人生楽ありゃ苦もあるさ

人生楽ありゃ苦もあるさ

心に残る結婚前の3つの小さな出来事


 まだ、付き合い初めの頃。週末は必ず、彼の住む横田基地へいき、月曜日はそこから、都内の会社へ出勤するって生活していたときのこと。彼は、平日休みのときもあって、月曜の朝、私がばたばた出勤準備にとりかかってシャワーを浴びてる間に、なんと、サンドイッチのランチボックスを何度も作ってくれたことがあるのだ。彼は、”朝ご飯食べるひまなさそうだから、お昼まで、お腹ももたないと思ったら、会社の中のどっかで、こっそりたべるといいよ。ランチにしてもいいしね’って手渡してくれたのよ。私は、彼がなにか、つくれるってことにも関心したけど、やっぱ、それより、私がお腹すかしたら、かわいそうって思ってくれた気持ちに感動したねー。
 その後、2つ目の出来事は、付き合いはじめて、やはり間もない頃、彼のお父さん、お母さんが日本へやってきたの。やっぱ、BFの両親に会うのは、緊張するものよね。でも、彼等も、すごくいい人達で、私を最初から受け入れてくれ、日本にいる間中、私のことも、含めて毎日、家族の時間を大事にすごしたわけ。で、楽しかった2週間はあっという間にすぎて、さて、彼の両親がアメリカへ帰ることになったときのこと。私は散々、仕事が忙しく、いつもそのころは、8時以降でないと、会社から帰れない状態だったので買い物へ行く時間もなかなかみつからなかったの。お父さん、お母さんにいつも、いつも、おごってもらったお礼に、なにか、日本のお土産を買って渡したかったのに。でも、ぐずぐずして、時間がとれないうちに、彼等はアメリカへ帰えちゃったのよ。で、私が、”あー、あー。私が、ぐずぐずしてお土産渡せないうちに、かえちゃったね。なんか、あんなに、よくしてもらったのに、悪いことしちゃったなー。”っていうと、彼が、’大じょぶ。君の気持ちは十分、分かっていたので、僕が彼等に、ゆかた買ってあげて、君からのプレゼントってことで、渡しておいたよ。もちろん、お父さん、お母さんは大喜びだったよ。君からの、気持ちってことでね。”って片目で、ウィンクしてみせ、こういったのだよん。もー、なんて気のつく性格かって、ほんと、またまた感動したねー。
 それから、最後の3つ目は、はじめて、彼が私をNYに連れて行ってくれたときね、彼の昔住んでいた家や、彼の親戚や友だちを紹介してくれたときのこと。’僕には、92歳と93歳になる大叔母さんが二人クィーンズに住んでいるんだ。いまは、一人は杖なしには、歩けなくて、もう一人は、ベットにねてなくてはいけないことが多いほど体が弱ってるんだ。だから、レストラン等には、招待できないのだけど、いまから、家へたずねていきたいんだ。NYきたときには、時間を見つけてたちよるように、してるんだ。いいい?”って聞いてきたので、私も、もちろんっと、返事して、二人で訪ねたの。小さいながらも、素敵なお家に、その大叔母さんたちは住んでいて、ホームヘルパーの女性と、杖をつきながら、とても、ちいさいおばあさんが出てきたの。長身の彼は床に膝をついて、おばあさんの手の甲にキスをすると、花束を渡して、”へぃ、レィディ、元気だったかい’っとやさしく、だきしめたの。おばあさんも、’あらー、よくきたね。うれしいよ。”なんていいながら、にこにこ。半分不思議そうに、私の方をみて、"中へおはいり”ってそいで、もうひとり、ベットに寝ている、おばあさんのとこへ、いったの。彼女にも、花束を渡し、キスをして、彼はいろんな話をはじめたの。彼の大好きな日本のこと。日本人について、私との出会い、そして、仕事のこと。二人のおばあさんと、楽しそうに語らってたの。そして、話をしてる間中、彼はベットに寝てる、おばあさんの、髪をくしで、といてあげ、もう片方の手で彼女の手をずっと握り締めていたの。気分はいいかと、たまに、確認して、なにか、飲み物はほしくないか、食べ物はいらないか、等いろんな事に気をくばっていたね。私は、そのときおもったよ。この人のやさしさは、本物だなーってね。けっして、かっこつけて、やってるんじゃなく、人にみせつけようとしてるんでも、なく、これが彼の自然なやさしさなんだーってね。
そして、大叔母さん達にまたね、って挨拶して、帰るときの、さみしそうな
彼の姿。彼は、”もう、この彼女達、92と93歳でしょ。ずーっと長生きしてもらいたいけど、もう、こんな年だしね。だから、会えるときは、会って、うーんと、思い出つくっておきたいんだ。あとで、ああしときゃよかったって後悔しないようにね。”っていったの。そして、私にも、’若い人達のなかには、変に年寄りをばかにしたり、くさいとか、汚いとか、思う人達もいるよね。君が、私を、こんな年寄りのとこに、つれきて!不愉快だわ!なんて、いやな気持ちしてないといいけどね。大じょぶだった?”なんて、聞いてきたので、”私の事理解してるなら、そんな事、きかなくても、大丈夫よ。ね。”と答えたのよ。なんか、小さい3つの出来事だけど、こんな日常体験を含めて、この彼となら、結婚しても、理解しあって、思いやりあって生きていくことができそうだなって、感じたよ。 うんうん。

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