もいっか★フィンランド

もいっか★フィンランド

2007.06.21
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日本の議員や有識者がワシントン・ポストに慰安婦について全面広告を打ったらしいですが、タイミングとかそもそもPRとしての意味合いがよく分かりません。米下院の慰安婦決議へ向けて最後の引き金を引いたとも言われています。おそらく決議は採択で、しかし日本政府はスルーというシナリオなんでしょうか。ならばこの前までの安倍首相必死の決議阻止、沈静化の動きは何だったんでしょう。 あまりにもちぐはぐです 。以下、僕の意見を少しまとめてみます(しゃれで広告のフォーマットをパクってみます)。


OPINION1:少すぎる!

慰安婦の数ではありません(笑)。この意見広告に署名入りで賛同している人数です。確か40人程度でしたか。しかし国際的にはWho?な人ばかり。一方、下院で決議に賛成なのが現在までに140名にのぼると言われています。しかもこちらは議員だけです。対抗するのであれば、最低100名は集めたかったですね。また日本人だけでなく、現地の著名人にも参加してもらいたかった。



OPINION2:意見広告はスルー

これは僕だけの傾向かもしれませんが、新聞に掲載される意見広告に目を通すことがありません。例えワシントン・ポストのような一流紙と目されるところで打ったとしてもそうです。意見広告は最近の流行りですが、これも良し悪しです。意見広告は文字通り「広告」扱いなんですよ。しかも広告である以上、最初から偏った意見と見られがちで、ひょっとすると逆効果かもしれません。どちらかというと僕も「これ、胡散臭い!」と読まずに思い込みがち。たとえ公平なFACTの羅列であっても、です。


余談ですが、そういえば一度だけ思わず二度眺めで確認した(笑)意見広告があります。ヘラルド・トリビューン紙の一面広告で、イランの核兵器開発を非難したものです。イランを中心にした世界地図を掲げて、首都テヘランから弧を外側に向かっていくつか描かれていました。弧は弾道ミサイルの到達能力範囲を表したものです。その一部は欧州全体をカバーしており、「だからイランは危険!」という恐怖感を煽った内容でした。残念ながらアメリカ大陸までは達していなかったので(笑)、おそらく欧州、中近東限定の広告だったなのでしょう。しかも賛同者が、○○○・ユダヤ協会代表とかで、もうあまりにバレバレなのです。しかし慰安婦広告も似たようなレベルに見られてしまうのではと懸念します。



OPINION3:「ホワイト」なオオニシ記者を求めよ

ようするに執拗、悪質な慰安婦プロパガンダに対抗する「ホワイト・プロパガンダ」を展開する意図だったのでしょう(そもそもプロパガンダに白黒はないのですが・・・僕の立場が出てますな・笑)。しかしOPINION2で示すように、意見広告は効果に限界があります。提案したいのは、 メディア側の人間を味方につけ、彼らにこちらの立場を記事として書かせることです。



OPINION4:長期の視点で対策を

米メディアに「ホワイト」な連中を置くことと同時に、現地の政界や教育機関にもそうした立場の人間を送り込みたいですね。特に大学などで、そうした勢力を育てていくことが後々に大きな影響力になります。すでにお気づきでしょうが、これらは非常に長期的なプロジェクトです。 最低10年はかかるでしょう。 それに比べて意見広告を打つだけならばある意味簡単なのです。僕は今回の動きに拙速感を覚えます。先に触れましたが、賛同者の規模もインパクトも少なすぎます。 すぎやまこういち氏ぐらいかな、意外だったの(笑)。 僕だったら必ず著名アメリカ人、ハリウッドスターとかも加えます。それが不可能だとしたら、今はまだ意見広告を出す段階ではないということです。


ちなみに賛同者の一人である花岡氏の この記事 によると、当初ワシントン・ポストには南京大虐殺の反証を予定していたらしいです。ところがポストはかたくなに掲載を拒んだため、慰安婦反証に切り替えたとのこと。金で買える意見広告すら載せてもらえない南京問題は、慰安婦以上に時間がかかりそうですな。だからといって、ならばワシントン・へ掲載!はどうか控えて下さい。それこそアジビラ扱いされてしまいます。



OPINION5:国内政治対策?

