一生やってろ!!

一生やってろ!!

憧れの先輩2



 私は決めていた。そう、先輩と同じ高校に入ることを。

 一応音大付属への推薦もあったし、先生達からも他へと勧められた。

 最後の最後まで志望校を書かせてもらえなかった。

 それでも、私は先輩と同じ高校に入りたかった。

 (別に変な学校ではない。でも新設校だったので先生のポイント稼ぎに

 ならなかったんだろうな・・)

 最終的に粘り勝ちした私は、晴れて先輩と同じ高校へ。

 高校でも先輩は、人気者だった。独占欲の強かった私にとっては

 耐えられないくらいの日々だった。

 そんなある日。なんと先輩に新しい彼女ができたと・・。

 しかも、普通の今までとは全然違うタイプの人だった。

 はぁ・・・・。妹と思いながらも、どこかで期待していた私は・・。

 なんてこった・・。入学してまもなく・・。ふっ・・・。

 なんだか一気に冷めてしまった・・。3年間の私の片想いも

 この日終わりを告げた。

 その後廊下で会うこともあったけど、挨拶程度で通り過ぎてしまった。


 先輩は卒業し、それからしばらくして妊婦さんと歩いているのを

 ちらっと見かけた。「あ、結婚したんだ・・。」

 その後、二度と見かけることもなくなってしまった。

 学校から届く会報にも「あの人はどこに」のコーナーに早くから

 名前が載っている。実家ももう違うところにあるのか・・?

 なんでも、大学進学が決まっていたところ、お家の事情で

 色々と変わってしまったらしい・・。何があったかはわからないけど

 大変だったとその先輩と親しい人から聞いた。

 どこへ行っちゃったんだろう・・。

 ずっと妹に徹してたから、一度も「好きです」って言えなかった。

 逢ってお酒でも飲みながら「好きだったんだよ」って思い出話がしたいよ。


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