サトゥの死ぬまでシネマ。

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第13話。(もうひとつのエンディング)

「第13話(もうひとつのエンディング)トゥモロウ・ネバー・ダイヴィング」
「まあ、そんな感じの学生時代だったな」もう47才になった俺はリビングで娘に語っていた。
「でも、どうしたんだ急に。パパの学生時代を知りたいなんて」
「ん。ちょっと・・・。パパとママの出会ったころの話を聞きたかったの。ねえ。パパ」
「ん?」
「どうして、パパはその時、ママの事を選んだの?」
「それはだな・・・」
「あなた。遅れるわよ」
妻がリビングに顔を出した。今日は同窓会だ。ひさしぶりに皆と会える。
「話の続きは今度だな・・・。留守番大丈夫か?」
「大丈夫よ。もう子供じゃないんだから」
娘の麻亜茶(マアサ。と読む。バック・トゥ・ザ・フューチャー好きな俺は「マーティ」と読ませたかったが結局妻に反対された)
「でも、この間、夜中抜け出してただろ。パパは騙せないぞ」
「バレてた?ナカニシのオジイ様に呼び出されてジャスコの駐車場に行ってたの」
ナカニシのおっちゃんもだいぶん歳をとったが、まだまだ現役で店をやっている。
「なんかね。科学の実験だって」
駐車場?科学の実験?なんか気にかかる単語たちだな。そういえばナカニシのおっちゃんは最近、店の駐車場をしめきって俺に見せてはくれない。チラッと見えた限りでは、いつも乗っている車とは別にもう1台車が停まっていた。あれは・・・。
「デロリアン?」
「えっ何?」
「いや。なんでもない。で、実験ってなんだ」
「それは秘密。ささ。はやく行ってきなよ。同窓会」
マーサはショートカットが伸びかけた髪をなびかせて自分の部屋へと向かった。
マーサ。はて。なんだろう。この懐かしさ。どこかで・・・。
「まさか、作者が最後の最後でパクったのは・・・」
「あなた、行くわよ」
「お、おう。ジェニファー。今いく!」
「マーティ急いで!」
やっぱり俺の妻は、俺の事をわかってくれている。

30年前、文化祭前日、理容ナカニシにて。
「パパに会ってきっちゃった」
「マーサ!。あれほど会うなと言ったのに」
「まあ、いいじゃない。パパって若いと意外に男前なんだね。マーサのタイプじゃないけど」
「マーサちゃんはめちゃめちゃリョウのタイプだと思うけどな。ママにも似てるからか。まあ。とにかく2人の出会いを邪魔しないでくれてよかった。それよりも、明日は大事な日だぞ。お前が未来へ帰れるかどうかの瀬戸際だ」
「文化祭見学してもいい?」
「いかん。いかん。ただでさえ、体育館に落ちる雷を利用するってのに。ニアミスもいいとこだ」
「はあ、若い頃のママも見たかったなあ」

30年前の俺はそんな事があったとはつゆ知らず、文化祭を迎え、野ザルのプロデュースを終え、野バナもプロデュースした。実は冬休みに入る前に変なヤツに絡まれる事件にみまわれる。本当に変なヤツだった。俺の大事な友人の命を救ってくれたけど。しかも、そいつはL4と全面対決したらしい。もし、続編が出るなら、作者は俺にその役をさせなかったわけだ。そんなこんなでいろんなことがあった。あと、何十年かしたら、俺も遺影になっちまうだろう。その時は言うまでもなく、最高の笑顔に違いない。

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