国内政治のごたごたから海外へこういう形で目を反らさせるというのはありますね。参院選も近いですし。正直、これが狙いなのかと思いますが、やるなら 竹島奪還オペレーション の方がインパクトがあったと思うのです(笑)。また意見広告ならば、北朝鮮の拉致問題とかで掲載を試みた方が良かったかもしれません。これは安倍政権の重要課題ですし、しかし海外ではあまり知られていない。慰安婦は年金問題みたく現政権を揺るがすものではありません。不謹慎ですが、おばあさん方にお迎えが来るまで待つのも手でした。慰安婦は優先課題でない、今は課題にしないというのも賢明だと思うのですが。


一方、「なぜまた慰安婦?それもこの時期に?」、「せっかく程よく落ち着かせてやったのに!(←傲慢ですな)」というのがアメリカの反応でしょうね。まあ決議が採択されるとして、どう安倍政権はこれをプラスにひっくり返せるか。あと素朴な印象として、日本の政界内でも慰安婦で立場がいまだ大きく割れている事、外国から見ると大きな不信感を抱かせます。慰安婦問題のキーパーソン、河野洋平氏など今も元気に衆議院議長ですよね。「慰安婦が本当に問題なければ、なぜ彼は今も立法府のトップにいるのだ?」と思うわけです。赤狩りは要りませんが、国内意見はまとめておきたい。繰り返しますが、それが無理ならば意見広告を出す段階ではないと思います。



僕はずっと意見広告の立場と同じですし 、賛同者の中には尊敬できる方もいます。英語で意見したという試みはそれなりの評価もしたいのです。要は「見せ方」で、そこは稚拙、よくて及第ぎりぎりといったとこでしょう。ということで、そろそろチーム世耕からお呼びがかからないかと妄想する今日この頃です(笑)。




・・ああ、書きすぎ!





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Last updated  2007.06.21 01:17:45
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的を射ています  
Izumi Yukio  さん
どういうタマで勝負に出るかというのは、
ひとつのポイントですね。

圧倒的多数の世間は、「内容」まで踏み込んで見るひとは極めて少数で、何の「題目」が脚光(?)を浴びているか、ということで見るわけですから、

お説のように、
「竹島」に話題を散らすか、
「朝鮮政権による拉致」を取上げるか(その文脈のなかで、慰安婦とまったくことなる「関係者すべての不同意」問題を突く)
という選択肢もありうると思います。

「WPに広告が出た」ことの話題性は、米国においてより日本においてより高いのかもしれませんね。

朝日新聞が中国・韓国にご注進して日本の政治をかき回すのの逆を行ったと解釈するテもあるのでは?

本件では
「やはり米国は他国なり」
という当たり前のことを再認識させられます。 (2007.06.21 08:54:18)

Re:的を射ています(06/21)  
Izumi Yukioさん

>圧倒的多数の世間は、「内容」まで踏み込んで見るひとは極めて少数で、何の「題目」が脚光(?)を浴びているか、ということで見るわけですから、

●そうですね。これはプロパガンダのイロハでもあります。

>「竹島」に話題を散らすか、
>「朝鮮政権による拉致」を取上げるか(その文脈のなかで、慰安婦とまったくことなる「関係者すべての不同意」問題を突く)という選択肢もありうると思います。

●竹島奪還はしゃれですけど、ちょうど日韓EEZ交渉合意せず、というニュースもあったのでタイミング的にはいいでしょうね(笑)。

>「WPに広告が出た」ことの話題性は、米国においてより日本においてより高いのかもしれませんね。朝日新聞が中国・韓国にご注進して日本の政治をかき回すのの逆を行ったと解釈するテもあるのでは?

