「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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52話:最後の戦い
桜が頭を抱えて起き上がった。横では焚き火が燃えている。その向こうには男が居た。
「気がついたか?」
「・・・リーダー!・・・あなた生きてたのね」
その焚き火に照らされていたのは紛れも無いシェーン・リーダーだった。桜は真っ暗な辺りを見回した。林の中には1本しか腕が残っていないアシュラ-4があった。頭部も脚部も無い。コクピットの上も損傷が激しかった。
「まあ・・・この通り大した怪我もしてない。・・・挟まって小指が折れちまった」
リーダーはそう言うと左腕を桜に見えるように焚き火にかざした。桜はゆっくりと起き上がって座りこんだ。板が添えられ片手で巻いたため適当に包帯が巻かれていた。それを見て桜が噴き出した。
「なにそれ」
「仕方ないだろ。片手だとこれが限界だよ」
右手で頭をポリポリとリーダーは掻いた。リーダーの横には割れたヘルメットが置いてあった。桜は心配そうにリーダーの様子を伺った。
「頭は・・・大丈夫なの?」
「んー・・・まあな。コブがあるだけで、大したことはないさ。・・・ヘルメットは偉大だな」
ヘルメットを叩きながらリーダーはにかっと笑った。桜はため息をついて腰を上げた。リーダーの左横に腰を下ろした。
「ほら、貸してみなさい。・・・巻き直してあげる」
そう言うと桜はリーダーの左手を取った。リーダーは痛みが走ってビクっとした。
「いっ・・・たぁ!」
「あ、ごめんなさい」
「優しくしてくれよ?・・・命の恩人だぞ」
苦笑いするリーダーに桜も笑った。
彼に助けられた。
機体が爆発する寸前、彼が機体を“破壊して”助けたと言った。
「装甲が薄いのが幸いした」
と彼は言っていた。
桜は白くなり始めた空を見上げる。
「“漆黒の鷹”を追うわ」
「そうか・・・」
リーダーは桜の言葉に驚きもせずに消えかかった焚き火を突いた。少し間を置いてリーダーが口を開いた。
「この先に小さな軍の施設がある。・・・そこでGを調達すればいいだろう」
「あなたは・・・どうするの?」
桜はリーダーの顔を見た。彼の顔が焚き火と薄い光の中で映える。
「そうだな・・・」
リーダーは立ち上がって背伸びをした。体が痛いのか「いてぇ」を呻いている。
「俺も行くぜ。・・・こうなったら意地だ」
リーダーは置いてあったバックパックを肩に掛けた。桜も立ち上がる。
「こっから歩いて2時間だ。・・・へばるなよ?」
にかっと笑うリーダーに桜は少しだけ膨れた。
「あ!私が体力無いと思ったでしょ!・・・これでも“一応”軍人なのよ?」
「ははっ、そうだな」
2人は焚き火を消すと林の中に消えて行った。
「ブリッツェン艦長。ジア・エータの修理は申し訳ありませんが不可能です」
リドは艦を降りて近くの建物に居たブッリッツェンに資料を手渡した。申し訳なさそうにしているリドの肩をブリッツェンはぽんっと叩いた。
「気にすることは無い。逆に君達の身の安全は保障できるのか?」
「はい。心配に及びませんよ。・・・元々私は世界政府軍のやり方に多少疑問を持ってましたから・・・いい機会です。これを機に軍を抜けます」
きっぱりと言ったリドにブリッツェンは少しだけ顔をしかめた。
「軍を抜けるということは・・・簡単ではないぞ?・・・ましてや、世界政府軍だ」
「大丈夫です!ここは本当は中立地帯なんですよ。“マスター”が決めた特別エリアなんですよ。軍事産業の工場がある場所なんです。・・・それをあのバカが勝手に占領して・・・。どのみちあの艦長は処分される立場だったのですから」
