ねぼすけの読書感想日記

ねぼすけの読書感想日記

2010.12.26
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カテゴリ: 書評


訳 者=野中香方子、解説=高槻成紀
書 名=捕食者なき世界
原 題=Where the wild things were 
    Life, Death, and Ecological Wreckage in a Land of Vanishing Predators
発行所=文藝春秋
発行年=2010.9
評 価=★★★★☆



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原題は、映画「かいじゅうたちのいるところ」(Where the Wild Things Are)のパクリのようだが、内容はいたって正統な科学ノンフィクションである。要は、自然界では食物連鎖の頂点に位置する捕食者が中間生物の無秩序な増加を抑制することによって、生態系全体を維持しかつ生物多様性を育んでいるという論旨である。引いては、史上最強の捕食者である人類が多くの大型捕食動物を絶滅においやったことで、地球規模の生物多様性の減少が引き起こされていると主張する本である。

エドワード・O・ウィルソン「生命の未来」 でいう「生物多様性の維持が地球環境を救う」という主張とは違い、生物多様性を維持するためにはどうすべきかが明確(=頂点捕食者を取り戻すこと)なため反発も少ない。生態系のバランスを人為的に崩すと思いがけない悪影響が出ることはそのとおりだろう。ただ、2010年10月に名古屋であった生物多様性条約COP10が、さほど盛り上がることもなく・社会生活に何の影響もない状況であることに示されているように、生物多様性保全は重要だろうけど・どうでもいいよ感が漂うのは日本だけではないと思う。そういう意味で、生物多様性保全に対する一つの意見の軸を持てる本書は、結構良書であるように思える。






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Last updated  2010.12.26 14:08:41 コメントを書く
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