「少子化対策は国家百年の大計」

「少子化対策は国家百年の大計」

「こどもの日」に合わせて、総務省から 15歳以下の子供の数 が発表
された。

推計総数は1714万人で、昨年より11万人少なくなり28年連続減少したと
いう。総人口に占める子供の割合は13.4%と、こちらは35年連続の低下
となった。

少子高齢化が世界でもっとも速いスピードで進む日本は、2005年には史上
初めて総人口が減少し、今後は日本人がどんどん減っていくのだ。少子高
齢化がもたらす年金制度の崩壊をはじめ、日本全体の生産力の低下=国
力の衰退に対して、政府や国民の間にそれほどの危機感は感じられない。

古代地中海世界で全盛を誇ったローマ帝国が滅んだ原因の一つに、人口減
をあげていた本をかつて読んだ。出生率が落ちたローマは、市民の義務であ
る兵役につく男子にも不足をきたし、国防も傭兵に頼らざるを得なくなり、最
後は傭兵隊長・オドアケルに滅ぼされてしまった。

いま日本では、独身貴族がもてはやされるが、実は  未婚の男女とも
9割が結婚を望み、子供の数は平均で2.11人はほしい
と思っている
という調査結果もある。

ところが、05年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数)は
1.26だ。この原因は、働く女性が増えたにもかかわらず、女性が子供を産
みにくい環境にある事は歴然としている。

30年ほど前、合計特殊出生率が世界でもっとも低かったのはフランスで、た
しか1.3ぐらいだった。ところが、いまは1.89とヨーロッパでもっとも出生率が
高くなった。その背景には、フランス政府がこの間、所得制限なしの家族手
当、子供が3歳になるまでの育児休暇や労働時間短縮、多様な保育サービ
スなどの手厚い家族政策を打ってきたことがある。

日本の社会保障費は60歳以上向けが約70%で、少子化関連はわずか4%
だという。国家百年の大計として少子化対策費をもっと厚くするべきだ。戦
前の「産めよ増やせよ」のスローガンではないが、「衰退する日本」の到来
を拱手傍観している余裕はない。


                   (エフシージー総研 小林静雄氏記)

      <SANKEI EXPRESS 2009/05/09 30面「週末に思う」欄より抜粋>




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