映画みてお茶のんで幸せ

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チャイ@ Re:おこんばんは(07/20) ミウさん キャ~!!久しぶりですっ!…

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カテゴリ: 映画
どうしても今回は劇場で観たかったので日比谷シャンテにて鑑賞。
終了後、無言状態の劇場が映画のテーマの深さを物語っており新鮮だった。
前作の「ふたりの5つの分かれ路」で何かが起きた?オゾン節。
しかも「まぼろし」の“最愛の人の死”に続き、…今回は“自分の死”を描く。
この重いテーマをオゾンがどう描くのか興味があったのだ。


31歳の売れっ子ファッション・カメラマンのロマンは、
ある日撮影中に倒れてしまう。

まだ若いロマンに、医者は放射線や点滴での治療をすすめるのだが、
ロマンは治療を拒絶する。

同性愛者のロマンの恋人サシャに冷たい言葉を浴びせ別れを決意し、
家族に告白しようとするが、どうしても言う事が出来ず、逆に姉とは仲違い。
仕事を辞め、唯一祖母のローラにだけ打ち明ける。
なぜなら“おばあちゃんは、僕に似ているから…”
カフェで出会った夫婦から持ちかけられた“代理父”の依頼。
運命に怒り、周りに心配をかけないように己を孤独に追いやって、
どんどん弱ってゆくロマンに、姉からの手紙で転機が訪れる。
“子供”を意識している事に気付いたロマン。
幼い自分の記憶と幻に出会った時に何かが起きた。

美しいと思ったシーンを切り取るカメラ。
ニコンの一眼レフからコンパクトカメラに変わってからの彼の撮る写真は、
きっと彼の宝物で天国へ持ってゆきたい写真に違いない。
(携帯電話よりも大切に最後まで持っていた)

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


病と死への恐怖の中で残された人生で行うべき事を短時間で決定せねばならない。
全ての人は孤独に生まれ、孤独に逝く運命を持っている。
その間の限られた人生を如何に生きるか、そして死ぬのか…それが人生。
ロマンを通して自己の人生観が感情と共にえぐり出される気分になった。
リアルで普通な何という事の無いシーンに込められたロマンの想い。
ロマンを演じるメルヴィル・プポーの繊細に揺れ動く感情と
遠くを見つめるかのような美しい瞳、そして衰えてゆく肉体の変化に、
胸をしめつけられる。
祖母を演じるジャンヌ・モローの孫への言葉“今夜お前と死にたい”。
唯一信頼している肉親の愛情がこもったその言葉には、ロマンと共に目頭が熱くなった。

偶然に出あった人に自分の生きた証を委ね、
愛した人から愛されていると知る事が出来たロマン。
突然訪れたつらく悲しい物語を描くのではなく、
何かに立ち向かい得る夢や希望を描くのでもなく、
人間の本能と事実を受容し、自分の死に様を決めた一人の男の心の動きを
極めて間近から繊細に優しく描いた作品だと思う。

こんな仕掛けや謎の無い、フランソワ・オゾン作品は初めて。
円熟したというか、人生の折り返し地点にきたからか…
ほぼオゾンと同じ年代の自分にとっては見事に心に響いた。
これまで常に死と生と性、その源の水=海、そして女の強さと怖さ、男の弱さ…。
表現方法は違っても、常に根源にあるものは同じなのかも。
ちなみに今後“子供の死”をテーマにした作品の予定もあり3部作にしたいそう。
次回作は英語で撮っているという噂だが、こちらはどんな内容なのか楽しみだ。

ちなみに…
治る可能性が5%以下と言われ治療を拒否したロマン流の生き様。
後悔しないよう治療する方法をとり、癌と戦う決意をするという生き方。
“健康で死にたい”というロマンの祖母の生き方が最も望まれるものだろうが、
病気…特に癌などの病の場合は、本人の悔いの無いようにするのが一番だと思う。
特に早期発見の場合完治出来る可能性が高いので、もちろん治療すべきだろう。

オゾンの定番のラストシーン。
この作品に関してだけは、いつもと違った印象で、
なぜか安心感があった。

「ぼくを葬る」オフィシャルサイト





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Last updated  2006/05/21 05:45:11 AM
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Re:★ぼくを葬る★(05/06)  
あぁレビューに力入ってるのがわかります。
し、なんかレビュー読んでよかった。読み応えありましたよぉ。惹かれます。

ダビンチコード観ました。朝一で映画観たんですが、濃かったです。 (2006/05/21 04:16:15 PM)

Re[1]:★ぼくを葬る★(05/06)  
view pointさん こんにちは!

>し、なんかレビュー読んでよかった。読み応えありましたよぉ。惹かれます。

観たときのメモをだだっと書いたので、まとまりないかも…
こんなんですが読んでいただいてありがとうございますっ!
感動号泣の大作では決してありませんが、
個人的には色々思うこともあり、結構グッときてしまいました。
同性愛者が主人公なので観る人を選びますが、
地方でも随時公開すると思うので興味があればゼヒ!

>ダビンチコード観ました。朝一で映画観たんですが、濃かったです。
おお~皆さん結構観てますね~!!!
濃厚かつ長いそうですね!
まず、小説を読みたいな…と思っています♪
こちらも長そうなので、公開中に間に合うかが問題です(笑) 
  (2006/05/22 04:52:59 AM)

Re:★ぼくを葬る★(05/06)  
ミウ さん
今、オゾンの映画観ましたとコメント書いたところでした。この映画・・・読んだだけで泣きそうになってしまいました。観たいなぁ。
色々と考えさせられる映画ですね。
私なら、5%以下なら、しないかもしれないな・・
分からないけど・・(う~ん・・・)
でも、自分の色んな出来事と映画が重なって、ズシンときてしまいそうだな。
年齢的にも考える年代ですよね。
あ~、もうすぐ40代。
この頃、色々と考えまする・・(苦笑) (2006/05/23 06:21:18 AM)

Re[1]:★ぼくを葬る★(05/06)  
ミウさん いやはや…

そんなトコロでオゾンはん、更にピュアーにならはりました。
お耽美、ホモワールドは全開ですが、
だからこそ…といった部分も含めて正面対決ですわ。

>年齢的にも考える年代ですよね。
>あ~、もうすぐ40代。
>この頃、色々と考えまする・・(苦笑)

ですなぁ…平均寿命として人生の折り返し地点っすからね。
でもなるべく悔いないように与えられた人生を、
自分なりに精一杯楽しんで生きてみる。
これしかないんでしょうね~。
この映画を観ても、やっぱりそう思いました。
  (2006/05/24 08:57:37 AM)

本能じゃないよ  
おくみお さん
ゲイの男性の本能には反した行為。異性愛者には理解できないのね。 (2012/02/01 07:30:06 AM)

Re:本能じゃないよ(05/06)  
おくみおさん

すっかりブログを放置していてレスが遅れて申し訳ございません!

そうですね・・・100%は理解できないと思います。
ただ私の書いた『人間の本能』というのは、子孫を残したい、・・・という人間の本能だったんです。
死を目前にした時、人によって感じる事は違うと思います。
映画も観る人によってとらえ方が違うと思いますが、私にとってはそう思えたんです・・・
あなたのおっしゃる『ゲイの男性の本能には反した行為』を行ってまで・・・ (2012/09/28 11:16:24 PM)

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