イランは厳しい



イランは、その国土の三分の二以上が土漠であった。荒涼とした土と瓦礫の大地のほんの僅かの地域に水が湧き出している。そこがオアシスであり、人間の住める町や村です。

これまでの日記で書いてきたように、この地の自然は厳しい。
冬は私にとってはまだましな方である。気温が氷点下になり、雪も降るとは言え、日本のように木枯らしが吹かないので凌げる。

より厳しいのは夏でしょう。灼熱と呼ぶにふさわしいかの高温。カラカラできわめて埃っぽいのです。

先にお断りしてさせて頂きますが、これからの話はあまり綺麗とはいえませんので悪しからずご了承下さい。

埃っぽいので、吸い込んだ埃を追い出そうと鼻汁が出るのでしょう。流れ出てこないので、あくまで「でしょう」なんですネ。
そこでです。カラカラ故に、鼻の奥に出てきたところですぐに干からびるものと思われます。

わが鼻の奥では、かくかようにに死闘が演じられているらしいのです。鼻汁が出る、干からびる。また出て干からびると。
今や、私の大して高くも大きくもない鼻は、干からびた鼻くそがこびり付き満杯、窒息寸前、口での呼吸を余儀なくされております。

そればかりでなく、そのような湿り気のない頑強な代物を蓄えなれていない私の鼻は、痛みすら覚えだすのです。静かに呼吸している時でさえヒリヒリと。何かの拍子に手などが、鼻に触れようものならズキン!とばかりになのですネ。

こうした場合、皆さんご注意下さい。

むやみに、チーン!なんて鼻をかんだり、ましてや指などを用いて鼻くそを「ほじる」などという、無謀な行為にはくれぐれも及ばないで欲しいのです。よろし御座いますか。

イランの夏に製造されるこの頑固極まりない妖怪は、鼻の粘膜を死んでも放しはしないのです。従って、鼻の粘膜の方があなたの鼻から引き剥がされてしまう結果となってしまうでしょう。
要するに、おびただしい鼻血に見舞われてしまいます。

そこで、私の編み出した対処法をお教えいたします。
まず、ぬるめの湯で風呂を満たしてください。湯が張れましたら、なるだけ服は脱いでお風呂に浸かって下さい。
身体を出来るだけ沈めて、鼻が浸かるか浸からないかの位置にてゆっくりとお風呂を楽しんで下さいネ。呼吸は深く、鼻からですヨ。

ほら、ぬるめといったでしょ!

いつもの温度ではのぼせちゃうんですヨ。
1時間位チャポチャポして頂いたら、恐る恐る鼻に水を入れながら、フゥーンとなさるがよろしかろうと思われます。
この時も、決してチーンだけはお避け下さいませ。しかも、潔癖主義、完ぺき主義が頭をもたげようとしたら、死力を尽くして押さえ込んで下さい。

このように、イランの夏は厳しいのです。お解りいただけましたでしょうか。



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