「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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44話:YOU
「はい。今は“休止中”です」
モニターの向こうの男は表情を変えずに言う。薄暗い部屋で男はタバコを大きくふかした。
「まさか捕獲できるとはな・・・。“F”の観察を続けろ。場合によってはアレの使用も許可する」
「了解です」
モニターがぷつりと切れた。男は立ち上がるといつものようにその部屋を出た。薄暗い廊下。足元を照らす僅かな光と、天井からオレンジの光が等間隔で輝いている。突き当りの厳重にロックが掛かった部屋のロックを解除して中に入った。そこには、10メートルほどの黒いプレートが中に浮かび、回路が輝いていた。
「・・・どうだ?」
男はそのプレートに向って話しかけた。プレートは人間味のある声で返してくる。
「職務とは退屈なものだな」
「まあ、政治とはそういうものだ。いい隠れ蓑になる」
そのプレートがため息交じりに言っているように聞こえた。煙を吐くと男はふっと笑う。携帯用の灰皿にタバコを入れた。
「“F”が還ってきたのか?」
「これだ・・・」
男はプレートから離れると、そばに設置されているコンピューターに腰掛けた。6つのモニターが並び、ものすごくキーの多いキーボードを弾いた。スーツの内ポケットからディスクを挿入してそれを表示し、プレートに送った。
「それに、これがデータだ」
「戦績・・・?傭兵のものだな」
送られたデータはレッシュが傭兵となって部隊長になってからのデータだった。レッド・バードのデータや、戦闘記録、その他に至る事まで事細かに調べてあった。
「“彼女”か?」
「“あの女”の娘だからな。・・・だが、この女には気をつけろ」
そう言って黒服の男は顔を上げた。モニターに表示されたのは貴子だった。
「桐生 貴子。伝説のハッカー。7年前に“ブラック・アウト”を起こした」
「そうだ。ここに侵入しようとした形跡が最近見られた」
プレートは回路を光らせた。血液が流れているように見える光が緑色からオレンジに変わる。彼女が“F”の配下の者だということをそのデータからプレートは知った。
「そう言えば誰かが入ろうとしていたな」
「だが、この女は“ダミー・プログラム”に掛かった。偽の情報を送った」
再びキーボードを弾くと男はそのダミー・プログラムを起動させた。そこにあるデータがモニターに表示される。“EVE-project”と表示されたそれは貴子が入手した映像だった。真ん中でレッシュに似た人物が笑う。
「それもこれも、“F”が還ってきた今となっては意味を成さないが」
男は椅子から立ち上がると、プレートに歩み寄った。
「計画は狂わない」
「当たり前だ。“楽園”を完成させる」
プレートの光が緑色に戻った。男はプレートを見上げて言った。
「そうだな・・・“エデン”」
戦艦の廊下で桜は壁にもたれかかっていた。頭をコツンと壁に当てて、“その”部屋を見た。レッシュが眠っている部屋だ。桜はまだ入室許可を得ていない。
「・・・レッシュ」
小さく呟くと桜は目を閉じた。この扉の向こうには彼がいる。彼には聞きたいことが山ほどあった。その時、扉が開いて白衣の医務班の3人が出てきた。桜は3人に駆け寄る。
「レッシュは!?」
「・・・今は眠ってます」
桜は息を呑んで一呼吸置いて聞いた。
「・・・会っても・・・いい?」
「刺激を与えないで下さい。貴重な“サンプル”ですから」
医務班の男性の“サンプル”という言葉に桜の胸が痛む。
「・・・ありがと」