ため息をつきながらリドは言った。ブリッツェンは「そうか」と頷いた。
「ここのお偉いさんに話はつけて来ました。我々も匿ってくれるそうです。・・・一応、我々の艦隊は“音速の皇帝”によって全滅させられたことになっていますからね。死んだ人間を探しには来ないでしょう。ここに踏み込んだとしても、“マスター”の権限ではじき出されますし」
「なるほど・・・考えたな」
ブリッツェンはこのリドと言う若い士官に感心した。頭の回転も良く、場を切り抜ける力もある。それに、度胸もあるようだ。リドは続ける。
「艦のことですが、こちらでもできる限りのことをしてみるつもりです」
「すまないな」
「いえ、それでは失礼します」
そう言うとブリッツェンに一礼してリドがその部屋を出て行った。ブリッツェンは窓の外の港町に目をやった。港の横すぐに作られたテスト用施設の一角にある格納庫には“レッド・バード”と“ブラック・バード”が格納され修理を受けていた。
そこは思った以上に大きな施設だった。10機以上のGが並んでいる。桜とリーダーは腹ばいになって草むらの中から様子を伺っていた。桜色のパイロットスーツは先ほど思いっきり転んだせいで泥だらけになっていた。パイロットスーツ姿で長時間悪路を歩いたのは初めてだった。
「・・・どうするの?」
「こりゃあ軍の施設じゃねぇな・・・反政府組織だな。・・・いつの間に陥落したんだ?」
首を傾げるリーダーに桜は施設を睨んだまま答えた。
「だいぶ前に反政府軍がアフリカの沿岸を制圧したのよ」
「マジかよ・・・ったく、これだと侵入になっちまうじゃねぇか」
ぼやくリーダーに桜は向き直って笑った。
「初めからそのつもりじゃなかったの?」
痛いところを突かれてリーダーは唸った。
「んー・・・まぁー・・・よし!やるぞ!」
「もう・・・」
そう言うとリーダーは桜に拳銃と予備弾装を3つ渡した。セットをしている桜の横でリーダーはサブマシンガンの安全装置を外していた。桜は少し呆れた顔をした。
「ねぇ・・・私は“これ”であなたは“それ”なの?」
「カタいこと言うな・・・行くぞ!」
2人は草むらを飛び出して施設のフェンスへと走っていった。
「ミコ」
「なあに?」
コンピューターに向かっていたミコの部屋にクルスが入ってきた。あれからずっと元気が無い。
「ごめん・・・やっぱ、あたし無理」
そう言うとクルスはミコに駆け寄って包帯をしてない方の腕に抱きついた。大声を上げて泣き出した。
「うわああああ・・・」
ミコはクルスの頭を撫でながら彼女の頭の上に自分の顎を置いた。目を閉じて小さく何かを呟いた。
「侵入者だ!!」
フェンスを越えて、監視台の目を掻い潜り、建物に入って、廊下を進む。“この先格納庫”と書かれた看板の前で見つかった。桜色のパイロットスーツは汚れていてもイヤでも目立つ。銃弾が飛んでくる中隠れながらリーダーが愚痴をこぼした。
「ったく、派手なパイロットスーツ着やがって・・・」
「し、仕方ないじゃない!」
少し赤くなって反論する桜にリーダーは大声で言った。マシンガンの発射音でお互いの声が聞き取りにくい。リーダーはあのあとパイロットスーツを脱いでサバイバル用軍服に着替えていた。桜はリーダーの耳に顔を寄せて言った。
「この下、下着だけなのよ!!」
「ばっ・・・まあいい」
赤くなったリーダーは銃撃が止むと壁の向こうに体を出してサブマシンガンを撃った。2つの声がして弾が飛んでこなくなった。
「行くぞ!!」
「ええ!」
