take it easy!!

take it easy!!

あるの?ないの?

<あるの?ないの?>



最近基礎演技の指導をしてて思うこと。

舞台は客が「ないない」って思うこと以外なら何でもアリだと思う。
もっと言うと、舞台なら不自然でも「ないない」と思われなければいいんじゃないかな?
逆に映像は視聴者が「あるある」という事が大事な世界。
映像は不自然は絶対タブーだよね。

映像の良さは(例として)恋人の二人の行動を同時に客に見せられるところでしょ?
そのお互いの心のすれ違いとかに自分を重ねてドキドキする。「はやく好きって言っちゃえよ。」みたいな。
「向こうもお前のこと好きなんだよ。わかってねぇなぁ。」って感じで(笑)
二人の行動や心の動きがすぐに見られるからいいんだよね。
だから女性は女優に、男性は男優に自分を投影する。
だからこそ不自然はタブーで「あるある」「わかるわかる」って演技が大事になってくる。

ところがどっこいこれと同じ事を舞台でやろうとすると確実に失敗する!
だってTVはタダだし。そんな簡単に見られるのにわざわざ舞台を観に来ないでしょ?お金出して。
よっぽど大きな力のある劇団や俳優さんは別にしてもね。

だから、舞台の稽古とかで極端に自然さを求めるやつは「映像に行け!」と声を大にして言いたい。
舞台上で何の刺激もない日常生活演じられても客はつまらんだろ?
そんなのそこら辺でいつも見てるし。
わざわざ2000円近くの金を払って観に来るんだから「ないない」と思われない限界
のところの不自然さがなきゃ満足してくれないと思う。
そうじゃなきゃ、家でドラマ見てればいいじゃん。
舞台を観に来る理由が俳優目当てって事も今はあんまりないだろ。
舞台俳優TVにいっぱい出てるし。


じゃあわざわざ電車乗り継いで、お尻が痛くなるの我慢してまで舞台を観に来る理由ってなんだろうか?

その答えがわかっていれば自然と良い舞台を作れるんじゃないかなぁ。
舞台を観に来るお客さんが望んでいる舞台こそがよい舞台であり
その舞台の演技こそが俳優に求められる真の演技ではなかろうか。

きっとお客さんは、役者の緊張感であったり、体当たりの演技だったり、
自分には出来ないような恥ずかしいことを平気でやる姿だったり、
そういう「ないない」って思わないぎりぎりの不自然さを求めてるんだと思う。
しかもそれを生で見せられるからそこにウソはないわけだ。

つまり、「LIVE感」が非常に大事なんじゃないかな。

「あれなら私にもできそうだなぁ」っていう自然ではなく
「あれは無理!さすが役者!」っていう自然をLIVEで見せてくれる事に
お金を払ってくれるんでしょ。

サーカスとかコンサートとかと一緒だよ。
だから役者は、サーカスでいう綱渡りや、コンサートでいう演奏というような
特殊能力を日々の稽古で養う必要がある。
それは、肉体訓練であったり、メソッドだったり、感情開放だったり…といろいろだが
全てにおいて日々の継続した鍛錬と努力が必要なことは一緒だ。


役者をやり始めたきっかけは、なんとなくや、興味があった、出来そうなどなんでもいいが
自分の舞台がお客さんからお金をとる舞台だったら、努力をしなければダメ。
努力は向上心がさせるものなので、向上心のない役者は最低ですよ!!


それともうひとつ、役者はタダでさえ舞台で大きな声を出す。
これ自体、日常から考えるとかなり不自然だ。
さらに舞台ならではの説明的台詞も言わなきゃならない事がある。
これも不自然だ。

が、しかし、その不自然さに合わせた演技を出演者全員がすれば
(例えば、声の大きさに合わせて一つ一つの身体の動きも大きくするとか。)
はたしてその舞台は不自然だろうか?


出演者の中にドラマのような演技を求める役者と、
ここでいう舞台の演技を求める役者が混じったとき
舞台の不自然さは生まれてしまう。

劇団(公演)としてそういった、方向性、カラーを統一するだけでも
非常に大きな前進ではないだろうか。


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