ぎこちなく笑って、桜はその部屋に入った。そこには追いかけ続けた彼があの時のままの姿で横たわっていた。熱いものがこみ上げ、桜は涙を流した。
「あなた・・・やっと逢えた」
「・・・悪ぃな、俺のせいで」
「違います!翼さんのせいじゃないです!・・・私がもっと早く・・・」
申し訳なさそうにする翼に優美は首を横に振った。きっと今はレッシュのことが心配で心配で胸が張り裂けそうなのを必死に堪えているだろう。顔を見ればわかる。翼はそんな優美を見てはいられない。優美を自分のせいで悲しませるとレッシュに何も言えないからだ。傷ついたブラック・バードを見上げて翼は言った。
「コイツが直ったら、速攻でレッシュを奪い返しに行く。・・・それでいいか?」
「はい」
そう言って優美は翼に笑顔を見せた。無理していることはすぐに分かる。そんな優美を翼は抱き寄せた。
「・・・翼さん!?」
「悪い・・・俺のせいでレッシュが・・・」
「だから・・・翼さんは・・・」
低い声で翼は言った。「翼さんのせいじゃない、私を守ろうとして」と言おうとしたとき翼の言葉がそれを遮った。優美と体を離して翼は屈んで視線を合わせた。あの時何も出来なかった自分に腹が立った。ブラック・バードの性能アップに喜んでいい気になっていたのかもしれない。
「無理すんじゃねぇよ」
「え?」
「そうやって強がっても・・・俺のせいだって言えば楽になるだろ?」
悲しい目をする翼に優美は強い言葉で言った。
「いい加減にしてください!!」
「・・・な!?」
「翼さんがそんなんでいいんですか!?・・・私の知ってる翼さんはもっと強い人だった・・・3年のうちに弱くなったんですか?」
震える声で優美は言った。その目には涙が浮かんでいる。
「翼さんは、自信たっぷりで、強気で・・・強くて・・・今の翼さんは・・・私の知ってる翼さんじゃない!!」
その言葉に翼は胸を貫かれた感じがする。ふっと笑って、泣き出した優美に向かって言った。
「ああ・・・そうだな。こんなの俺らしくねぇか」
黙って優美は頷いた。翼は立ち上がってポキポキ指を鳴らした。いつまでもめそめそしているのは自分らしくない。
「ありがとな」
「へ?」
「レッシュは絶対にお前に返してやるよ」
「な!?」
歯を見せて笑う翼に優美は赤くなった。だが、いつもの優美の知っている翼に戻って笑顔を見せた。いつもの強気な目つきで翼は言った。
「だから、力を貸してくれ、優美」
「はい!」
涙をぬぐって力強く優美は返事をした。
「どうすんのよ!?このままじゃヤバいって!」
「わかってるわよ!」
パニくるクルスをミコが制したが、ミコ本人も動揺の色を隠せない。レッシュが不在という事態、そして、そのレッシュが“敵”の手に落ちたということは非常に危険な事態だ。
「どうだね?場所は割り出せたかな?」
ブリッツェンはコンピューターに向かう貴子と友子に聞いた。最初に貴子が振り返って、ジア・エータブリッジの大型モニターにレッド・バードの現在地予測を出した。
「レッド・バードの活動は停止しています。そのため、EVEの信号を元に現在地の特定をしました・・・このエリアの中に確実にいます」
大型のモニターの表示された地図に赤い円が表示された。その中のどこかにレッド・バード、つまりEVEがいる。レッシュがレッド・バードごと奪われてからまだ時間が経ってない。レッド・バードの側にレッシュがいる可能性が高いと考えられていた。続いて友子が振り返る。
「戦艦は4隻、こちらのGは2機・・・敵G数は不明です」
「・・・どうするか・・・」
ブリッツェンが髭をさすって唸った。その時友子のコンピューターの通信ランプが灯った。
「格納庫から通信です」
「よし、繋いでくれ」
「艦長か?・・・話がある」
