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よい獣医さんとは?相川先生編

参考文献:【よい獣医さんはどこにいる(坂本徹也著)】より

相川 武先生(相川動物医療センター)
日本獣医畜産大学を出て、都内の動物病院に3年間勤務。普通ならそこでやめて開業の
準備に入る人が多いのだが、彼はアメリカに渡る事に決めていた。彼がまだ大学の3年生
だった頃、日獣大には鷲巣 誠・鷲巣月美両先生や、石田卓夫先生といった人達が続々と
アメリカから帰ってきていて、若い相川先生はそうした人達の話に大きなインパクトを
受けたのだ。アメリカの獣医学が世界でも最高レベルにあるという事は知っていたが、
アメリカ帰りの先生達の話を聞くたびに、その漠然とした興味は自分自身で体験して
みたいという強い欲求へと変わっていった。腎臓の移植・股関節の置換・椎間板ヘルニアの
手術…、本当にそんな事が出来るのだろうか?彼は外科、中でも循環器や神経科に興味が
あり、その臨床の最先端をアメリカで自分で確かめてみたかった。(中略)
      ↓
アメリカに渡った相川先生は、外科手術の助手的な事をしながら実習をやるという事を
半年間続けた後、面接を受け、ノースキャロライナ州立大学の大学病院からインターンと
しての入学許可をもらうことに成功する。それだけでも凄いことだが、彼が本当にやりたい
のはインターンではなくて、その上のレジデント、それも外科のレジデントだった。
インターンは医療行為に携わる事は出来ても、直接手術する事が出来ない。それでは来た
意味が無い。そこで彼は、インターンを1年間やってまた次の年にノースキャロライナ大学の
神経外科のレジデントの試験を受け、それをみごと突破した。(中略)
      ↓
「そこでレジデントとして1年間、大学の神経外科の症例をほぼ全部受け持つかたちに
なりました。神経外科というのは脊髄とか脳の疾患が全てなんですが、ずーっとそれ
ばかりで、しかも日本の大学とは症例の数が格段に違う。アメリカでは犬の数がおよそ
日本の10倍~15倍ですから。それに向こうは専門医制度が確立しているので、専門治療を
必要とする症例が1ヵ所に集まる。ですから日本に帰ってきてからやっている数の30倍~
40倍はやりました。」(中略)外科全般をやりたかった彼は、ノースキャロライナ大学に
身を置きながら、カリフォルニア州立大学の試験を受けて合格。今度は軟部外科と整形外科の
レジデントとしてカリフォルニアに移る。「そこには1年半いました。外科というのは
神経外科を除くそれ以外の外科全般ということで、腎臓の移植とか肺の疾患とかをやりました。
腎臓移植では、猫の成功率が高いですね。全米でもカリフォルニア大が唯一やっていたん
ですけど、患者がヨーロッパから来たりしてかなりの反響がありました。もちろん移植には
ドナーが必要なんですが、健康な猫から腎臓を1個もらっても命には影響しないんですね。
それにそこでは、その腎臓を提供した方の猫は、もらった方の飼い主さんが引き取る事に
なってるんです。ドナーの調達はどうするかというと、捨て猫とか飼い主のいない猫の中から
テストをして条件が合う子を探し出し、臓器提供者として大学が蓄えているんです。で、
腎臓移植が必用な猫が来たら、その子に合うドナーを探し出して移植をして両方とも
飼い主さんに引き取ってもらうというシステムですね。」このシステムは最近麻生大学でも
取り入れられ、同大学の渡邊俊文先生がいくつもの成功例を発表するまでになっている。
(中略) ↓
彼は今、20件ぐらいの病院を回って、難度の高い手術を請け負うという仕事をやった後に
2000年8月に新宿区で開業していた。「アメリカで学んできたという先生は、僕が
知るだけでも60人はいます。そういう人達が広く行き渡ってイニシアチブを取るような
時代が来れば、獣医界も変わっていくはずですよ。」彼は、自分に出来ないことは専門医に
回すというシステムの必要性を、獣医さんだけじゃなく飼い主にも知ってほしいという。
一般の動物病院にはやはり限界があるのだ。


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