●そう思います。報道の流れや、後追いの日本でむしろ話題になってますから。


>「やはり米国は他国なり」
>という当たり前のことを再認識させられます。
-----

●幻想がありますね。まあこれは対米国に限りませんが。
(2007.06.21 19:32:45)

評価すべきポイント  
Izumi Yukio  さん
さきの書き込みのあと世の中を眺めると、なんとあの「意見広告が災いして決議が早まった」といった濡れ衣的批判まで日本の一部論者が語っているようですね。

反論のベースがほとんどゼロだったところに、米国高級紙に(ほんらいは米国の新聞記者が調べて記事として書くべき内容の)広告を出したというのは、まずもって高く評価すべきだと思うのですよ。一部論者のごとき、いきなり「全打者三振にもっていけ」というのは言いすぎです。

安倍総理が決議への動きまで“鎮静化”させた事実はないでしょう。
決議後に米国の行政府がそれをもって日本との外交問題化させないよう了解を取り付けたというレベルだったはずです。

決議の意味・内容を質すときに refer しやすい公開英文資料が新聞にどかんと出たというだけでも意義があったと思います。
(泉 幸男@ヴェトナムの出張先) (2007.06.23 10:03:54)

Re:評価すべきポイント(06/21)  
Izumi Yukioさん
>さきの書き込みのあと世の中を眺めると、なんとあの「意見広告が災いして決議が早まった」といった濡れ衣的批判まで日本の一部論者が語っているようですね。

●意見広告の有無とは別に、(たとえ今回でなくとも)いずれ決議は採択されたと思います。相手陣営の「異常な」入れ込みようからみて。決議が通ったってどうってことないんですが(笑)。案外、この時期にさっさと採択された方が、結果的にいいかもしれません。


>反論のベースがほとんどゼロだったところに、米国高級紙に(ほんらいは米国の新聞記者が調べて記事として書くべき内容の)広告を出したというのは、まずもって高く評価すべきだと思うのですよ。

●そうですね。僕も含め、外野は安全な場所から好き勝手いえますから(笑)。掲載までの努力、察します。署名で氏名を公にしたのも勇気があると思います。立場に色がつくわけですからね。


>安倍総理が決議への動きまで“鎮静化”させた事実はないでしょう。決議後に米国の行政府がそれをもって日本との外交問題化させないよう了解を取り付けたというレベルだったはずです。

●そうですね。米国務省が最近頼りないのが気になりますが・・・もっと仕事してもらわないと。

>決議の意味・内容を質すときに refer しやすい公開英文資料が新聞にどかんと出たというだけでも意義があったと思います。

●同意します。ただ日本側の主張をサポートする英文資料がまだまだ少ない気がします。それと関係者と場所ですね。僕はやはり地元のジャーナリストに記事として書かせたいし、学術論文ならばレビュー付のものをアメリカで発表して欲しい(できれば日本人研究者以外で)。南京ですけど、未だにアイリスチャンのが一番読まれている、また資料としても使われたりする。かの本に対抗できるものを希望します。欲張りすぎでしょうか。 (2007.06.23 17:17:16)

Re:慰安婦の意見広告に意見する  
加藤 さん
とにかく慰安婦問題については、小林よしのり著『戦争論2』の「総括・従軍慰安婦」を読んでみてほしい。
あらゆる関連本の中で最も良い。
この問題の全容も把握できる。 (2007.06.27 07:14:16)

Re[1]:慰安婦の意見広告に意見する(06/21)  
加藤さん
>とにかく慰安婦問題については、小林よしのり著『戦争論2』の「総括・従軍慰安婦」を読んでみてほしい。
>あらゆる関連本の中で最も良い。
>この問題の全容も把握できる。
-----
●コピペですか。僕のエントリーもちゃんと呼んで欲しい。 (2007.06.27 15:43:42)

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