ブリッツェンが許可すると通信モニターには翼が出た。うるさい格納庫のためなのか、翼はインカムを取り付けている。翼の向こうには優美の姿も見えた。ブリッジにいた全員が驚いたことだが、2人はまだパイロットスーツのままだった。1日近く格納庫に篭ってそれぞれの機体の調整と修理をしていたのだろう。翼は強い言葉で簡潔に言った。
「レッシュを取り返しに行く。許可をくれ」
「・・・な!?」
「“作戦”としては、俺がGを引き付けてるうちに優美が戦艦に突っ込んでレッシュを助ける。優美はレッシュの居場所がわかるからな、大丈夫だろ?」
と、翼がまだ何か続けようとしたとき、ブリッツェンの隣で静かに聞いていた貴子が叫んだ。
「無謀です!たった2機のGで戦艦4隻と戦うなんて!」
「無理でも何でもやらなきゃ何ねぇんだよ!レッシュは俺たちにも、優美にも必要なんだよ!・・・時間がねぇんだ・・・レッシュがずっと無事だって保証はねぇんだぞ!?」
モニターに詰め寄って叫ぶ翼の声がブリッジに響いた。貴子は怯まずに言った。
「それでも!・・・そんなの死に行くみたいなものです!絶対に無理です!・・・いくらあなたが“漆黒の鷹”でも優美さんを守って戦うなんて・・・敵の数は分からないんですよ?無理です!」
「優美はそんなに弱くねぇよ!」
翼も言い返した。うるさい格納庫で翼がモニターの向こうの貴子に向って何かを叫んでいる。優美は「優美」と、自分の名前が聞こえたので少し内容が気になり始めていた。
「それでも無理です!」
「じゃあ、何か?レッシュを助けるのは俺たちじゃ無理だって言うのか?」
「そんなことは言ってません!私は、戦力を整えて・・・」
「時間がねぇって言ってるじゃねぇか!!」
貴子が感情的にならずに落ち着いて話そうと努力した。だが、翼は強く押してくる。
「お前、優美に同じことが言えんのか?」
「・・・え?」
翼は後ろ手で親指で優美を指差して言った。突然指差されて「ん?」と優美は戸惑う。
「優美に“レッシュを助けるのは無理”って言えんのか!?」
「・・・っ!」
胸を刺すような思いがする。そんなこといえるわけが無い。
「ほら、優美!・・・お前に話だとよ」
「私?」
インカムを翼から受け取って、優美はそれをつけた。マイクの位置を調整して、モニターに向かって話した。
「話って何ですか?」
「・・・っ」
「貴子さん?」
唇をかみ締めて俯く貴子を見てブリッジクルー全員が静かになっていた。優美に“レッシュを助けるのは無理”なんていえるわけが無い。そんなことをすれば自分を省みずにどんなことをしてでも優美はレッシュの元に向かうだろう。ブリッツェンが貴子の肩をそっと叩いた。通信に向かって話した。
「すまないが・・・鷹山君に代わってくれ」
「あ、はい」
優美はインカムを外すと翼に渡した。ブリッツェンはゆっくりと告げた。
「鷹山君、許可しよう」
「ああ、絶対にレッシュは取り返してやるぜ」
「こっちも出来る限りのバックアップを行う」
「じゃあ、準備が出来たら言ってくれ。こっちは修理が終わった。いつでも出れるぜ」
そう言って通信は切れた。貴子は手を組んで、俯いたままだった。
「私は・・・」
「貴子さん・・・」
自分が許せなかった。例え、無謀でもこれはやらなければならないことだ。優美の大切な人の命が懸かっている。もし、それが自分の大切な・・・最愛の人ならどうなるだろう。“無理だ”といわれても飛び出して行くに違いない。優美にはこの気持ちをちゃんと言っておきたかった。
「私、格納庫に行ってきます」
貴子は格納庫へと急いで行った。誰も言葉を発しなくなったブリッジにブリッツェンの声が響いた。
「私たちも準備をするぞ!」
