トルヴェールの「惑星」inトッパンホール

2004/10/9・10
 トルヴェールクァルテットコンサート
トッパンホール

ドビュッシー/新井靖志編:四重奏曲~サックスのための

ホルスト/長生淳:トルヴェールの「惑星」



行ってきました!トッパンホールの9日と10日の1回目です。
今回は追加公演があって、3回の公演となりました。
私たちはチケット発売と同時に2公演分ゲットしてました。
が、追加公演、行くか行くまいか非常に悩みましたが、結局当初の予定通りの2公演のみで、帰って来ました。
トルヴェールのコンサートは、毎回必ずや違うことをしてくれるので、今回も、最初から、同じプログラムであっても、2度聞くのは、私の中では「当然」でした。>笑
最初、彦坂氏にも、「同じプログラムだよ?」と言われましたが、「同じプログラムでも、同じ内容なはずがないですから!」と言ったとおりの内容になりましたね!!
これが、私がトルヴェールから離れられない大きな理由の一つでもあるのです。

1日目
あいにくの天候。
なんと、関東地方台風直撃です。
トルヴェールと台風といえば、思い出すのが、NHKで放送した平尾台での屋外コンサート。
よく中止にならなかったものだ・・・と思うほどの大雨の中の演奏は忘れられません。
ま、今回はホールなので、そんな心配もなかったのですが、終わってみると電車は止まってるわ、かん水してるわ、観測史上最大の台風だったとかで、「嵐を呼ぶ男」らしいです。

さて、肝心のコンサートですが、1日目。
ドビュッシー
サクソフォン用に新井さんが編曲したのですが、超絶です。
ちょうどこの曲が出来上がったばかりの頃、彦坂さんにレッスンお願いして中標津に来てもらってたんですよね。
ホテルのロビーで彦坂さんが、楽譜チェックしてた記憶があるのですが・・・
この曲も、ぜひぜひCDに入れて欲しいです。
1日目1曲目ということで、固さも少し見られたような・・・
ppの美しい音色。
たまりません。
緊張感が途切れない演奏でした。
さすがの一言です。

休憩挟んで、いよいよ「惑星」。それも『トルヴェールの惑星』という曲です。
「トルヴェールの」とつくからには、「四季」の時のように、すごいことになっちゃってるんだろうな・・・と想像はつきましたが。
出だし聴いた瞬間から驚きました。
「火星だったよな・・・」「ん???」と、思わずプログラムを確かめてしまったほどです。
やっぱりしっかりと「トルヴェールの」惑星になっていました。
さすが長生さんです。
既成観念があっては、こういう曲は作れないだろうな・・・
「トルヴェールの惑星」のオープニングにふさわしい、スピード感あふれる火星です。
原曲の惑星のテーマは「戦争をもたらすもの」ですが、私の中での火星のイメージとしては、「何かが始まるワクワク、ドキドキ感」としてのイメージがとても強かったため、テーマを知った時にはびっくりしたのですが、トルヴェールの火星は「荒ぶる神、休むことなく破壊を続ける・・・」だそう。
破壊、いい意味で、トルヴェールのことを表しているような気がしてなりませんでした。
ビーナスの「金星」、キューピッドの「水星」、楽しい「木星」、美しく老いていく「土星」、修行中の魔術師「天王星」、ロマンティストな水と海の「海王星」、黄泉の国「冥王星」、そして、私たちの星「地球」、いつ出てくるかわからない「彗星」
それぞれに物語があって、とても素晴らしい曲でした。
百聞は一見にしかず・・・
機会があれば、ぜひぜひ生で聴いてみてください。
CDも9日発売になりました。

決して回し者ではないのですが、本当に素晴らしいです。

曲の中に、他の曲が見え隠れするのですが、それもまた楽しい。
ドビュッシーの「牧神・・・」だったり「海」だったり、ホルストの第一組曲だったり。
これには、驚きよりも、嬉しさの方がこみ上げてきました。
なぜか最近ご縁のあった曲ばかり!!

