ブログ版 南堀江法律事務所

ブログ版 南堀江法律事務所

PR

Profile

やまうち27

やまうち27

Calendar

Archives

2024/09
2024/08
2024/07
2024/06
2024/05

Favorite Blog

Bar UKからのお知ら… うらんかんろさん

2008/08/01
XML
カテゴリ: 法律、制度
法曹人口問題について。3回目。


法曹人口増加論者の主張の大きな根拠の一つとして、弁護士にも競争原理を導入すべきだという論理がある。
競争が起こって市場原理が働けば、弁護士のサービスもよくなり、依頼するときのコストが下がるだろうということでしょう。

「弁護士が増えすぎると食うにも困るようになる」などとして増加に反対する弁護士に対しては、業界のエゴだとか、自らの収益を改善せよとか言った批判が向けられることが多い。

私自身としては、たしかに日本全体で見れば弁護士はまだ数が少ないと思うし、もう少し増やして競争させたほうがいいと思う。

当ブログでも何度か似たような話をしましたが、私は弁護士とはサービス業だと思っています。その私から見て、人間的にちょっとおかしいのではないかと思えるような、到底サービス業に向かなさそうな弁護士は割合多い。

何十年か前、もっともっと弁護士の数が少なかったころなら、「昔、司法試験に受かった」というだけで一生をエラそうに生きていくこともできたのかも知れませんが、私はそういう弁護士など仕事にあぶれてさっさと退場してくださればいいと思っています。

そういう意味で、ある程度は競争があってもよいと考えるのですが、それを強調しすぎると、明らかにおかしなことになりそうに思っています。


不採算事業として撤退が予想されるのはこういうものです。

半日間ほど拘束される、市役所などでの「無料市民法律相談」。
弁護士が受ける日当は1万円少々です(市からはもっと出ているけど弁護士会が「負担金」名目でピンハネしているらしい)。
弁護士なら、その時間帯に自分の事務所で通常の相談業務をしていれば、2~3万円の収益になる。ならば市民相談なんてやめようということになる。
こんな計算をするのは私自身イヤですけど、収益を改善するというのはこういうことでしょう。

刑事事件の容疑で逮捕された直後に弁護士が出動する「当番弁護士制度」。
これも同じように、拘束時間は長く、日当も1万円程度です。
これもヤメるという弁護士が増えれば、たとえば痴漢冤罪で警察に連行されても面会に来てくれる弁護士がいなくなる。

競争せよ、収益体質を改善せよ、と言われれば、現役の若手弁護士はいくらでもするでしょうけど、果たしてそれでよいかは疑問です。

この問題については次回もう少し書きます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008/08/01 01:41:37 PM
[法律、制度] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: