もりちゃんパラダイスin愛・地球博★

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第八話★金縛り★


私はとある病院の職員です。
夜には、警備と急患の応対のため、交替で当直をしています。
これはそんな夜の話です。

・・・・・・ふと、目が覚めた。

私は当直室のベッドで壁の方をむいて横になっていた。
朝まで熟睡する私が、途中で起きるというのは珍しい事だ。
まだ意識ははっきりしない。

と、誰かが当直室に入ってきた。いや、正確にはそんな気配を感じた。
看護婦か誰かが、用があって呼びに来たのだろうか?
寝ぼけた頭でぼんやりと考えながら、振り向こうとしたその時・・・
「!!!」
動けない。寝返りがうてないどころか、指の先すらピクリともしない。
さらに体の上にのしかかってくるような強烈な重量感。

そういえば、中から鍵のかかったこの部屋に一体誰が入れるというんだ?!
その瞬間、はっとなって意識が鮮明になる。

依然として私の枕元、すなわち真後ろに人の気配がある。
全身の力を込め、振り向いて確かめようとする。
やはり動けない。
声を出そうとするが、これも無理だった。

・・・・・・ザワザワザワザワザワザワザワザワ・・・・・・

窓の外で音がして、ガラスに何かが張り付いてくるのが感じられる。
その気配はどんどん数を増し、びっしりと窓を覆う。
それとともに一段と圧迫感が強くなる。
「これはさすがにヤバいぞ」
本能的にそう思ったものの、不思議と恐怖感はない。
ただ、はやく金縛りを解かなきゃいけないような気がした。
もう一度振り向こうと試みる。
今度は体に力を込めるのではなく、強く念じてみる。
「動け、動け、動け・・・」

次第に重量感が薄れていく。
と同時に窓に張り付いていた気配が減っていく。
どのくらい時間が経ったのだろう。
私はようやく振り向いた。

そこには誰もいなかった。
ついさっきまで人がいたかのような空気を残して・・・

何気なく時計を見ると午前4:00を指していた。


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