特に、地球は、平和を願う意味も込めての曲らしいのですが、ホルストの一組が重なったとたんに、私の中でこみ上げるものがあって・・・
久々コンサートで泣きました。
一組のフレーズが出てくる前から、それぞれのパートのソロの美しいことに感動していたのですが。
なんだか、頭の中真っ白になってしまいました。
それに、ジュピターも重なって・・・
ただただ美しさに感動です。
何も考えないで、ただただ音に酔いしれていたように思います。

アンコールは「ジュピター」です。
さっきも聞いたはずなのに、また違う感動で、涙が出てきます。
素晴らしい!!
鳴り止まない拍手にもう一度、応えていただいて、2曲目は「
天王星」
実は、一度目の本番中も一瞬笑いが起こったのですが。
田中氏のソロがこれまたおいしい!!
アンコールということもあって、さっきの演奏よりも更にノリノリの5人。

次の日更にエスカレートするとは、このとき誰も思いませんでした。チャンチャン♪

10日、二回目のコンサートへ。

9日にも見えたお顔がチラホラと。
やっぱり私たちと同じ人がいるんですね。

さて、プログラムはもちろん昨日と同じ。
ただ、メンバーも昨日よりかなりリラックス。
1曲目のドビュッシーも昨日より音が飛んでくる感じ。
勢いが、昨日よりもあった。

これは惑星も楽しみ・・・

1曲目終わったあと、トークがあるんだけど、冴え渡ってましたねぇ。新井さん!!
って言うか、言いそうなことがわかってしまって、爆笑してしまいました。
堪えきれなくなって・・・
「誰にもジャマされずにジュピターが吹ける!」って、ついに本音が出ましたね。>笑
ごめんなさい。トークは新井さんの印象が強すぎて、他記憶にございません。
実は一日目にも、言ってたの。
「新井さん貫禄ついてきたよねぇ」って。
体に貫禄・・・じゃないですよ。>笑
演奏に貫禄です。
なんとなく、一番年下だからなのか、人柄がそうイメージさせてしまうのか、はたまたテナーサックスの持つイメージなのか、新井さんは、やられっぱなしのイメージがあったの。
トルヴェールを知っている方ならわかると思うけど、演奏でちょっかいを出されてても、やり返すのがおとなしいというか・・・
そういうイメージだったのが、最近の新井さんの演奏は、負けじと出てくる感じ。
新井さんのテナーほんといい音だしね。

さて肝心の「惑星」ですが、はじけまくってました。
昨日が「正統派」の演奏なら、今日は「これぞトルヴェール!」という演奏です。
これを待ってたのよって感じ。
とくに「天王星」
やってくれました。みんなそれぞれに!
田中さんのソロで、笑わせどころ満載なのですが、すき放題やってましたね。
途中曲が「魔法使いの弟子」に変わるのですが、映像が目に浮かぶようでした。
私の場合、脳裏をよぎるのは、ディズニーの「ファンタジア」の中で、ミッキーが魔法使いの弟子なのですが、勝手に掃除道具に魔法をかけてしまって、その解き方がわからなくなって、掃除道具たちが好き勝手に動き回るシーン。
田中さんは、その中の「ほうき」になりきってました!
わからない人は、ファンタジア見てみましょう。
それからまたまた新井さん。
最初にテーマになる音があるのですが。
ホルストが自分の名前をとったという、4つの音で始まる主題があるのですが、最初須川さんが1オクターブの装飾をつけて吹いたら、次彦坂さんも真似て、次ぎ新井さんもやらざるを得なくなったのでしょうけど、見事にはずしました!!
おいしいところをしっかりと^^
次は須川さん。
スケールのところで、音を間違ったようです。
一瞬「あれ??」って思ったけど、顔に出さなければわからないのに、自分で白状してるんだもん。
隣で彦坂さんが大喜びしたのは言うまでもありません。
これでもかってくらいに!
普通間違っても間違ってないふりして続けるよね。
それがトルヴェールでは隠せないのですねぇ。
新井さんのミスはすっかり帳消しにされてしまいましたね。
おもしろかったぁ!!
「天王星」終わったとき、思わず拍手してしまいました。
拍手せずにはいられなかった!!
たのしかったぁ。
最後の地球も、前日とは違った感じで。
前日はただただ感動!!だったのですが、この日の地球は力強さを感じました。
未来は明るいぞって感じです。

いやぁ、安心しました。
40歳にして「やんちゃなトルヴェール」まだまだ健在です。
演奏技術の高さは何の心配もしていませんが、若さだけは・・・と思っていましたが。>笑
余計なお世話でした。
これがなくちゃ!!

聞き惚れるほど全員が全員素晴らしい音でありながら、まるでコミックバンドのような面も忘れない。
何よりも本人たちが、本当に嬉しそうに楽しそうに演奏しているのを見ると、音楽ってこうでなくちゃいけないよなぁと思う私なのでした。
あんなに楽しそうに、あんなに高度なことやっちゃうんだから・・・
並大抵の集団ではありませぬ。


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