている。新しい枝をぴったりくっつけてやったのに、古い枝を10回ぐらい上り下りしてから、やっと移った。
アゲハ(ナミアゲハ)だったら、新しい枝を挿すとすぐに乗り移る。アオスジは鈍いのか?

アオスジアゲハは全般的に行動が慎重である。”枝渡り”するのは見たことがない。しっかりくっついたところにしか移らない。(アゲハは尾脚だけで茎や葉にぶら下がって、体を伸ばして触った葉に移ることもよくある。)大木になるクスノキの樹上で生活するために、そういう行動様式がプログラムされているのだろう。

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めでたく新しい枝に移った。若葉に食痕があるのは、先客がいたからだろう。現在はいない。このクスノキはうちの庭にある。気をつけていると時々卵を見つけることができるが、幼虫はめったにいない。天敵が多いのだろう。

7月18日
4齢になっている。形状は変わらない。
707-18-101.jpg.707-18-102.jpg

7月20日
体長約30mm。霧を吹いたので濡れている。
707-20-101.jpg.707-20-102.jpg

7月21日
脱皮して5齢になった。トゲがなくなり、黄色と黒(脱皮したばかりは白っぽい)の模様が現れる。
707-21-109.jpg.707-21-108.jpg

7月22日
約35mm。
707-22-106.jpg.707-22-107.jpg

新しい枝を挿したが、例によって移るまで手間取る。古い枝を何度も上り下りしているので、じれったくなって古い枝を切り詰めたが、それでもなかなか隣の枝に移らない。隣の枝についている葉が背中に当たっているのに、ジャマそうに押すだけで、葉が全然ない古い枝を往復している。アゲハだったらさっさと新しい葉に移るのに。
アオスジは直接葉に乗り移ることはしない。枝伝いでなければ移動しないのだ。慎重なのだが、傍から見ているとただのバカだ(笑)。
それでもいつかは隣の枝に移る。人間の尺度で見ると鈍くてじれったいが、虫は生きるために必要なことは全部ちゃんとできるようになっているのだ。

7月24日
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40mmを超えた。

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葉を1枚一気食い。

7月26日
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どっしり。でっぷり。45mmぐらいある。

7月28日
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色が変わった。蛹化体勢である。

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幼虫が止まっていた葉。休み場所にするときは、大量に糸を吐きつけて足場にする。しばらくここに止まっていたが、蛹化する場所にするつもりはなかったようで、また移動を始めた。

707-28-102.jpg.707-28-103.jpg

蛹化する場所は、たいてい1枚の葉である。まず上を向いて止まって気に入れば、向きを変えておしりを固定するあたりを中心に念入りに糸を吐きつける。

707-28-104.jpg.糸かけが始まった。

707-28-105.jpg.自分の横に糸を吐いて固定し、そこから糸を吐きながら反対側までロープを張るように糸を引いていく。そして向こう側に固定したら、そこから逆に糸を張る。20往復ぐらいはしていたと思う。幼虫の吐く絹糸は細いが丈夫だ。これで、サナギを固定して支える準備は万端である。

707-28-106.jpg.糸を張るときは、体を反らして引っぱりながら糸を出して、ちょうどいい長さにしている。見たところ、口と一番前の胸脚の間に糸があるようだ。確信はないが、とにかく胸脚より前(頭側)にあることは確かである。
しかし、この糸は背中にかける糸である。今のところ、糸は体の前にある。どうするのかというと、当たり前だが「くぐる」のだ。
たいていは、ひょいひょいと簡単にくぐるのだが、この個体の場合は糸が頭の後ろの少し出ばった部分に引っかかって、ものすごく苦労していた。手伝いたくなったぐらいだが、どうにか自分で糸をくぐることができた。

707-28-107.jpg.ああよかった、という顔(?)をしているが、ちょっと糸をかける位置が下すぎないかい?なんかくびれちゃってるし(笑)
大丈夫なのかなあ、この子は?と思っていたが、翌日・・・

7月29日
707-29-100.jpg.りっぱなサナギになった。きれいな形だ。糸もいい位置にかかっているし、問題ないですね。

8月10日
あれから12日。虫姫宅では、アゲハが次々に羽化し、クロアゲハの幼虫がどんどん大きくなって脅威になっていた。アオスジアゲハはひとり静かに蛹の生活を続けていた。
9日、サナギの色が変わってきた。中で新しい形の生き物が形を取りつつあることがわかるようになった。夜には、蝶の頭や羽がはっきり見えるようになった。

そして今朝6時25分、
708-10-100.jpg.成虫が出てきた。サナギの殻の一部が割れてから6~7秒後。

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708-10-102.jpg.まだ1分以内。

708-10-103.jpg.2分後。

708-10-104.jpg.もうここまで羽が伸びた。最初の数分間が大事だということだ。

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2時間後、はばたくようになった。
708-10-106.jpg.カーテンに止まっている。

708-10-107.jpg.手乗りアオスジ。

708-10-108.jpg.ベランダで。

アオスジアゲハは、幼虫がとびきり可愛いし、毎年1~2匹しか育てないわりには羽化に立ち会える確率が高く、なんとなく「よい子」というイメージを持っている(笑)。また卵を見つけて飼ってみたいと思う。

アオスジアゲハ2007(とりあえず)終わり。


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