2人は一気に廊下を駆け抜け格納庫の扉を蹴飛ばした。
そこにはハイジェンと、もう1機ハイジェンと良く似た機体があった。背中で「こっちだ!」という声がして2人はそれぞれGに向かって走った。桜の前に2人ライフルを構えた男が飛び出してきた。
「どいて!!」
「ぐあ!」
拳銃を足に向かって放って2人は倒れこんだ。2人を飛び越えGのコクピットに続く階段を一気に駆け上がった。背後から撃たれ間一髪でコクピットに潜り込んだ。すぐさま桜はハッチを閉め、Gを起動させる。と、同時に通信のランプが点灯した。
「!?」
「俺だ!・・・大丈夫か?」
リーダーのその声に桜はほっとした。「ええ」と返して大きくため息をついた。すぐさま施設からだろう、大音量の強制通信がコクピットに響いた。
「今すぐ機体から降りろ!!・・・ここから出るなど不可能だ!」
その通信にリーダーからの通信が割って入った。
「ちっ!美山少佐!行くぞ!!」
「どいて!踏み潰されたいの!?」
ハイジェンを起動させ桜は外部スピーカーで叫んだ。女性の声に周りに居た皆が驚いた。
「ホントに女だったのか・・・」
リーダーのハイジェンはライフルを持ち替えると、背中から天井を壊さないようにしゃがみこんでゆっくりとブレードを抜いた。ハイジェン専用のロングタイプのブレードが発光し、格納庫を照らした。しゃがんだ状態でリーダーはペダルを踏み込んで機体を加速させた。男達がGに向かってマシンガンを発砲している。
「いけぇぇ!!」
火花を散らして地面を滑りながらハイジェンが一気に格納庫の扉に向かって行き斬った。見事に扉が両断され、リーダーのハイジェンが飛び出していく。ついで桜の乗るハイジェンも飛び出して行った。飛び出す瞬間、桜は置いてあったブレードを奪って行った。やはり2本あるほうがいい。
「逃がすな!!」
2機のグロウが行く手を塞いだ。リーダーのハイジェンを追い抜き桜のハイジェンが両腕にブレードを構えた。一瞬にしてブレードで2機を叩き斬った。機体が変わっても“乱れ桜”の異名は伊達ではない。
「さすがだな」
「一気に逃げるわ!」
フェンスを飛び越えると林の中に2機のGは消えて行った。通信室に居た男は首をかしげた。聞いたことある名前だった。
「美山・・・それにあの動き・・・“乱れ桜”か!?」
男は世界政府軍に在籍時代彼女を見たことがあった。その時、格納庫から通信が入る。
「逃げられました!!」
「こっちでも確認した。・・・ログはとってある・・・気づかれないように後を追ってくれ。カモフラージュ・マントを忘れるなよ・・・」
「了解!・・・後発部隊にも伝えておきます」
通信が切れると男は腕を組んで唸る。
「何かありそうだ・・・」
監視台に取り付けられたカメラから外の様子を見た。
朝日が眩しく輝いている。
「何とかなったな」
「でも、これで私達は軍にもどこにも居場所がなくなったわ」
リーダーは桜の後ろでハイジェンを走らせながら呟いた。桜は押し殺したような声で返した。リーダーは黙り込んだ。
「さぁ・・・“漆黒の鷹”に連絡ね・・・」
桜は通信機のチャンネルを国際救難チャンネルに変えた。
「鷹山さん!至急近くの通信機を取ってください!」
「ったくなんだよ!?」
そのアナウンスが格納庫に響き、翼はウィルに渡された通信機のマイクを乱暴に受け取った。
「鷹山だ!何だ!?」
「国際救難チャンネルです!・・・でも、これは・・・」
説明を続けようとしたオペレーターの言葉を翼が遮る。
「いいから出せ!」
「は、はい!」
怒鳴られて一瞬ビクリとして、慌ててその回線を繋いだ。
