サトゥの死ぬまでシネマ。

サトゥの死ぬまでシネマ。

第11話。

第11話「シーサイド・ハーサイド」

家に帰ってジャージに着替えると、俺はベッドに座った。

「あと4時間か・・・」

そうつぶやいて寝っころがる。果たしてミナミヨウコを救えるか。その前に敵はあの場所で勝負してくれるのか。とにかく、地府星大学へ行かねばならない。

突然、眠気が襲ってきた。

「ふあぁ、考えてみれば24時間寝てないのか・・・」

あくび交じりの独り言をつぶやく。


気がつくと。まだベッドの上。何か夢を見ていた気もするが・・・。

「ヤッベ!」

あわてて飛び起きる。時計を見ると9時2分。
俺はあわてて飛び出した。玄関先で母親が何か叫んでいたが。無視した。


大学の前まで来る。もちろん門は閉まっていた。迷わず門のそばにある守衛所へ向かった。

「ねえ、おっちゃん」

「んあ。なんだい?」

向こうは初対面だがこっちは知っている。まるで片思いの一種じゃねえか。

「さっきここ女の子通らなかった?」
「ああ、2号館の場所・・・」
「やっぱり!おっちゃん救急車呼んでおいて!」
「な、なに!」
「いいからいいから」

俺は走り出していた。たぶんおっちゃんは救急車を呼んでくれないだろう。しかし賭けてみる価値はある。せっぱつまった高校生の願いに。

走り出して気がついた。俺は2号館の場所を知らない。聞く前に朝に戻ったのだ。建物の場所までは辿りつけた。

「くっそ、どっちだよ。聞けばよかったな」

だが入り口をみると「2号館」と書いてあった。

「なんだ。楽勝じゃん」

鍵はかかっていない。屋上へ急がねば。

屋上まではすんなり行けたが人気がない。俺は屋上のすみずみまで探そうと歩きだした。

向こうに人影が見える。俺は走った。

人影は3つ。

「おい、待てよ」

叫んだところで気がついた。

その人影は隣りの建物の屋上にいたのだ。

「なんで?」

人影のひとつがこちらがわに向かったきた。ようやくフドウアキラと認識できた。

「とうとう。おでましだな。トオル君」
「なんで2号館じゃないんだ、おい、リンジ、お前だろお前が変えたのか」

もうひとつの人影が近づいた。もうひとりを連れて。リンジとミナミヨウコだ。

「ワリぃなトオル。金に目がくらんでな」
リンジは言った。

「お前が能力者なのはわかってたよ。そこにいるミナミヨウコが死んだ朝、お前は、俺のばあちゃんが死んだ1度目の朝の話をしてたからな」

「お話の途中悪いが」
フドウアキラは続ける。

「別に誰が能力者とか関係ない。僕たちと君は敵同士だ。それに僕たちはきちんと対決しようと思ったよ。だからミナミヨウコを同じ場所に呼び出した。2号館の隣りの建物に来い。とね」

クソ。そういうことか。

「実をいうとね。彼女が死んだのは事故だった。落ちた後、リンジが行こうとしたんだよ。さすがに運命とはいえ自分たちが関わるとなると夢見が悪い」

「よくいうよ、ばあちゃんを殺したくせに!」
「それに関しては、説明しよう」
「説明もなにも、その通りだろ!お前らは罪をオンミョウジに着せようともしてたよな」

「誰に罪を着せようって?」

背後で声がした。
振り返るとオンミョウジがいた。

「ま、まさか」
「別に黒幕が俺ってわかってもよかったんだけどなあ」
「くそ。自分で黒幕言うなよ」
「あの日、そうミナミヨウコが死んだ日」

オンミョウジはミナミヨウコをチラリとみた。ミナミヨウコはきょとんとしている。無理もない自分が死んだ話だ。

「あの日、俺はここにはいなかった。がしかし、今日の朝リンジからメールが来て驚いたよ。またあの能力が発動したとね。しかし、今回は君が助けを呼ばれたほうだ。とね。君のおばあさんが亡くなった日。俺たち3人はミナミヨウコを呼び出して向かうところで事故を目撃していた」

「驚いたよ」

リンジが口を開く。

「おまえのおばあちゃんが倒れていたから慌てて駆け寄ったんだ。そしたら突然言われたんだよ『助けて』ってね」

「なんで、なんで俺に言ってくれなかったんだよ」
「言おうと思ったさ。でもな。俺はやっぱり、運命には逆らわない方がいいと思うんだよ」
「で、俺たちも同意見だったわけ」

フドウアキラがニヤけながら言った。

「でも、俺たちは君も能力者だすぐに気がついたんだよ。君は2回目の時様子が違ったからね」

「なんで、なんで俺には言わないで、こいつらには言ったんだよ」

「それは僕らは『あの人』に仕えているからだよ」

あの人?くそ。まだラスボスがいるってのかい?

「とにかく君が能力者だと気がついた僕らは君を監視していた。案の定、君はおばあちゃんを助けた」

「当たり前だろ!もういい。説明はたくさんだ。彼女を離せ!」

「あの人は言ったんだ。お前がおばあちゃんを助けたときに」
オンミョウジが言った。

「死ぬ運命のものが変わってもいいが、彼女だけは特別だ。今死んでもらわなくては」ってね。

「何が言いたい」

「今日死ぬのはミナミヨウコじゃなくてもいいってことさ」

「なんだって」

「お兄ちゃん。どうしてここに!」

自分がいる2号館の屋上の扉が開いていた。ハリコが立っていた。

「ねえ、フドウ君、これどういうこと」

隣りの(たぶん1号館だ)建物に人影がひとつ増えた。

「ルコ・・・」

「まあ、君の妹が僕に興味を示したのは偶然だよ。君のモトカノがフドウに惚れたのもね」

なんて嫌な偶然なんだ。都合よ過ぎだろ作者。

「さあ、どうする?」

オンミョウジは不敵な笑みを浮かべた。



第12話
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