もりちゃんパラダイスin愛・地球博★

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第十三話★花嫁への電話★


私の母は、パーマ屋を営むかたわら山野流着付けの奥伝講師の免許をもっていましたので自宅で着付け教室を開いており、結婚式の花嫁着付けもしていました。おばさん(母の姉)も同様の仕事をしており、お互い忙しい時はフォローをしあっていました。
8月のある暑い日のことでした。そのおばさんが急に亡くなりました。1ヶ月先に花嫁着付けの仕事が控えていた矢先のことです。
次の日、おばさんのお通夜があり、そこへ当の花嫁さんが駆けつけてくれました。花嫁さんはおばさんの死によって自分の結婚式がどうなるんだろう、と心配顔です。そこで、この着付けの仕事は母が引き継ぐことになりました。花嫁さんと母はお通夜の会場で挨拶を交わしました。私も横におりましたので、会釈程度の挨拶をしました。
さて、お通夜、お葬式も無事に終わり、私と母が家へ戻って「疲れた~。」とか言いながらくつろいでいた時です。ふいに電話のベルが鳴りました。私が受話器を取ると、電話の主は若い女性で、しかも先日挨拶をした花嫁さんであることがわかりました。
「今度花嫁着付けをお願いするHと申しますけれども、先生(母のこと)いらっしゃいますでしょうか...?」
電話の声が微妙に震えているのがわかりました。ちょっと変だなと思いながら母に代わると、母はえらくかしこまり、「お互い頑張りましょう。」を繰り返し伝えていました。電話はすぐに終わりました。ちょっと気がかりだったので、
「なんか声震えてたけどどうしたの?」
と母に聞いてみました。すると母は、
「うん、今の電話、例のおばさんの仕事の花嫁さんだったんだけどね...

私のかわりに妹が仕事することになりましたのでよろしくお願いします。って死んだおばさんからさっき電話があったそうなんだよ...。」
よっぽど気がかりだったんでしょうね...。ちなみに母が死んだ時も同様のエピソードを残しています。私の母の家系はこんなエピソード満載です。詳しいことはまた今度...。

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