「“漆黒の鷹”・・・“乱れ桜”よ・・・決着をつけましょう。これで最後よ・・・場所はB133-K4の地点よ・・・24時間後にここで待ってるわ・・・繰り返し・・・」
そこまで聞くと翼は通信機を投げつけた。“乱れ桜”は生きていた。間違いない。声が同じだった。腕を組んで翼はブラック・バードを睨んだ。
「何を考えていやがる・・・」
そう呟くと、翼はブリッツェンがいる建物へと向かって行った。
「これであとは私達そこに行くだけよ」
桜とリーダーは機体を林の中にしゃがみこませた。さっきその向こうで“レーダージャマー”が打ち込まれているのが見えた。まだ“生きている”それは赤いランプを灯していた。この周辺だとしばらくは見つからないだろう。桜はため息をついてリーダーに通信を掛けた。
「ごめんなさい。・・・あなたまで巻き込んで」
「気にすんなよ」
リーダーは笑って返してきた。桜はゆっくりと“漆黒の鷹”のことについて話し出した。
「あいつはね・・・私の夫を殺したの。・・・あいつを殺すことが私の全て」
そう言う桜に少し間を置いてリーダーは答えた。
「憎しみは何も生まないぞ?・・・復讐を遂げてもあんたを・・・“漆黒の鷹”を愛する者があんたを殺しに来るぞ?・・・終わらない連鎖だ」
「それでもいいのよ」
桜は手を組み合わせてシートから体をずらした。パイロットスーツの前を大きく開けた。髪を書き上げて、大きく深呼吸する。塩と泥でパリパリになった髪の毛が指に絡む。
「まあ・・・他人の生き方にこれ以上言わねぇよ。・・・とりあえず、そこまでは送って行く。あとはあいつが来たら好きにしてくれ」
桜は笑って感謝の言葉をリーダーに伝えた。
「ありがと」
「気にするな、って言っただろ?」
もう日が高くなっていた。
「どう思う?」
「君はどうしたい?」
翼の質問にブリッツェンは質問で返してきた。翼は腕を組んですぐに返答した。
「俺は叩きに行くぜ」
「そう言うと思ったよ」
ブリッツェンはため息をついた。翼はにやりと笑った。
「警戒するんことだな。・・・罠かも知れん」
「確かに・・・。“乱れ桜”はここで叩いておかなきゃならねぇんだ。俺は行くぜ。途中までは“歩き”で行く。対空エリアが切れたらそっからは“飛び”だ」
翼の言葉にブリッツェンは頷いた。
「行くのか?」
「ああ。ここが万が一襲われても、レッシュとジャックが居るだろ。あの2人なら十分だ」
そう言うと翼はその部屋をあとにしようとした。翼をブリッツェンが呼び止めた。
「帰ってくるのだぞ」
「ああ、心配するな。行ってくるぜ」
出て行った翼の後ろ姿をブリッツェンはゆっくりと見送った。
翼が出る、と言う話を聞いたヴィラは翼のもとに飛んで行った。ヴィラのただ事ではない様子にニーバルも一緒に翼のところへ行った。
「なんだよ・・・ハイオルス姉弟か」
「なんだ、じゃないわよ!」
叫ぶヴィラを尻目に翼は黒いパイロットスーツの首のパッキンを閉めたところだった。ニーバルも心配そうに翼を見つめる。
「どこに行くんスか?」
「“乱れ桜”を叩きに行く」
「は!?・・・ちょ、ちょっと!何で!?」
ヘルメットを持ってブラック・バードのところへ行こうとする翼をヴィラが腕を引っ張って止める。翼は顔だけ振り返ってヴィラを見下ろした。
「何で!?」
「“乱れ桜”に呼び出されたんだよ。・・・罠だろうが俺は行くぜ」
腕を振り払って行く翼の前にヴィラが両手を広げて立ちふさがった。
「行かせない!!」
「どけ」
静かに翼は言い放った。ヴィラはその目が嫌いだった。
「私との約束はどうしたのよ!?」
「その約束のために、“乱れ桜”は叩かなきゃならねぇ存在なんだよ。あいつはレッシュを・・・優美の障害だ」
