「てなもんや」総集編



「ちょんまげ」に続く mikazukiノンフィクション劇場第3弾!

『てなもんや』

皆さん「てなもんや」という言葉を聞いて何を連想されますか?

そうです。

「てなもんや」とくれば「三度笠」です。

「てなもんや三度笠」を思い浮かべれば、

おめでとうございます。

貴方はもう立派な中年です。


なんですって?

「てなもんや三度笠」を知らない?

あっ、そうかずいぶん昔のテレビ番組だから「てなもんや三度笠」を知らない貴方、きっとその時あなたはまだ宇宙を漂っていたのでしょう。

スターマンのように・・・。




さて、前回の「mikazukiノンフィクション劇場」第2弾の『ちょんまげ事件』をお読みになった方はきっと覚えておられるでしょう。気になるあの人を・・・。


そうです。

あの裏切り者の、大ばか者で、おまけに厚かましい義兄のキャラを。


今回はこの義兄が主人公です。

義兄は建築関係の職人さんをやっています。

特殊な技能なので、かなり広範囲に渡って出張します。

ほとんど毎日出張です。

職人さんですから、無口です。

まあ、寡黙な人とでもいっておきましょう。

とにかく口数が少ないんです。

ところがこの義兄、たまーに、ぽつりと話をするのです。

それも、現在のシチュエーションとはなんの脈絡もない話を。

突然突拍子もない言葉が飛び出てくるのです。

義兄 「あれーなぁ・・・」

これを聞く度に私の心臓はバッコンバッコンしてしまうのです。

何故バッコンバッコンするかというと私はこの人の恐ろしさを知っているからです。

普段は気の短いmikazukiもこの人にはかないません。

ひたすら我慢です。

普段はおとなしい義兄。

だが、いったん彼を怒らせると、もうそれは大変なことになるのです。

今でこそ、おとなしいおじさんになっているこの義兄。

だが、かつては街のチンピラ数人を相手に喧嘩して、挙句のはてにそのチンピラのひとりの腕をへしおったのです。

なんと素手で!!

まあ、私に言わせれば義兄に、いちゃもんをつけたチンピラは自業自得なんですが・・・。

それにしても人間の腕をへしおるくらいの怪力の持ち主なのです。

この怪力は1年に1回くらい役に立ちます。

たとえばリンゴを素手でまっぷたつに割ることができます。

電話帳やぶりなどはもちろん朝飯前です。

この 「リンゴ素手割り」 は彼自信も自慢に思っていて、リンゴがあるとすぐにその芸当を披露したがります。

包丁があるっちゅうのに。

だいたい家族はもうそんなこと、周知の事実です。

それでもやりたがる。

力もち




毎朝、早朝から出かける職人さんと、夜型の私は、普段あまり顔をあわせることがありません。

幸いなことに 生活時間帯が全く違うから。

ある日の夕方、久しぶりにこの義兄と顔を合わせた。

そしてそれは始まった。

義兄「あれーなぁ・・・」

私、かたまる。

義兄「今日の現場なぁー、」

2秒間の空白。

義兄「てなもんやー、やってん」

私「えっ!」

と言いながら心の中で、てなもんや?

てなもんやといえば三度笠、「てなもんや三度笠」?

えー? なに?

今日の現場は「てなもん屋」っていうお店の名前?

それって一体なに屋さんなの?

私は恐る恐る尋ねた。

「『てなもん屋』って言う名前のお店?」

義兄 「いや、違う!」

と言いながら首を横に振る。

(ったくー、はよ言えよー!)

義兄はまだ続ける。

義兄「昼なー、てなもんや、やってん」

私「えー?」




義兄「3時のおやつにお菓子出してくれるところとか、時々あるんやけど、(← 知るかそんなこと! )今日のお昼なー てなもんや やってん」

と言いながら嬉しそうニヤニヤしている。

私「ふぅん・・・」(←なげやり)

義兄「天丼よっつと、カツ丼がよっつ、あってなー・・・。

俺は天丼やってんがな」

私「出前とってくれはったん?」

義兄 「そやがなー!」

と言いながらまだ嬉しそうにニヤニヤしている。


やっと謎が解けた。

当日、現場には8人職人さんが入っていて、施主さんが「お好きな方を」って天丼とカツ丼4人前ずつ出前の注文してくださったのです。

正解は 『てんやもん』 でした。

私「それはよかったね♪」(←あんたのお昼なんかどうでもいい、っちゅうに)

私「そしたらお弁当持っていかなくて良かったんだ♪」 (←婉曲表現:それならそうと先にゆっといてくれれば弁当作らなくてすんだのにー!  ←とは言っても弁当は姉が作るので私は関係ないけど・・・。 あしたは弁当いるの、いらないの?!どっち!!)

ところがさっきまでニヤニヤしてた兄の顔色がさっと変わった。

きゃー、こわい。

力もち




義兄「俺は天丼やってん」(ちょっとふくれてる。さすが末っ子)

私「えっ。天丼嫌いやった?」(←どうでもええ、っちゅうに)

義兄「いや、ちゃうねん」

私「ほな、 なんやのん? 」(←ちょっとイライラしてる)

義兄「ふっと、とって蓋あけたら天丼やってんがなー」

私「はぁん、たまたま取ったドンブリが天丼だったんやねぇー!」

義兄「うん」

読者の皆さん、もう嫌になってるでしょ。

我が家はこれが毎日なんですよ。

あの阪神大震災以来ずーーっと。

ちょっとは同情してくださいよ。

で、話をもとに戻します。

もう、ええ加減にしてくれー、って感じで私が結論を全部言ってしまうことにした。

私「今日の施主さん、出前とってくれはってんな。」
義兄「うん」

私「今日は職人さん全部で8人やってんな」
義兄「うん」

私「たまたま自分がとったのが天丼やってんな」
義兄「うん」

私「でもほんとはカツ丼食べたかったんやね」
義兄「うん」

私「ほたら誰かと取りかえっこしてもろたら、よかったのにー!」
義兄「いやー、それは・・・」

男4人兄弟の末っ子とはこういうものなのだろうか。

会話はまるで幼稚園児並みである。

ほんと情けない。

この話はこれで終わりだと、ほっとしたところへ
突然・・・。




と突然、

義兄「 うどん付き やってん♪」

「なにぃー!!!
そのうどんは小さいうどんか?
それとも普通の1人前のうどんか、どっちやー!!」

私は完全にぶっちぎれた。

私「全員うどん、1人前ずつあったんか?

ほたら、最初に言えよー!!」

私「今日の施主さんはドンブリとうどんを一人ひとつずつ、っちゅうことは
全員 2人前ずつ 食べたんやなぁぁ!!」

義兄「うん」

私(ふんぞりかえりながら)
「でっ、持っていった弁当は食べたんかい!?」

義兄「うん」

なんという胃袋の持ち主!!

いつものことながら、ビックリさせられる。

すき焼きなどでも、ほっといたら肉 3キロ を平気で食ってしまう義兄でした。

以上

お好み焼き8枚タイトル保持者

の義兄でした。

【おわり】



あー、しんどかった。

疲れる人やわ。いや、ほんま。



ホーム 戻 る 掲示板




© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: