サトゥの死ぬまでシネマ。

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第4話。

「第4話 アワー・サウンド・アワー」
俺とノリコは廊下に出て向き合った。
「おまえがさあ、転校生いじめてるってウワサを小耳にはさんでねえ」
「はぁ、何言ってんの、あんたあの子に惚れてるわけ?」
「いやいや、違うよ。なんつうか、正義の味方ってやつ。見方を変えてみても味方だよってやつ?」このネタがわかる人はホントに少ないだろう。
「ねえ、フジコちゃ~ん」
「は?」
「俺とお前は今、フジコちゃんとルパンの関係なんだよねえ。着かず離れずのこの距離感。そしてお互い共通の財宝をみつけちゃったわけ。当然、ルパンとしては財宝を横取りしたいわけよ。いや、マジメな話。イジメなんておもろくないことやんなよ」
「いじめてなんかないわよ。ただ・・・」
「ただ?」
「暗いから、なんかムカツク」
「そうか・・・」
俺はノリコの背後にある掲示板にはってある紙きれが目に入った。
「じゃあさ。彼女が変ったら、考えなおすよな」本当はどんな理由があろうとイジメはやってはいけないと言ってやりたかったが、次のプランが思い浮かんだ俺はそれを実行することにした。紙切れをはがすと彼女に見せた。
「これで、優勝したら仲良くしてくれよな」
「優勝できたらね」彼女は不敵な笑みを浮かべたがその理由はまだ俺にはわからなかった。
「オッケイ!契約成立~。とっつあんが来たから俺はこれで」
学年主任の英語教師福田幸治通称「フクジ」が現れたので俺は去ることにした。
何かと俺を毛嫌いしているがその理由はわからない。クラスでもそこまで目立っていないというのに。俺はクラスのポジション的には上の下くらいで、自分ではかなり絶妙なポジションに昇り詰められたと思っている。腕時計(映画スピードでキアヌ・リーブスが着けてたGショックと同じモデルだ)を見ると昼休みはまだあと10分あった。真っ直ぐ隣りのクラスへ向かう。お目当ての女の子はすぐにみつかった。
幼なじみの南洋子だ。あと1文字で長門の嫁さんになれた女。学年1の美女と言われるほどで、俺の絶妙なポジションは彼女と仲がいいというのも一役かっている。
まあ、彼女と近づきたいがために俺に近づくヤツは無視してるが。そういやケイタも多分その理由だったが俺は彼のキャラに惹かれて現在に至っている。
「ミナミ~」苗字ではあるが「ミナミ」なので「タッチ」に憧れる俺としてはこう呼んでいる。
「なあに。たっちゃん」
俺は思わずキョトンとした。
「いっつも言ってるじゃん、1度でいいから『たっちゃん』って呼んでって」
いきなり夢が叶えられた俺は苦笑いした。
「あんがとさん。甲子園には連れて行けないけどな」
「で。なんなのたっちゃん」
「もういいよ。次はヒロで頼むよ」もう時代はクロス・ゲームなのに。まあ、いつの時代もミツル・アダチは最強だ。
「ちょっとお願いがあんのよ。今日ナカニシ集合で」
「わかった。潜水艦事件みたいな無理なお願いはダメだよ」
「もうその話はいいって。ところでお前、俺と同じクラスの浅田と仲いいよな」
「うん。1年の時同じクラスだったから。たまに一緒に帰ってる」
「じゃあ、ひとつめの頼み。俺のクラスに来た転校生について聞いておいて欲しいんだ。その、いじめられているらしくて」
「わかった。それとなく聞いておく」
「サンキュ。あっお前もイマドキの女子高生なんだからメイク道具は常に持ってるよな」
「うん」
「それ重要だからよろしく」
「女装でもするつもり?」
「もっとおもろいことだよ」
俺はさっき掲示板から拝借した紙切れを親指と人差し指でつまんでピラピラっとした。それには「文化祭 アニメ研究部&科学部共催第1回『萌えモエ選手権』」と書かれていた。さあて、これから忙しくなるぞ。(なぜ科学部が共催なのかは後ほど説明しよう)。

第5話
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