晴&直 楽しいね♪ part2

晴&直 楽しいね♪ part2

H21年日本自閉症スペクトラム学会



快適な暮らしをめざして
―双子の自閉症スペクトラム児とその家族―

キーワード「コミュニケーション」「構造化」「自立課題」「余暇」

→スライド<はじめに>

私は********養護学校に通う子どもたちの保護者です。宜しくお願いします。
子どもたちは小学部4年生の双子の男の子たちで、二人とも自閉症スペクトラムです。
兄が中度・弟が重度の知的障害を伴っています。
二卵性の双子ということもあるのでしょうか、二人は体格・性格・特徴・発達と全てが違います。
それでなくても、生きにくいなぁと感じていると思う上に二人の異なる自閉症児が同じ屋根の下で暮らしているので、家庭内での工夫が必然的に必要になってきますし、私たち親も少しでも子どもたちのストレスが減るよう、また自立に向けて支援していきたいと思っています。
私たちはとても恵まれていて周りにはたくさんの支援者がいます。
いつでも相談ができアドバイスをもらったり教えてもらうことができる環境にあり、とても感謝をしています。

→スライド<PECS>

子どもたちが3歳の時自閉症と診断されました。
当時は言葉が通じず、多動も激しく、思いを人に伝える手段がなく、人に対しても関心が無いに等しい状態でした。
そのときに絵カードなどを使ってコミュニケーションをとる方法を教わり、これからどうやって生きていけばいいのかオロオロしていた時だったので、わらをもつかむ思いで始めました。
6歳の時にPECSの教育方針を知り、子どもたちにはピッタリだと思い、特に発語の無かった弟を中心に家庭でも取り入れました。
PECSでは要求だけでなく、援助を求めたり、コメントをすることも学んでいます。
スムーズに要求が伝えられるようになった頃から笑顔が増え、私の顔を見てにっこりしてくれるようになりました。
8歳半から言葉が出始め、9歳の今では要求時に「**・ください。」と2語文で伝えられるようになりました。。
言葉で伝えられるようになって今一番感じていることは、言葉が出るようになるまでに、人とコミュニケーションをとる方法を身につけることができていて良かった、ということです。
言葉は発声したらよいというものではなく、人に向かってこそコミュニケーションが成立するものだと改めて感じています。
自分が困った時に「手伝って」と、周りの人にスムーズに手助けを求めることができるようになり、かなりストレスが解消され、便利になったと感じているのではないかと思っています。
子どもたちは人に関心がなく見向きもしてくれずさみしい気持ちでいっぱいでしたが、人に思いを伝えることができるようになって、人と関わることの大切さや楽しさなどを感じるようになり、今では学校の先生、家に来てくれるヘルパーさん、親らと自ら関わることを楽しむようになってきています。
このあとのビデオは弟の方です。
8歳半頃で「手伝って」とカードを使いながら言葉で伝えているところです。
今ではカードを使うことはなく言葉だけで伝えています。
続けて、9歳の始めに撮ったもので、属性語を使う練習をしています。
カードにない物はひらがなの文字カードを使って伝えたり、知らない物の名前を教えたりすることにも使ったりしています。

→ビデオ
→スライド<自立課題(ワークシステム)>

子どもたちは気が散りやすく、自分一人でできることが少なく絶えず支援者が横にいるという状態でした。自ら見通しを持って行動することができるように家の中を構造化し、スケジュールを提示、自身で操作できるように取り組んでいます。自立課題を行う場所には各々の発達に合ったワークシステムを導入し、課題が提供できるよう努力していますが、子どもたちは日々成長していくので難しい所でもあります。
課題に取り組む時間は、平日に一日一回で兄は15分、弟は5分くらいです。
ヘルパーさんが来てくれる日は課題の後の外遊びを楽しみにしています。
その時のビデオです。
二人の絵の絵カードの課題は大人と一緒にする課題で、色や昆虫の絵カードの課題は自立課題です。

→晴ビデオ→直ビデオ
→スライド

構造化をしたことで子どもたち自身で理解し、各々に合った課題を提供することで自分一人で見て判断、始めから終りまで課題をやりきることができるようになってきました。
見通しが持てて落ち着いて過ごすことができるようになり、今では自身で予定を決めたり家族の者と交渉をしたりすることができるようになりました。

→スライド<余暇>

子どもたちは9歳半頃から、各々で時間を過ごしていることが増えてきました。
一人でどのように過ごすのか不安もありましたが、そうゆう時期なのかもと4年生になる前の春休み直前に兄と弟の部屋を作りました。まだお互いの部屋を出たり入ったりしていますが、一人になりたい時にはいつでもなれる場所が確保でき良かったと思っています。
賑やかな兄は存分に活動ができ、静かな環境を好む弟は安心して過ごせるようになりました。
兄はゲームで遊んでいることが多く、弟はお気に入りのおもちゃやパソコンで遊んでいることが多いです。最近では部屋をのぞいたり入ったりすると、出て行くよう押し返されることもよくあります。子どもたちが各々の部屋ですごしている間、まだ少しですが親だけで過ごせる時間も持てるようになってきました。

次の画像は、兄と弟の部屋の写真と短いのですが弟が部屋で過ごしている時のビデオです。

→ビデオ
→スライド<最後に>

私たちは、毎日の生活を支えてくれている学校の先生方や家に来てくれるヘルパーさんなどと連携が取れていることで、子どもたちはもちろんのこと、親の私もとても落ち着いて過ごすことができるようになりました。私に関しては大好きな手芸の趣味をまた始めることができて、楽しんでいます。
親も子も安心して心地よく暮らしていけるようになったことが、子どもたちの発達を促しているのではないかと感じています。

→スライド<ご静聴ありがとうございました>

これからも子どもたちの笑顔が増えていってくれることを願って、今できることをしていきたいと思っています。
今日はこのような機会を与えて頂きありがとうございました。

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