milkかずのハ-ブ亭

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脳腫瘍闘病記その6



朝6時めざめ。
カーテンを開けると今日も良い1日となりそう、朝日がとても綺麗だった。よ~し頑張るぞ!と勇気と元気が沸いてきた。

明日の朝は又一段とパワーアップした私がきっといるはず!と信じてさあ頑張ろう♪

7時検温、血圧、サーチュレーションプローブと言うひとさし指の先にクリップみたいなものを挟んで血液中の酸素の量を調べる物をつけ、消毒用のシャンプーをして手術着に着替えシャンプーハットみたいなものをかぶって血栓予防の靴下を履き10時より点滴開始。そのままベットで手術室に移動。

家族とエレベーターのところで別れる際、父が今まで聞いた事のないような声で「頑張れよ~!」と言ってくれたのがわかった。

7階から3階の手術室に向う途中エレベーターや各室の扉を何度もくぐりようやく手術室に到着した。

そこはテレビドラマそのままで、静かな音楽が流れていてひんやりとした空気とカチャカチャと言う金属音がしていた。

手術台の上には凄い数のライト。私はベットの上から5~6人の人の手によって1段と高くて狭い手術台に仰向けに寝かされた。

すぐに昨日説明に来て下さった見覚えのある麻酔の医師が助手の人に薬品の名前を告げてN医師、W医師と数名のスタッフの方々が私の顔を確認しながら「さあ、がんばりましょうね!」と力強く声をかけて下さった。

いよいよ手術開始!

点滴とガス注入の合図が終わりその直後から程なく私の記憶は7時間ちょっとの間途絶えた。

「○○さ~ん!終わりましたよ~!」と言う声が遠くの方から聞こえてきて
「お母さん、終わったよ~!」と娘たちの声がしてきた。

ぼんやりと目を覚まして壁にかけてある大きな時計を見ると午後5時少し過ぎ。7時間近くの手術が無事に終了してそのままICU で長い長い夜を迎える事となった。

手術直後は一度家族と会話したものの、まだ頭に中は朦朧としていて家族が家に戻っていったと理解したもののそれから少しずつ記憶が戻ってきた。

いつの間にか手術着は水色の病院着に着替えさせられていてバスタオルがかけられていた。

心電図の音。自動血圧計のマンシェットの1時間おきの締め付け。右手の人差し指にはサーチュレーションプローブ。バルーンカテーテルをつけられ右手に
3本、左手に2本の点滴。そして酸素マスクとまったく身動き出来ない状態で
あとから考えるとこの時が1番大変だった気がする。


個室のICUでは専属の看護師さんが熱いタオルで何回も身体を拭いてくださり、着替えるたびに楽になっていった。

この時何度も、術後最も心配される合併症の1つである「髄液漏」の確認をされたが幸いにも漏れる事は無く安心した。

この液が漏れてくると髄膜炎となり重症化すると圧を調整するドレナージと言う処置が必要になる。術後出血で視野異常等が生じると再手術となる事もある。

10月17日(水)

8時にW医師回診。
結果は成功で、腫瘍も良性で柔らかくて97%摘出する事が出来ましたとの事で本当に良かった。
9時半レントゲン。CTを撮る為に1階に移動。再びICUに戻りCTの結果が良好であった為、お昼には7階の737号室に戻る事となる。

点滴2本と、バルーンカテーテルのみと言う身軽な格好になってとても楽になった。

昼食も「お粥ではなくて普通食で大丈夫でしょう!」と言う事になり「いきなりかよ~!」と思わずどこかのCMが頭の中をよぎったが、理性で口に出して言う事だけは押さえる事が出来てホッとした事を覚えている。

おっかなびっくり口にすると美味しかった。何とか3分の1ほど食べた。この状況で3分の1でも食べれた私は、やはりかなり精神的にも、肉体的にもこと食に対する情熱は半端じゃ無いってあらためて思い知った。これで痩せたいと思うのはあまりにも身勝手と言うものだろう!

その後バルーンカテーテルも抜け、早速歩行訓練開始!
やや腹部脂肪採取跡が気になるものの5センチの傷口が糊でとめてあってその上から専用のテープが貼ってある、これが又透明なので傷口はしっかり見えていて痛々しい!

これは大きくなった下垂体の腫瘍を採った空洞を埋める為のもので本人の脂肪を埋める事が1番良いとされている。しかし脂肪採取の際にちょっと多めに採って下さいとお願いしたところ美容整形ではありませんから、、、と言われちょっとがっかりした事を思い出し、それでも今回はこの手術で5キロは痩せたいと思う私がいて(笑)

もう少しお腹の脂肪が少ないならこの傷口も5センチじゃなくて3センチ位で済んだかもしれなかったのに、、、とまだあきらめきれずに思っていた。

結局4キロの減量のみで今回は終わった。

19時N大のN先生、S大のW医師が来て下さり明日からの指示と頑張った旨を褒めて下さるなり。


10月18日(木)

昨夜熱が出てアイスノン使用。
鼻を噛んではいけないと言われている為痰が絡んで息苦しくつらい夜となった.ほとんど眠れず朝、弟夫婦と娘が顔を見せてくれた。

弟も、今回何度も車で往復してくれて影ながら一杯応援してくれて、私が20歳で嫁いでからすでに30年近く経つのに協力できる間柄を持続出来ていて良かったと思った。

夕方17時半W医師回診。
月曜日眼科と耳鼻科を受診する旨言われた。



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