「了解!!」
それぞれがそれぞれの仕事に取り掛かった。
「あ、桜さん知らない?」
「姉さんなら、レッシュって人のところです」
その言葉を青年から聞くとあっとした表情をして頷いた。ビリシャは桜に話があったのだがそれほど重要なことではない。彼のあとでもいいだろう。
「あの人・・・何で桜さんの亡くなった旦那さんにそっくりなのかな?」
「さぁ・・・俺にもよく分からないです」
部下の青年もビリシャと一緒に首を傾げた。しかも、彼の存在、今の状況は限られたクルーにしか伝えられていない。ビリシャたちには情報すら降りてこなかった。
「エデン・チルドレン・・・“F”ってことしか分からないですからね」
2人はパイロットルームを出て、待機室へと向かっていった。
「あなた・・・」
桜はレッシュの髪を撫でた。彼よりも少し長いだろうか、それでも髪質は変わらない。触った感触、匂い、全てが彼と重なる。眠るレッシュの左手を両手で包んで顔の側に寄せた。涙が溢れる。
「・・・どうして」
その時、レッシュがうっと唸ってうっすら目を開けた。目だけが動いて辺りを見回す。桜の握り締める手にも力が入った。
「あ・・・」
「うっ・・・ここ・・・どこだ?」
「ギア・フルードよ・・・世界政府軍の艦」
桜は震える声で言った。何度聞いても同じ声だった。レッシュは薄い意識の中で誰かの姿を視界に捉えた。
「誰だ・・・?」
段々と戻ってくる世界に彼女の顔がはっきりと見えだした。泣いている。どこかで見た事のある顔だった。それも、近い頃に。
「どこかで・・・見たことがあるな」
「・・・っ」
桜は唇をかみ締めた。辛そうにする彼の顔を見てはいられない。
「誰・・・だ?」
その問いかけに桜はゆっくりと答えた。
「美山・・・桜」
「桜?・・・“乱れ桜”か?」
「・・・ええ」
自分の名前を呼ばれた瞬間、桜の胸が締め付けられる。どんな形であれ、あの声で、また自分の名前を呼んでくれた。もう叶わないと思ったことだったからだ。
「俺は・・・どうなるんだ?」
「わからない・・・でも!」
「・・・優美とタカはどこだ?」
まだ意識が混乱しているのか、レッシュが何気なく言った言葉に桜の胸が痛む。“ユミ”と呼ばれた少女、“タカ”つまり、“漆黒の鷹”だろう。その時桜は、“漆黒の鷹”とレッシュが繋がっていたことよりも、“ユミ”と呼ばれた少女の方が気になって仕方がなかった。
「ユミ・・・って・・・誰なの?」
「俺の・・・大切な・・・」
そこまで言ってレッシュは再び眠りに落ちた。桜はその言葉が頭の中で反芻される。その先の言葉は・・・。桜にとってはいい事でなないだろう。
「・・・あなた」
しっかりと握り締めた手の上に涙が落ちた。桜は手の上に額を下ろして、体を震わせて泣いた。
ジア・エータの格納庫は広い。カタパルトに一番近いところにブラック・バードとウィング・グロリアスはあった。息が上がった貴子を優美が見つける。
「あ!貴子さん!・・・なにやってるんですか?」
「・・・優美ちゃん」
首を傾げる優美を貴子は見つめた。レッシュが心配でしょうがないはずなのに、笑顔を見せる優美に貴子の心が痛む。貴子は息が上がったまま、深く頭を下げた
「・・・ごめんなさい!」
「え?え?何?」
「私・・・私は・・・」
思いつめた顔で貴子は優美を見た。優美は何のことだか分からずきょとんとしている。貴子は何度も詰まりながらも優美に翼に話した事を言った。
「だから・・・ごめんなさい」
「どうして謝るの?」
「え?」
思いがけない優美の言葉に貴子は驚いた表情を見せた。優美は少しだけ悲しげな顔をし手言った。
「そんなの・・・私に言わなかったら、いいことじゃないですか」
「でも・・・」
