☆小説もどき?!2☆

不思議な家


昔からある小さな家、そこはみんな怖がって誰も近付かない場所。
人々は、“幽霊屋敷・悪魔の家”と呼んで毛嫌いする。

「陸ちゃん、お隣のお家には近づいちゃダメよ!!」ママはいつもそう言う。
まだ、5歳になったばかりの陸ちゃんにとってはどんな所なのか、不思議で
いつも興味津々で自分の家から、ずっと隣の家の方を眺めていた。

ある日、陸ちゃんはいつものように隣の家の方を眺めていた。
ふと、窓に目をやると何かが動いている?
“あれ?ママは誰も住んでないって言っていたのに・・。変だな・・。”
「ママー!!隣のお家に誰かいるよー?」「・・・」ママから返事がない。
「あれ?ママどこにいるんだろう?」それでも隣の家から目を離すことが出来ない。
すると、家にいるはずのママが隣の家に入ろうとしている。
“ママ?!近くにいっちゃダメって言っていたのに、どうしたんだろう?”
陸ちゃんは思わずママを追いかけようと慌てて走り出して、近付いてはいけないと
言われていた、隣の家に入ってしまった。

そして、ママが入っていったと思われる玄関に近付いていって、
半開きになった扉の中をそーっと覗いてみる。埃とカビの臭いが鼻につく。
正面には大きな階段、そして二手に螺旋状になっている階段の間にある大きな鏡が見えた。
「ママ、いるの?」小さな声で呼んでみるが何の返事もない。
入ってはいけない。そう言われた言葉が蘇る、それと同時に入ってみたいという
好奇心も湧いてくる。“少しだけ・・・。”好奇心に負けた陸ちゃんは扉の隙間から入った。

しーんと静まり返った空間。“まるで時間が止まっているみたいだ”陸ちゃんは思った。
ドキドキしながら、足音を立てないように静かに歩く、別に誰がいるわけでもない
のだから、普通に歩いてもいいのに静かに歩いていた。
「ママ、どこにいるの?」「・・・××・・・」聞き取れないが、何か声が聞こえた気がした。
「ママなの?どこ?出てきてよ!!」陸ちゃんは大きな声で呼んだ。
「・・ココよ・・早く来て・・」声はするが姿が見えない。辺りをきょろきょろと探す。

すると、先程目に入った大きな鏡に何かが映っている。
陸ちゃんは階段を一歩一歩少し怖がりながらも上がっていく。
段々と映っている姿がはっきり見えてきた。
“ママじゃない?!・・でも、優しそうなお姉ちゃんだ。”「お姉ちゃん誰?ここのお家の人なの?」
「ママ知らない?」優しそうなお姉ちゃんの姿を見てホッとしたのか口早に質問した。
“でも、何か変だ・・。”子供心に陸ちゃんは思った。
「あっ!お姉ちゃん・・・鏡の中に?」陸ちゃんは思わず叫んでしまった。
お姉ちゃんは優しい顔で「そうよ、ママもこの中にいるの。陸ちゃんも早くおいで。」
「え?ママもそこにいるの?」陸ちゃんは奇妙な光景にパニックしているようだ。
「そう・・だから、早くこっちにおいで。おいしいお菓子もいっぱいあるよ。」
陸ちゃんはお姉ちゃんの優しい笑みにつられるように、階段を上り鏡の前に立った。
「どうやって入るの?」陸ちゃんは不思議そうに言う。
「手を出して、鏡に手をつくようにしてみて。」相変わらず変わらない優しい笑みで言う。
ドキドキしながらそーっと手を伸ばし鏡に手をつこうとする。
「あっ!!うわゎゎ!」体が吸い込まれるように鏡をすり抜けた。
バタン!陸ちゃんは勢い余って倒れ込んでしまった。「いてて・・」

鏡の中に入った事を確認した陸ちゃんはきょろきょろと周りを見渡す。
普通の部屋と変わらない。明るくて綺麗な部屋だ。「ココが鏡の中?」半信半疑の様子。
お菓子のいい匂いがしてきた。「クッキー焼けたよ。食べる?」
お姉ちゃんがクッキーを差し出してきた。ちょっと不安に思いながら陸ちゃんは一口食べてみた。
「おいしい!!」陸ちゃんは嬉しそうに食べている。「ジュースもあるよ。」
おいしそうなオレンジジュースが目の前に出された。
さっきのクッキーで安心したのか、安心したように飲み始めた。
ママは誰も住んでいないと言っていたのに、実際にはこんなに優しいお姉さんが目の前にいる。
不思議に思うのは無理もない。鏡の中ということがなければ・・・。
まだ、パニックしているのか、忘れているのか、ママの事を聞かない。

「お姉ちゃんはいつからココにいるの?引っ越してきたの?」
「ふふ、知りたい?こっちの部屋においで写真見せてあげる。」
そう言って手招きをした。陸ちゃんは何の迷いもなくついて行く。
招かれたのは、お姉ちゃんの部屋と思われる場所だった。
綺麗に掃除もしてあって、柔らかそうなベッド・綺麗な花。
どう見ても引っ越して来たばかりには見えなかった。
「ほら、早くこっちに来て座って。」お姉ちゃんはベッドの上に座るように言った。
「うん。」陸ちゃんは、ベッドをよじ登るように上がった。
そして、ベッドの上は想像以上に柔らかく体がふわんっと沈んだ。
それと同時に陸ちゃんは急に眠くなってしまった。
「お姉ちゃん・・何か・・眠・・くな・・。」
そして陸ちゃんはそのままストンと眠りに落ちてしまった。
「陸ちゃん、お姉ちゃんと一緒に遊ぼうね。」
優しい笑みを浮かべたまま陸ちゃんを愛しそう眺めながら言った。



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