「優美って・・・彼女は!」
ヴィラは翼の言葉に驚いた。彼女はもう・・・。
「死んでねぇよ。・・・俺はそう信じてる」
「またそんな・・・」
ヴィラは首を振った。自分以外のことに翼のベクトルが向くことはやっぱり仲間であろうとも納得できない。できれば自分だけを見てほしい。涙が床に落ちた。そんなヴィラの肩にニーバルがそっと手を置いた。
「姉ちゃん」
「・・・?」
ヴィラがゆっくりと顔を上げるとニーバルがにっこりと笑っていた。
「翼さんのやりたいことやらせてあげるんだろ?」
「でもっ!」
確かにそうは言ったが、いざその時となるとそう感情はうまくはいかない。
「翼さん。気にしないで行ってください。・・・姉ちゃんは俺が守りますから」
「ああ、頼んだぜ」
そう言うと翼は2人の横を歩いて戦闘機形態のブラック・バードに乗り込んだ。整備は終わってある。ブラック・バードの起動スイッチを入れた。独特の音を上げてジェネレーターに火が点る。格納庫の扉が開かれ、滑走路に光の道が生まれた。手信号で合図を出した。
「鷹山だ。ブラック・バード行くぜ!」
加速した機体が青い空へと羽ばたいていった。それを見上げてヴィラがぼそりと呟いた。
「ねぇ、ニーバル」
「ん?」
「私ってヤな女なのかな?」
そう言うとニーバルはヴィラを抱きしめた。ヴィラより背が高くなっていたニーバルはヴィラの頭を抱きしめて言った。気づかないうちに背が高くなっていたニーバルの大きさにヴィラは安心感を覚える。
「翼さんは前からああいう人だろ?・・・姉ちゃんは見守るんだろ?」
「・・・うん、でもね・・・」
その時はニーバルの優しさが身に染みて、涙が止まらなかった。
暗い“あの部屋”。
浮いた長方形の箱。
回路が緑色に光り、中心の球体が青白く輝いていた。
その周りに2人の男と1人の少女が居る。
「間もなくだな」
男はその宙に浮いた“箱”を見上げた。回路が輝き答えが返ってくる。
「ああ。抜かりは無いな?」
その言葉にもう1人の男が1歩前へ歩み出た。薄暗い光に照らされたその顔は、レイだった。
「はい。座標軸、プログラム、すべて最終設定完了」
中心の青白い玉が点灯した。
「・・・コンプリート」
次に少女が歩み出た。ブラウだ。
「機体の最終チェック完了。全機新型投入の確認を」
「・・・コンプリート」
最後に男はその部屋の扉を開けた。そこから1人の男がゆっくりと入ってくる。レイはその顔を見てふっと笑った。対照的にブラウは驚く。
「あなたですか」
「な、なんで!?」
男は驚くブラウに聞いた。畏まってブラウは答えた。
「例の機体は用意できたか?」
「あ、はい。・・・セッティングも完了しています」
その時“箱”が“口を開いた”。
「“2(セカンド)”」
「はい」
“2(セカンド)”と呼ばれた男は静かに答えた。男はゆっくりと彼に歩み寄った。
「一度は裏切ったお前がまたここに戻ってくるとはな・・・。完全帰属による支配だが」
「裏切った・・・てどういう意味ですか?」
首を傾げるブラウに男はふっと笑う。
「前はこの男もこの計画の一端を担う男だったのだよ」
「そ、そうなんですか・・・」
「今回は、忠実なる僕として働いてもらう。・・・世界を我々のものにする第一歩だ」
男は“2”の肩を叩くとまた“箱”に歩み寄った。
「“エデン”・・・。さあ、新たなる世界へ我々を導いてくれ」
両手を広げて言う男に“箱”の中心は再び輝いた。
そして、その光に照らされた“2”の顔は・・・リッジ・クーパーだった。
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