「何て言っていいか分からないけど・・・、私の知らない所で私のことを言っても私は知らないし・・・だから、貴子さんの言ったことは・・・それに、翼さんが最初に言ったんでしょ?貴子さんが謝る必要はないですよ」
優美がそこまで言うと、翼が歩み寄ってきた。翼の言葉にかぶせて優美が強い言葉で言った。
「優美、機体の・・・」
「翼さん!!」
その真剣な目つきに翼はちょっとだけ圧倒された。
「な、何だよ」
「“私に言えるのか!”って翼さんが言ったんじゃないですか!それで、貴子さんが謝って・・・貴子さんに謝って下さい!!」
自分の方に話の方向性が向けられて貴子はビックリした。優美は翼を強い言葉で押す。
「何で俺が・・・?コイツが・・・」
「いいから謝って!!」
「あ・・・ああ・・・悪い・・・」
翼は優美に睨まれて素直に謝った。貴子はまだどうなっているか分からないまま翼からの謝罪の言葉を受け止めた。
「ごめんなさい・・・許して」
「あ・・・いいえ。私の方こそごめんなさい」
その時、真琴とジア・エータの整備主任の2人が優美と翼に声を掛けた。
「最終チェック終わったわよ!」
「えーっと、優美ちゃん?これ、新しいデータ」
「あ、はい!ありがとうございます!」
優美は振り向くとそのディスクを受け取って頭を下げた。笑顔を見せられ整備主任の男性は少し赤くなる。
「鷹山君!・・・出れるか?」
「おう!待ってたぜ!」
格納庫にブリッツェンからの通信が響いた。翼が手をパンっと鳴らしてにやりと笑う。優美に合図を出した。
「行くぞ!」
「はい!!」
「優美ちゃん!」
元気よく返事をしてウィング・グロリアスに向かおうとした優美を貴子が呼び止めた。
「・・・頑張って」
「うん!」
優美がウィング・グロリアスに駆けて行くのを見て貴子はふっと笑う。翼はにやにや笑いながら整備主任の男性を小突いた。
「オイコラ、優美に惚れてんじゃねぇぞ?」
「あ・・・いや・・・」
「アイツには先客が居るからな。レッシュにぶっ飛ばされるぞ?」
整備主任の胸を拳で軽く小突いて歯を見せて笑った。整備主任の男性も「大丈夫だ」と言って笑う。翼は、少しため息をついて付け足した。
「ま、優美自体がレッシュ以外に興味無いけどな」
「・・・んなことはいいから、早く行ってこい!!」
整備主任の男性は「シッシッ」と追い払うように翼を見送った。翼は背中を見せたまま右手を高く上に上げて親指を立てた。ヘルメットを被り、ブラック・バードの搭乗デッキに飛び乗る。腕組みをしてため息を整備主任の男性はついた。横でウィング・グロリアスを見上げる女性に声を掛けた。
「ん、あんた・・・射撃管制の・・・」
「・・・桐生貴子です」
「おう、俺はウィル・ヴァーキスだ。よろしくな」
握手を求めてきたウィルに微笑して貴子はその握手を受けた。
「俺は翼とは長いけどな、あの翼が押されてるのを初めて見たぜ」
「え?」
「優美ちゃんだよ。昔からの知り合いだろうけど、翼にあそこまで言えるヤツはいねぇよ」
ウィルはにっと笑った。確かに、強く言葉を発するときの優美は凄みがあるように思える。貴子はウィルの顔を見た。どことなく雰囲気が真琴に似ているような気がする。
「そうですね」
「・・・おっと、そろそろ俺も仕事があるからな!エータを守ってくれよ!」
そう言ってウィルは格納庫の奥に走って行った。その後姿を見送ると、ふと思ったことがあった。
「翔さん・・・最近格納庫に居るって・・・」
「桐生君!至急ブリッジに上がってきてくれ」
再び響いた通信にはっとして、貴子はブリッジへと走って行った。
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