がらくた小説館

親の愛

 「ただいま」

「おかえり」

「あれっ今から出かけるの?」

「そうなの。今からパーティーなのよこの服どう?」

「うーんちょっと派手すぎない?」

「なに言ってんのよ。パーティーなんて目だったもん勝ちよ」

「そうなんだ。でも化粧はちょっと濃すぎじゃない?」

「そうかなー。それじゃ口紅の色変えようかな。あっ、それから夕飯は冷蔵庫に入ってるやつレンジでチンしてね」

「オッケー」

「ちゃんと勉強するのよ」

「分かってるよ」


「来年大学受験なのよ」

「分かってるって。それなら良いけどあんた最近元気ないわよ。何かあったの?」

「えっ?何もないよ」

「親にも言えないこと?」

「だから何も無いって」

「そう。それなら良いわ。それじゃ私言ってくるから」

「うん」

「もしかしてあんた、私が勉強勉強って言うからプレッシャーかかってるの?」

「だから関係ないって」

「そう。でもこれだけは聞いて。私はあんたが大学行こうと行かまいと本当はどっちでも良いと思ってるのよ。あんたの人生はあんたが決めることだし。私は息子を縛り付けるつもりはないわ。あんたを信じてるし」

「分かってるって」

「そう、それなら良いんだけど」

「いってらっしゃい」

「あっ、もしかして彼女に振られたとか?」

「ひつこいよ。そんなことないから」

「そう。でも…」

「時間やばいんじゃない?」

「やばい。私、行くわ」

「はいはい」

「分かった。もしかしてあんた学校でいじめられてるとか?」



「だからひつこいって、親父~」 




               了


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