サトゥの死ぬまでシネマ。

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第8話

第8話「リターン・リターン」

2005年12月8日木曜日AM:07:23(2回目)

「マジ・・・かよ」
もう1度、俺はこの日を繰り返すことになった。しかも、今度は助けを求められた方だ。ミナミヨウコ・・・。彼女のために今日1日費やさねばならない。
携帯の時計をみる。
「タイム・リミットは9時半か・・・」
とにかく学校へ行ってミナミヨウコに会わなくてはいけない。そこで俺は思い出した。コンビニだ。朝コンビニで会ったんだっけ。とにかくあの後、どこへ行ったか見極めなければいけない。俺は制服に着替えて、居間へ向かった。
「おはよう、母さんツナ・・・。やっぱりいらねえや。学校行く」
「あら、早いのね」
「俺にしては。だろ。ちょっとね」
「そうそう、お兄ちゃんいっつもギリギリだもんね」
ルコは1回目の今日と同じくソファーでテレビを見ていた。当たり前か。
「お兄ちゃん蟹座1位だよ!」
知ってるっつうの。
「お前も恋愛運不調なら気をつけろよ。メルアド交換ぐらいで舞い上がってんじゃねえぞ」
「な、なんで知ってるの!」
「さあね。どうせ一緒に行かねえだろ、先いくぞ、イテキマース」
俺は玄関を出ると駆け出していた。急がねば。あのコンビニへ。

コンビニの前に着いた。急いだおかげかミナミヨウコはちょうど自転車を倒したところだった。俺は急いで彼女のもとに駆け寄って一緒にぶちまけた荷物を拾う。

「大丈夫?」
「あ、大丈夫です」
俺は彼女をマジマジとみつめた。確かにこのコは今日死ぬハズなのだ・・・。
それとは別に俺は彼女の美しさにみとれてもいた。
いいかげん、俺の視線に気がついた彼女は怪訝な顔をして
「なにか?」
と聞いてきた。
「いや、別に、あのその、君、今、悩みごとない?」
「は?」
「いや、そうだ。コレ」
俺は「もうひとつの今日」で気になっていた茶色い封筒を拾い上げる。その感触は・・・。どうやらお金っぽい。

「何言ってんの?アンタ?」
アンタって。どうか彼女がツンデレキャラでありますように。
彼女は俺から封筒を奪いとると、そそくさと残りの荷物を拾いあげる。

「じゃ、どうも。一応例は言っておくわ」
彼女は自転車に乗り去っていこうとする。もちろん行き先は学校とは逆方向だ。

「ねえ。ちょっと。待ってよ!」
俺は追いかけた。が気が付かれないようにしなければいけない。
徒歩(まあ走ってるけども)VSチャリ。
「大変な尾行ですなあ」
そんなことをつぶやきながら俺は彼女が角を右に曲がるのを確認した。

5分ぐらいはなんとか姿を追えていただろうか。俺は彼女を見失っていた。

ちくしょう。

立ち止まり、息を整えていると小さな公園のトイレの影に人影を発見した。
ウチの学校の制服の男女2人。だ。一人はミナミヨウコ。もうひとりは彼女の影で見えない。

俺はトイレの反対側から周り、会話を聞くことにした。

「ハイ、コレ約束の・・・」
「いやあ、悪いね」
「あなたの家お金持ちなんでしょこんなハシタガネ、いらないんじゃない?」
「おいおい。金持ちとはいえお小遣いは決まってるんだぜ。手に入るモノはもらっておかないと」

この声、聞いたことがある。

「それで。渡してくれるの例の」
「メモリースティックだろ」
「そう」
「でもさあ、今こんなんいくらでもコピーできるんだよねえ。一昔前のドラマとかならネガさえ手に入ればいいんだろうけど」

ネガだけだって?昔の時代だってコピーはいくらでもできたハズだぜ。
あんたドラマの見すぎだよ。
俺は心の中でツッコンだ。

声の主である「フドウアキラ」に。
コイツが絡んでいやがったか。
俺のばあちゃんの事故を目撃した男。これが何か関係している・・・のか?

「だっからさあ。まだまだお金持ってきてくんない?」
「そ、そんな。コレで最後って・・・」
「ま、このメモリースティックはあげるよ。じゃあ、サービスで教えてあげよう。メモリースティックはもうひとつある。そのもうひとつだけ。だよ」

「返してよ」
「そいつはどうかなあ。まっまた連絡するよ。今夜かもしんない」

今夜・・・。やっぱりヤツは怪しい。クソ、病院ではいいヤツそうだったのに。

「じゃあねえ。学校で」
フドウアキラの立ち去る気配。
ため息をつくミナミヨウコ。

携帯の時計をみる。俺も学校行かないと。

タイムリミットまであと12時間半。

学校どころではない気もするが、とにかく彼女がいる場所に行かねば。

第9話
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