「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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須川展也サクソフォンEXリサイタル2005釧路
須川展也サクソフォンEXリサイタル2005
2005/2/3(木)
釧路文化会館小ホール
1部
アルマンドのルンバ/チックコリア
ラ フィエスタ/チックコリア
ジュ・トゥ・ヴ/エリック・サティ
嬉遊曲/P.M.デュボア
セクエンツアVIIb/ベリオ
マドリッド・インスパイア
2部
忠実な羊飼い第6番/ヴィヴァルディ
展覧会の絵/ムソルグスキー/長生淳 編
1部はラテン!!
チックコリアから始まりました。
これから、定番になりそうな予感。
お次はサティのジュ・トゥ・ヴ。
すっごく昔のCDに収録されていたはず。
めちゃくちゃ綺麗な音。
それに、コロコロ転がるようなビブラート。
なんであんなに綺麗にかけられるんだろ。
例えて言うなら、「マシュマロ」のような音。
やわらかくて、ふんわり、甘くて、まぁるい。
今日は釧路文化会館の小ホールだったんだけど、超満員のお客さん。
響きは、はっきり言って、中標津の文化会館のほうが数倍いい。
けど、小さいホールでの演奏会は、そんなビブラートの輪郭までもはっきり聞こえちゃうような、響き。
ごまかしは効かない・・・
そんな中にあって、あの音。
私と同じ楽器なんだよねぇ。。。(須川さんのはゴールドプレートですが)
なんだか、反省。
やっぱり、たまには生のいい演奏を聞かなくちゃだめです。
CDなんかとは、比べ物にならないから。
CDが作られたものなら、ライブはまさに生きている音。
そう思いました。
それからエクセンツア。
これって何種類かの楽器で吹くパターンがあるそうで、去年だか、それを全部演奏するっていう(色んな楽器で)案内をいただいてたような・・・???
チューナーの多分Hの音が、ずっと流れている、変わった現代曲でした。
けど、おもしろかった。
充分リラックスしたあとでの、緊張感のある曲。
須川さんいわく「逃げ出したくなる曲」ってことでしたが、とんでもない!!
おもしろい曲でした。
超絶技巧満載の、すごい曲。
あんなのこなしちゃうんだから・・・
すごすぎる。
一部最後はマドリッド・インスパイアという、スペインの曲を集めた曲。
今度のCDは、もしかして、またスペイン再来かな・・・?
休憩後、2部。
ここで、須川さんのお弟子さんも登場。
國末君っていうんだけど、実は過去に一度お会いしたことがあって、そのときにはまだ大学院生だったのね。
アルゲリッチ音楽祭で、展覧会の絵をやったときに、古城のソロを吹いたんだけど、それをたまたまテレビで見ていて、ものすごく印象に残ってて、トルヴェールのコンサートの打ち上げで、紹介されて、お知りあいだったわけです。
HPも時々のぞいたりしてます。
その國末君とトリオで「忠実な羊飼い」を演奏しました。
國末君は、小学生の時から、須川さんにレッスン受けていたようで、キャンプなどに参加していたという話を聞いてました。
須川さんが「こ~~んな小さかったんだよ」と、言っていたのを覚えています。
その時に、すごく可愛がっているお弟子さんなんだなぁと思っていたのですが、自分のリサイタルに参加させてしまうほどなのだから、よほどなんでしょう。
なんだかチビ1も5年生でしょ。
こんな時から、レッスン受けてたその根性というか、情熱というか。
今、大きくなって、サックス奏者になるんだって夢をかなえてしまった國末君を、思いがけず見ることが出来て、演奏まで聞けて、なんだか、妙に、嬉しくなりました。
大学生だったときよりも、なんだか逞しくなって、きっと厳しい世界にいるであろう國末君を、応援してあげてくださいね。と、思いました。
逢いたかったけど、表には出てきていなかったので、お会いできませんでした。
今度は自分のリサイタルで北海道に来てね。
さて2部は展覧会の絵です。
もう何度も聴いていますが、聴くたびに違った仕上がりになっています。
一番初めに聴いたとき、楽器の持ち替えにばかり気がいってしまいました。
持ち替えする方もドキドキ、見てるほうもドキドキという感じでした。
それが2度目に聞いたときには、持ち替えもスムーズになっていて。
今日聴いた演奏は、正直いって、CDにはいっている演奏よりも、ずっとずっと良かった!と思いました。
須川さんはもちろん、美奈子さんまで、前とは変わったことをしていました。
二人とも、すっかり自分の曲になってますね。
ものすごく余裕が感じられました。
展覧会の絵って、曲の間に、プロムナードっていう有名なメロディが形を変えて現れるんだけど、そこでほっと一息、曲で緊張と、ものすごくいい感じで、あっという間の35分間。
美奈子さんのピアノは、ものすごくグレードアップしていたように思いました。
伴奏なんかじゃないね、ソリストが二人っていう曲です。
すごく良かった。
間がいいっていうか、前は感じなかった雰囲気でした。
一つの曲吹き続けてると、ある程度こなしちゃうと、飽きちゃいそうなのに、違うんだよね。
須川さんの場合、いつまでも進化し続ける。
そこがすごいといつも思うし、その精神に、いつもいつも感服してしまいます。
物事なんでもそうなんだろうな・・・
音楽だけじゃなく、続けるっていうことには、大きな意味があるんだろう。
続けるだけじゃなく、進化させることは、もっともっと難しいし、大変なことだろうなって思う。
そういうことをものすごく感じられるから、須川さんの音楽を聴くことはやめられないんだと思いました。
そしてアンコール。
まず1曲目は、ピッカピカのテナー(多分新品?)を手にして、パントマイムという、ユーフォのために書かれた曲。
普通アンコールっていうと、短めの小品が多いのですが、これはコンサートプログラムの中に組み込まれていてもいいような1曲。
きっと新しいテナーで、吹きたかったに違いありません。<笑
そして2曲目、トゥーランドットから「誰も寝てはならぬ」
この曲、去年だったかチェリーでもやりました。
ゆったりとした曲、私は苦手・・・
だけど、聞く分には、とても好きです。
そして最後は「さくら」
お客さんから歓声も上がりました。
やっぱり、最近はさくらの影響が大きかったんだなぁと実感。
私はもう何度も聴いてますので、やっぱりこれで〆かぁと思ったのですが、またこれが良かった。
気持ちを込めれば込めるほど、音楽には現れるのですね。
とっても優しい、丁寧な、あたたかいさくらで、さくらの曲の中にこめられた須川さんの気持ちまでもが見えてくるような演奏でした。
今までさくらを何度となく聴いてきた中で、一番印象に残っているのが、帯広で聴いた、札幌交響楽団との演奏で、このときは、なんだか泣けてしまって仕方なかったのですが、今回はその時とはまた違う感動でした。
とにかく須川さんの演奏から、この曲をいかに大切にしているか「愛おしんでいるか」が伝わってくる、あたたかい演奏。
コンサートの最後に、ほんわかあたたかい気持ちになったのは言うまでもありません。
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